平成22年8月24日(火) F白山・御前峰 2702m

年度別

白山で観察した花

 連日酷暑が続く。登山での暑さ対策ではないが、就寝時だけしかクーラーを使用しない我が家では日中の温度が40度を越すことも。お陰で2階ではパソコンが使えずにノートパソコンを買ってしまう。

 一時的でも暑い我が家から逃げ出したくなるが、2000m級の高山でも低地では暑い登りになるので躊躇していた。そこで考えついたのが夜間登山である。
白山だったら今までの経験から夜間登山が可能に思われ、思い切って御来光登山にする。
山頂からの御来光が望ましいが、もし日の出に間に合わなかったときのため、展望歩道から御来光を拝むことにする。


駐車場で夕食

 前日、早めの昼食を済ませ11時半に枚方を出発。名神高速道の1区間だけ利用して京都東ICで降り下道を走る。
カーラジオでは枚方が37,4℃を記録して現時点では日本一の猛暑だといっている。脱出して正解だったようだ。
越前市内のスーパーで夕食と山での食料を購入後、白峰から白山公園線(33号)を走り、市ノ瀬出合から規制解除されている別当出合に17時過ぎに到着する。

 気温は25℃前後、天然のクーラーは最高である。暗くなる前に夕食を済ませ仮眠する。
今日は満月なのか?満天の星とはいかないが、「ボ〜」と夜空を見ていると流れ星が落ちる。


別当出合〜御前峰 9,3km
総歩行距離  17,2km

0:30駐車場〓40〓砂防新道〓1:22中飯場〓2:45〜52甚之助避難小屋〓3:10分岐・南竜ヶ馬場へ〓南竜道〓36南竜山荘前〓3:38展望歩道出合〓4:33〜5:32アルプス展望台〓6:30平瀬道出合〓6:52室堂〓7:31〜8:26御前峰〓お池巡り〓10:15〜20室堂〓10:38黒ボコ岩〓観光新道〓11:45殿ヶ池避難小屋〓12:47別当出合分岐〓14:02別当出合登山口〓14:15駐車場

 車の窓を少し開けて寝ていると、寒さで目が覚めて眠れなくなってしまう。0時になったので準備をして出発する。
バスターミナルのある別当出合登山口から吊橋を渡り砂防新道を登る。気温は20度を下回っているが、汗が噴出し服はずぶ濡れになり中飯場に着く。月明かりに照らされて不動滝が見え、滝音が聞こえてくる。
中飯場からは汗が出なくなり快適に登っていたが、逆に寒くなってきたので温度計を見ると13℃だった。夜露もあり服は乾かない。

 御来光登山の男性2人に抜かれて甚之助避難小屋に着く。小休止して着替えてから、昨夜の残り物の押し寿司を月明かりに照らされる別山を見上げながら食べる。

 着替えてスッキリし、南竜ヶ馬場分岐で砂防新道と別れて南竜道に入る。
斜面の緩やかな上りを直線に歩くと、眼下に別当出合の明かり、遠方には赤兎山が望まれ、月明かりだけでも歩けるが、ガレ場なので足元をライトで照らしながら歩く。
小さなコブを越すと下りになり、南竜山荘が月明かりに照らされて見え、南竜ヶ馬場を歩く登山者のライトが蛍のように光っている。
エコーライン分岐を過ぎ、万才谷に架かる橋を渡ると木道になり、立て続けにトンビ岩コース・南竜山荘、そして展望歩道に出合う。肌寒いので温度計をみると9℃(今回の最低気温)になっていた。夜空を見上げると冬の星座(オリオン座しか知らないが)が輝き、月は沈みかけていた。下界は熱帯夜だが、ここは冬をおもわせる世界だ。

 左折して展望歩道を歩く。木道を緩やかに上って行く。木道が終わると小さな流れを数箇所横切り、夜露で濡れた草木に触れないようにして登ると、柳谷の右岸道になる。
柳谷を渡渉(最後の水場)すると、潅木の急な登りになり吐く息が白い。登山道端には花が咲いているが、この暗がりでは撮っても無駄な抵抗だ。
東の空が赤くなり始める。日ノ出時間を調べてこなかったが日ノ出までは1時間はありそうだ。


