平成23年2月26日(土) 上蒜山1202m〜中蒜山1123m
蒜山は平成15年5月4日に登って以来である。日本海に近いので積雪に不安はあるが、無理だったら上蒜山の往復だけにする。 |
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朝方は上蒜山にガスがかかっていた。ジャージーランド付近より |
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8:00上蒜山スキー場〓8:35頃登山口付近〓9:10三合目〓10:10槍ヶ峯〓10:45〜11:15上蒜山(三角点往復)〓11:55ユートピア〓12:20〜13:05中蒜山〓13:18下蒜山分岐〓14:19日留神社〓15:35塩釜冷泉 |
朝、米子自動車道からの蒜山の山頂には、雲がかかっていたが青空になる。
上蒜山スキー場駐車場には10台ほど駐車していたが、登山者はいないようだ。駐車場の入口には、登山者用の看板がある。説明に従い200m程、車道を戻り左の砂利道を上がっていくのだが、除雪されていなかった。アイゼンでも良さそうだが、直ぐにカンジキが必要になりそうなのでカンジキにする。
砂利道が何処か分からなくなり、8年前の記憶を頼りに登山口方向へ歩く。以前はなかった別荘の横手を通ると、見覚えのある酪農の小屋が左に見えた。この辺りからNSRスノーシューと思われる跡があったので、暫く踏み跡を辿ったが登山者ではなかった。
登山口の標示は見つからずにヒノキ林内に入るが、踏み跡が見つからず。植林と自然林の境目の登り易そうな尾根を登るが、氷点下なのに雪は緩んでおり、雪下の空洞に注意しながら登る。
左の植林がなくなると、展望は良くなる。眼下に蒜山高原が広がり、背後には、皆ヶ山と二俣山の鞍部から大山が見え始め、高度を上げるとさらに見えるようになる。
展望の良い槍ガ峯に立つ。普通ならここが見納めになる白銀の大山が素晴らしい。この時、烏ガ山も見えているのだが大山と一体化されてしまい、存在感は薄い。そして稜線を見上げると樹氷に覆われた上蒜山の山頂が初めて見える。樹氷がなくなる前に山頂に立てることを願い踏み出す。
左はブナ林、右の雪庇に注意して近寄らないように登る。
樹氷のブナ林になる。高度を上げると樹氷は更に成長してくる。そして展望のない中蒜山頂上に着く。北へ続くブナ林に三角点のある峰が見える。200mほどの樹氷のトンネルを潜り、三角点へ向かう。稜線からは展望は効かない筈なのだが、2〜3mの積雪が踏み台になり、大山や日本海が望めて感激。気温は氷点下3度で、強風でないのが助かる。
カンジキを装着して出発 |
別荘地。白い山は三平山 |
牧場内を横切る。牧場の柵が少し見える。 |
ヒノキ林を抜けると展望が良い。 |
背後には毛無山・三平山が。 |
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二俣山と皆ガ山の鞍部に烏ガ山、そして大山。 |
槍ガ峯へ。 |
槍ガ峯からの上蒜山堰i中央;三角点) |
槍ガ峯にて。 |
毛無山・三平山 そして大山の裾野が広がる。 |
蒜山三座が望まれた。 |
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【上蒜山頂上】
樹氷に囲まれた上蒜山頂上 |
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上蒜山頂上付近からの大山。 |
三角点からのユートピア・三鈷峰・矢筈ガ山・甲ガ山。 |
三角点は数メートル下。積雪のお陰で大山が望めた。 |
これほどの展望と樹氷が観られるとは幸運だ。 |
下蒜山 |
下蒜山の背後に氷ノ山望む。 |
【中蒜山へ】
これほどの展望と樹氷が観られるのに誰も登ってこない。今日の天候だとトレースがなくても中蒜山までは登れるが、中蒜山から塩釜への下山道は記憶が薄いので不安があった。
しかし、中蒜山に着くまでには登山者と出会いトレースができるだろうと予測して縦走することにする。
ユートピアと云われる眼下に見える広々したコルへ、カンジキの大きな足跡を残しながら下り、登り返すと先ほどの上蒜山の頂が見え出し、その右手には矢筈ガ山・甲ガ山、そして日本海が。
やがて樹林に入り、中蒜山の避難小屋に突き当たり右折する。
下蒜山 中蒜山へ |
