平成24年8月27日(月)〜28日 北岳 3193m

【一日目】

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 夏山アルプスの初デビューが白馬岳だった。計画ではもう一座を盆過ぎに、花と展望を目的に登るつもりでいたが、下旬になってしまった。
その間、毎日、長野・山梨県の天気予報と睨めっこしていた。雷雨の心配も薄れ、ここ5日間は「晴、朝晩曇り」の予報が続いている。朝から曇りだと展望は無理だと思って諦めていた。しかし下界が曇っているのは雲海のためかも知れないと思い、ネットで各地の山のライブカメラを見ると、早朝には晴れていることが多い。やっと決行する気分になり、前日の朝食時に細君に山名を告げる。

 北岳を選んだのは日本第2位の高峰であるのと花の宝庫のためだが、花は遅いかも知れない。

 前夜8時前に枚方を出発、中央道・韮崎ICを0時30分に下り(深夜割引料金4千円)、1時に市営芦安駐車場に着く(395km)。トイレのある第3駐車場に駐車していたが、5時過ぎにバスターミナル前の第2駐車場(駐車率約50%)へ移動して、6時30分の始発広河原行きのバスを待つことにしたが、乗合タクシー乗場である第2駐車場に、タクシーが5台来る。
運賃は100円(協力金含1100円)しか違わないので、タクシーで行くことにして準備をする。2台目のタクシーに乗り5時40分に広河原へ出発。

周辺地図(中心は市営芦安駐車場付近)


6:30〜42広河原〓6:50広河原山荘〓7:18白根御池小屋分岐〓7:50鉄の橋(右岸へ)〓8:41鉄の橋(左岸へ)〓9:43〜10:00二股〓右俣コース(途中20分昼食)〓12:13白根御池小屋道出合〓12:28小太郎尾根分岐〓13:20北岳肩ノ小屋でテント泊

 リュックは車の後部にある荷物スペースに運転手が仕舞ってくれたので、ゆったりと座れた。ガイドをしながらの運転で2箇所ほど止まって説明もあった。

 広河原に着き、南アルプス林道ゲートの脇より林道に入ると、左に大樺沢(おおかんば)越しに北岳が朝日を浴びて輝く。野呂川に架かる吊橋を渡り、右折、広河原山荘で登山届けを提出後、横手より樹林帯の登山道を登る。

 白根御池小屋分岐で二俣へ。樹林帯を抜けると小さな沢に架かる木橋を渡り大樺沢の右岸を暫く歩くと、鉄の橋が現れ左岸へ。
登山道は大樺沢から少し離れた所にある。小さな沢に付けられた木橋を渡りながらジメジメした登山道を登って行くと、小尾根を登るようになるが、やがて大樺沢に出て、鉄の橋を渡り左岸を二俣へと登っていく。背後には鳳凰山がそそり立つ。
雪渓が現れ、バットレスの大岩が近づいて来る。北岳山頂部にはガスがかかってしまうが、秋の花・夏の花が入り混じって咲いている。


市営第2駐車場(下山時撮影)・愛車と乗合タクシー。 正面がバス停

広河原に着きました。
画像消滅
南アルプス林道入口

林道からの大樺沢と北岳

野呂川に架かる吊橋

広河原山荘で登山届けを提出

ジャコウソウ

レイジンソウ

ミヤマシャジン

ヤマハハコ

クサボタン

キツリフネ

暫くは樹林内の登山道

ホソバノキリンソウ

ホタルブクロ

キオン

ヨツバヒヨドリ

ゴマナ

センジュガンピ
小さな沢を木橋を渡り登っていきます。

キタダケトリカブト

ミヤマゼンコ

オオハナウド

大樺沢の右岸へ移動

小さな沢を横切り登って行きます。

タマガワホトトギス

ミヤマヒキオコシ

ミソガワソウ

オニシモツケ

ミツバベンケイソウ

クガイソウ

左岸に移動

ハクサンフウロ

ヤマブキショウマ

ウメハタザオ

タカネグンナイフウロ

ヤマブキショウマ

ミヤマカラマツソウ

クロクモソウ

オドリコソウ

ミヤマミミナグサ

近づいてきたバットレス

雪渓が現れる。

イブキトラノオ

シナノオトギリ


ヤマガラシ

ミヤマハナシノブ

二俣はもう直ぐだ。

 バイオチップのトイレ(100円)がある二俣に着く。直ぐ下の雪渓まで下りれば涼しいだろうが、そんな元気も無く、その場でお握りを1つ食べる。

 今回の計画で一番迷ったのがここから、右俣コースにするか。登行時間は長くなるが、左俣コースを登り北岳山荘に幕営するかだった。ここまでは標準タイムで登ってきている。出発時間も予定より1時間早かった。しかし八本歯付近の岩壁に付けられた道を、重いリュックで登るのは不安に思われる細君。
やはり登山届け通りに右俣コースを登ることにする。とにかく、何処から登っても白根尾根に登り辿り着くまではキツイ登りであることに変わりはない。