人影がなかったバスターミナルと登山口

吊橋を渡り砂防新道へ

一部にあった石段の登り専用道

中飯場のトイレと月

甚之助避難小屋下に建設中のトイレ

砂防新道と別れ南竜道へ


エコーライン分岐

頭上には冬の星座、気温は9℃

南竜山荘

トンビ岩コース分岐

展望歩道出合 9℃

柳谷の水場

アルプス展望台

 急坂の潅木帯を抜けるとアルプス展望台だった。ここで朝食を取って御来光を待つことにする。恵那山・御嶽山は望めないが北アルプスは望まれ、御来光が拝めそうだ。
気温は13℃前後だがブヨが飛んでおり、無防備な顔面に突撃するのを必死で追い払いながら、寒さをこらえて待つこと30分以上。
予想は雲上からの御来光だったが、光線が漏れ出す瞬間は穂高連邦からだった。この一瞬がなんとも言えない感激がある。

 陽が昇るとアルプスが見えなくなり、何故かブヨもいなくなる。明るくなれば辺り一面はお花畑である。当然ながら花好きの細君は観察に忙しくて進まない。

 岐阜県からの平瀬道に出合い左折する(昨年、平瀬からお花松原まで登ったときに、平瀬道から見た展望歩道の稜線に魅力を感じて今回の実行となった)。
広い室堂平を西へ歩くと室堂からラジオ体操の音が聞こえてくる。時計を見ると6時半を過ぎていた。時間はたっぷり、花観察の長い一日になりそうだ。

 室堂では休憩せずに山頂を目指す。御前峰への登りは辛いものだと覚悟を決めているためか、それとも慣れてしまったのか苦にならずに登りきる。


槍ヶ岳と穂高連峰の中間からの御来光 5:21 気温12℃

アルプス展望台より  陽が昇ると北アルプスが見えなくなる。

別山と南竜ヶ馬場

アルプス展望台
明るくなると周囲にはお花が。



御前峰とナナカマドとハイマツ

平瀬道出合付近

室堂

イブキトラノオ

 白山・御前峰に立つ。別山や白山系の山が望める間に登れたが、ガスがかかるのも時間の問題だ。
食事を済ませから西のガレ場を下り、火口から御前峰・剣ヶ峰・大汝峰を見上げながら、お池巡りを楽しみ、室堂平を横切り室堂に戻ってくる。
時々、ガスがかかる白山を見納めにして室堂より下山。岩がゴロゴロする五葉坂を下ると、広々した弥陀ヶ原だが、ササの勢力が拡大して花が少ないのは残念だ。

 黒ボコ岩の砂防新道との分岐で、観光新道を下るとお花畑になる。取り分け、蛇塚から馬のたて髪までは凄くて進まず。

 殿ヶ池避難小屋を過ぎて、やっと順調に下るが、ガス内から出てしまい暑い下山になり、一気に疲れが出てくる。
そして、市ノ瀬分岐(越前暫定道分岐)から別当出合へ下る急斜面に造られた段差のある石段(別当坂)にはうんざり。先月登りに利用したときは1時間10分だったのが、下りで1時間45分もかかり別当出合登山口に下りてくる。


御前峰からの大汝峰・剣ヶ峰と紺屋ヶ池

お池巡りへ火口跡に下る。

御宝庫の手前より下る。

白山釈迦岳


油ヶ池

紺屋ヶ池

紺屋ヶ池と剣ヶ峰

7ツの池で一番大きな翠ヶ池  剣ヶ峰と御前峰

翠ヶ池

血ノ池

五色池からの大汝峰

千蛇ヶ池・室堂までの近道あり。

百姓池 

チングルマの実

室堂に戻ってくる。

五葉坂を下り弥陀ヶ原へ

弥陀ヶ原

黒ボコ岩の分岐。観光新道へ

観光新道・真砂坂のお花畑

殿ヶ池避難小屋には立ち寄らず。

2つコブを越した鞍部より別当出合へ急降下。

仙人窟

最後の難所の下り。

下に見えるのは砂防新道のある尾根。
できたら登りに利用したい観光新道だが・・。

暑い。気温は26℃まで上昇。

登山口

 遊ぶことが大好きなので、花と御来光と欲張った計画を実行し、達成できて大満足。やはり、白山は花の多い名山だ。

 白山釈迦岳林道入口にある湧き水をポリタンクに汲み、勝山市温泉センター水芭蕉に入浴後、帰宅する。

白山で観察した花

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