中蒜山望む。ユートピアまで緊張する尾根道だ。 |
トレースを残し・・・。 |
ユートピア |
ユートピアからの上蒜山・矢筈ガ山・甲ガ山 |
【中蒜山〜塩釜登山口】
360度の展望が広がる中蒜山頂上。予想に反して誰もいない山頂だった。樹氷が「カサカサ」と音を立てて落ちる中、展望を見ながら食事する。
風もなく暖かく感じる。展望も良いのでいつもだったら食事時間は1時間以上だが、トレースのない下山道に思われるので、早く切り上げて下山にかかる。
避難小屋を直進して、下蒜山への縦走道を歩き、塩釜へ下る分岐で右折。だが、分岐の道標は雪中に埋もれているので、下る尾根を探す。
「ここかな?」。GPSで調べると道を示す破線があった。雪下はクマザサだと思われる急斜面を下ると、1歩踏み出す毎に大きく沈み込み、眼下の尾根を目指しジグザグに下る。支障がなければ10分もかからないだろう。
しかし、斜面の三分の二ほど下った所で、右足のカンジキが一気に落ち込んで、股間で止まる。斜めに落ち込んでいるので、真上に足を引き上げようにも、カンジキが邪魔をして上がらずに足が痛い。
仕方なく周りの雪を掘り、踵側のカンジキが見えるまで身体を捻ってさらに掘る。そしてカンジキを手で握り動かすと簡単に上がった。服に着いた雪を払い一呼吸して下山にかかると、今度は1歩目で左足が落ち込む。防水の手袋に換えて再び掘る。もう汗だくである。
恐ろしくて足では無理、仕方なく尻セードで下るとよく滑るが、冷た過ぎる。
もう大丈夫だろうと立つと、再び右足が落ち込み、再々の雪掘をする。お尻が冷たいのは我慢して尻セードで安全圏まで滑り、細君が下りて来るのを待っていたが、一向に下りて来ない。
私のときは呆れていた細君が、落ち込んで身動きができないでいる。私のときは助けてくれなかったが・・。
リュックを下ろし、獣のように4ツ足で登っていく。4回目の雪掘りは慣れたものだった。
明瞭な尾根道になり、8合目の標示があったが、「未だ、八合目?」と思ったほど雪掘りに時間を費やしたようだ。
6合目付近で、壺足が現れた。ここまで登って断念した人がいるようである。私たちには遭難の心配がなくなったトレースであるが、気の毒に思うほどの深い壺足で下山へと導いてくれることになる。
5合目に小さな祠のある日留神社まで降りてくると尾根が広くなる。主尾根は左だが、右の小尾根に入ると、今まで見かけなかった目印の紐が3箇所に巻かれており、迷いやすい地点のようだ。ここからは緩やな坂になる。
やがて沢を渡り乗越えて、2つ目の沢を立て続けに渡る。目印のテープが欲しいところだが、壺足のお陰で迷わずに通過する。
少し右岸を歩いてから沢を離れると台地上の緩やかな林になり、高原の雰囲気を味わいながら下る。お世話になった壺足は林道へと向かっている。
私たちは塩釜冷泉へ。ここまで下れば迷うことなく塩釜冷泉の汲み場(中蒜山登山口)の横手に出てくる。
自転車を置いた場所まで歩き、細君を残して上蒜山スキー場の駐車場へ戻る。そして塩釜冷泉をポリタンクとペットボトルに汲み、車内での飲料にする。これが美味かった。
ギンギラ銀の太陽。 |
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中蒜山頂上より東方面の中国山地(氷ノ山方面) |
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南方面の中国山地。 |
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日本海。至福のひと時。 |
楽しませてくれた樹氷だが。 |
【塩釜へ下山】
塩釜分岐に注意しながら下蒜山への縦走道を歩く。 |
ここが、塩釜分岐だった。尾根に取り付くまで、今回一番の難所になる。 |
2回目の巨大な壺足。雪掘りします。 |
これでも未だ抜けません。 |
5合目の日留神社。 |
立て続けに沢を2回渡る。 |
やっと、緊張から開放されたが、塩釜冷泉まで長く感じる。 |
中蒜山・中央から右に下る稜線に登山道がある。 |
やっと到着。 |
登山口の横手にある名水百選の塩釜冷泉。 |
遅くなってしまった。直ぐに帰宅すると中国道・宝塚付近の渋滞のピークに入ってしまうので、蒜山SAで早い夕食をしてから帰路に着く。 枚方21:15着。
米子自動車道・蒜山SA(上り線)からの大山と烏ガ山 |
米子自動車道・蒜山SAからの蒜山三座。 |