 花の時期を逃したと思っていたが、花は途切れることなく咲き、細君は関西では観られない花はないかと探している。私は登るだけで必死。云われるままに写真を撮るが、写っているかと確認をする余裕はない。

 激しい息遣いから空気の薄さを感じ、GPSで高度を見ると2710mで白山よりも高所になっていた。最後の樹林内に入ったところで昼食にする。

 今朝、最高の展望を見た小屋泊りの登山者、そして健脚な日帰り登山者とすれ違うようになる。展望・健脚とも羨ましい。
実はジョギングを楽しんでいる40歳になろうとしている長男が富士山登山競争に今年も参加して富士吉田市役所から3時間32分10秒で完走(完歩?)している。目的は記録(昨年の初参加より10分ほど短縮)なので仕方はないが、何かに付けて勿体なく感じるのは歳のせいだろうか。因みに長男・次男(一応アスリート)とは一緒に登山したいとは全く思わない。

 花の植生が変わり白根御池小屋からの道と出合う。そして展望の良い小太郎尾根と出合うが、湧き立つ雲で小太郎山と仙丈岳が望める程度だった。左折してキツイ登りから開放されるが、空気の薄さからスローな歩きである。
クサリ付きの岩場を登りきっても小屋は見えず。そしてテント場に入っても見えず。「あぁ!シンド」


二俣からのバットレス。

二俣からの鳳凰山

タカネナデシコ

エゾシオガマ

ホウオウシャジン

マルバダケブキ

コバノコゴメグサ

オヤマリンドウ
白山の高度を越したが、森林限界は未だ先。 バットレスにガスが。 鳳凰山も見納めか。

ウメバチソウ

カンチコウゾリナ

明日の白峰御池小屋への分岐

伊吹山を思い出す斜面のジグザグ道。

小太郎山分岐はもう直ぐだ。 ガスがかかってしまった鳳凰山。

北岳にはガスが・・。小太郎山分岐付近より

トウヤクリンドウ

ベンケイソウ

イブキジャコウソウ

クサリ場

小屋との中間点。

仙丈岳が望まれた。

やっと北岳肩ノ小屋に着きました。 

 北岳肩ノ小屋に辿り着く。一人500円の幕営料を払い、尾根上に夕日とご来光が観られる場所に設営する。ガスがかかる北岳山頂の登頂を諦め明日にする。
湯を沸かしコーヒータイムにする。有料の(1?100円)冷たい水を飲むと、塩素がきつくてプールの水を飲んだような感じ。当然コーヒーも美味しくない。明日、白根御池小屋に着くまでこの水を飲むのかと思うと滅入る。(翌日の出発前の水は塩素が薄くなっていたが、直後に塩素を貯水槽に入れるのを目撃)。
15分ほど下った水場に行く元気も無い(同じ日に登った登山者のレポを見て知ったのだが、毎分100ccの水量しかなかったらしい。二人分の水を確保するには相当の時間がかかることになる)。

 時々ガスの切れかかる甲斐駒ヶ岳・北岳を眺めながら17時に夕食。夕焼けは観られそうにないので、18時にはシュラフに入る。
東斜面のテント場はグループの登山者が多く賑やかそうだったが、ここは単独登山者の3張が間隔を開けて設営されているので静かである。
夕方から東風が強くなり、テントが風で揺れる音が少々耳障りだが、いつの間にか寝てしまう。
ひと眠りしたあと、22時から2時間毎に目が覚める。そのつど外を見るが、ガスに覆われている。


オベリスク・鳳凰山のシンボルがよく見えます。

甲斐駒ヶ岳。

甲斐駒ヶ岳。登れる日が来ればいいのですが。

雲があると、でかく感じます。

おでんにお餅を入れて、最後にパックご飯を入れて完食です。後は寝るだけです。
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