平成22年11月6日(土) 飛騨・三方(さんぽう)崩山(くずれやま) 2059m

年度別

 白山から東に派生する山。白山平瀬登山道からも目立つ山である。険しそうな山名にも惹かれたが、見事なブナ林があると聞き、登ることにする。
週末の天気は良さそうなので、2日目は籾糠山に登る予定。

 1時過ぎに枚方を出発する。東海北陸自動車道を走り、白川郷ICで降り、国道156号線を約12km南下したが、荘川ICで降りる方が早かったようだ。5時過ぎ『道の駅・飛騨白山』に着き、30分ほど休憩後、道の駅前の林道を私の車でも入れる地点まで上がり仮眠する。
6時半に道の駅から5人グループが上がってきた。今年は熊騒動があるので、先頭で山に入るのは遠慮して、登山者を待っていた。私たちも急いで準備する。


周辺地図

6:52出発〓7:03林道終点(登山口)〓7:35東からの尾根に乗る〓8:10南からの尾根に乗る〓9:00白ガレ〓10:55〜12:00三方崩山〓14:44林道終点

 

 林道から見上げる上部は朝日を受けたブナが黄金色に輝いて綺麗だ。10分ほど歩いて林道終点(登山口)に着く(途中から林道は舗装されていたが、地道との境目には段差があり、私の車では無理だろう。下に駐車して正解だったようだ)。
コンクリートの階段横に『これより先、登山道崩壊のため通行禁止』と白川町の標示がある。その看板にマジックで『5/9通行可』と。この看板は今年のものではない。ネットで確認済みなので入山する。
山に入るとカエデの木が多いが、黄色い葉が殆どだ。赤く染まると見事だろう。
ジグザグに登り、東からの支尾根に乗ると一変して黄金色のブナ林に覆われ、「お見事!」の一言。支尾根を越して山斜面の道を蛇行して登る。いつまでも続くブナの原生林に感嘆の声を上げる。

 樹間からは山頂部が冠雪しているのが見える。アイゼンを積み忘れたのに気付くが、見える積雪は大したことがないように思える。

 南からの主尾根に出合うと、直立したブナの大木が群生するようになる。しかし全てのブナの木は葉を落としてしまっている。
小ぶりのブナの木に変わってくると尾根道は傾斜を増し、登山道端にはロープが延々と張られている。潅木の道に変わるが、傾斜は更に増したように感じられる。
ダケカンバが現れるようになっても続く急登、登山道脇には雪も現れ、登りには支障はないが、融けだす下山時に滑らないか心配だ。

 張ってあるロープが途切れ、ひと登りすると白ガレ(標示なし)に着く。崩落した登山道の脇には雪がある。
そして雪を被った山頂を望む。ここでも山頂に雪があっても大丈夫のように見えたが、甘かった。
白ガレを過ぎ高度を上げると、山頂へのルートが分かるようになり、恐ろしいヤセ尾根のアップダウンの連続である。先を行く5人グループの登っているのが小さく見える。先に登ってもらっていて助かった。
ピークを越すと隠れていた登山道が現れ「こんなナイフエッジがあったのか」「こんな、ピークがあったのか」と。普通なら適度に緊張して楽しめるが、今回は雪道で注意していても滑る箇所がある。
急な峰にはロープやクサリがあるのでよいが、平坦なヤセ尾根では3点確保することもできない。大袈裟だが平均台の上を歩いている感じである。
しかし振り向けば北アルプスがますます望まれるようになる。山頂からの大パノラマに期待する。

 やっと最後の平坦なヤセ尾根に来る。崩落斜面側に雪穴がある。。バランスを崩してこけるた痕跡は、先に登ったグループか?私もこの場ではなかったが体験した(細君は下山時にここで)。


このカーブを上がるのに・・。ここでいいか。

朝日に輝くブナ林

林道終点の登山口

通行止めを無視して・・。

雑木林の黄葉

ブナ原生林
主稜線の登山道。

ダケカンバ

下山時はロープを握って小走りに急降下する。

白ガレからの山頂(登っているときは山頂が分からず)

白ガレの縁に登山道

登山道の雪が多くなってきた。この先に不安がよぎる。

先行のグループが登っていた。山頂だと思ったがP1956だった。

振り返れば北アルプスが見え始めていた。

登りきった時は・・。不安と期待が。

頂上だと思ったP1956.人影がない。

登ってきたヤセ尾根。北アルプスと御嶽山

鳩谷ダム湖

御母衣湖

P1956を通過しても、新たなアップダウンがあった。 中央奥;奥三方岳。 三方崩山

緊張するヤセ尾根があった。

乗鞍岳   御嶽山

白山の別山が望まれた。

【三方崩山頂上〜】

 やっと、三方崩山頂上に着く。先着の富山からの5人グループに感謝の気持ちを込めて「ごくろうさん」と。
話を聞くと踏み跡はあったらしい。
先ずは展望だ。東方面が開けており、白銀の北アルプスが連なる(11月2日〜3日にかけて初冠雪があった)。
西側の白山は樹林越しに何とか望まれるが、標高がここより高い奥三方岳(2150m)があり、白山山頂部の全容を観ることが出来ない。
青空の下、無風、ポカポカと暖かい山頂で、のんびりした時間を過す。

 5人グループが下山した後、下山する。雪が緩んできたこともあるが、足の置き場は潰されてしまっている。
それでも登りから見れば雲泥の差である。
白ガレを過ぎると、滑り易い直線の急尾根。ロープを握って小走りに下るが、体力がもたず、途中からペースダウンすると腹が立つほど滑る。

 登りで感激したブナ原生林、下山時も感激して再び、写真を撮る。
今日の登山者は12人。狭い山頂には調度よい人数。アイゼンを付けていたのは1人だけで、皆さん予想外の雪であったようだ。しかしアイゼンを付けていると雪の少ない岩場では邪魔になる。持参していても、装着したかは疑問だが、リュックには入れて置くべきだった。


剱岳   立山   薬師岳                     北ノ又岳     黒部五郎岳方面

     槍ヶ岳     笠ヶ岳   穂高連邦 方面

乗鞍岳

御嶽山

奥三方岳の奥に別山と白山を望む

白山  
御前峰と剣ヶ峰


登ってきた尾根を下ろう。

下山する。  野谷荘司山。三方岩山は見えないようだ。

御母衣湖。 撮っていると悲鳴がした。

落ちてました。

 下山後『道の駅・飛騨白山』に戻り、蕎麦と五平餅・飛騨牛串焼き各1本を分けて食べる。五平餅を食べるのは30数年ぶりである。「あんな、不味い物は2度と食べたくない」と思っていたが、美味しかった。
これからは食べることにする。
今日は道の駅で車中泊まり、朝食のパンを買ってから狭い車内を整理して運転席と助手席に荷物を移動。登山靴は車の下に入れて、寝るスペースを確保してから、隣にある大白川温泉・しらみずの湯(源泉・かけながし)へ。
16時に入館、夕食を済ませ、温泉に2回入浴し、21時の閉店近くまで、TVを見ながらウトウトする。

 道の駅に戻ると立派なキャンピングカーからお粗末な私の車まで約20台が車中泊まりのようだ。
日ごろから熟睡など出来ない歳になっている。何度も目が覚めてトイレに行ったりするが、早く寝ているので睡眠時間は自宅にいる時と同じぐらいだった。
翌朝、足湯に浸かりながら朝食を済ませ、約25km離れた天生峠へ向かう。


道の駅・飛騨白山

日帰り温泉・しらみずの湯

翌日の朝食はあし湯に浸かって。

籾糠山

トップ