平成21年9月20日 八ヶ岳 編笠山2524m 権現岳2715m 三ツ頭2580m

年度別

 昨年7月20日に富士山とウルップソウを見たくて赤岳から横岳に登ったが、残念ながら富士山を見ることが出来なかった。今度登る時は、富士山が見える展望のよい日に登ろうと思っていた。そして今回、実現しそうな天気予報になる。

 前夜9時半に枚方を出発。5連休の2日目だったが心配した渋滞もなく、中央道・小淵沢ICで降りて約8km(10分ほど)で観音平に2時に着く(枚方から358km)。

 観音平駐車場(無料)には既に30数台が駐車していた。整理すれば60台程駐車出来そうだが、15台程のスペースが残っていたが、溢れて路肩に止めている山泊まりの登山者の車もあり、人気のある山のようだ。

 先週、2000m級の山で、細君が軽い高山病になった。今回は、駐車場で仮眠して身体を慣らしてから登ることにする。
着いた時の気温は8℃だったが、車内は未だエンジンの温もりもあって暖かいが、寝袋に入って仮眠する。
仮眠といっても殆ど眠れない私。夜空は満天の星で、冬の星座であるオリオン座が見えている。只、目を閉じている感じだが、少しは寝たようで5時前に準備にかかる。

周辺地図

5:26観音平(駐車場)登山口〓6:18雲海展望台〓6:53押手川〓8:00〜07編笠山〓途中で10分間休憩〓8:43青年小屋〓9:10のろし場〓10:08〜11:00権現岳〓11:50三ツ頭〓12:00前三ツ頭分岐〓12:50木戸口公園〓13:03ヘリーポート〓13:58八ヶ岳横断歩道(観音平へ)〓14:30観音平

 リュックを地面に置いて準備していると付けていた温度計は1度になっていた。
登山口は駐車場奥にある絵地図の所(右には帰り道の三味線滝への道がある)。ひんやりとしたカラマツ帯に青々したササが茂る広い道を気持ちよく歩く。やがて、道が細り山道になると、岩混じりの道になり本格的な登りになる。

 富士見平からの道と合流して雲海展望台に着くと、切り開かれた場所から朝靄の甲府盆地に麓を広げる富士山が望まれ、あっけなく目的を達成する。
シラビソや広葉樹林の森を段差の少ない箇所を選びながら黙々と登ると、平地になった押手川に着く。説明板にはコンコンと清流が湧き、苔むす場所と記されているが、その面影はなかった。
押手川は分岐点でもある。右に行けば編笠山には登らず展望台を経て青年小屋に着くが、私達は直進して編笠山を目指す。

 押手川を過ぎると今までより急な登りになり、岩場や大きな岩がゴロゴロする。やがて頭上に青空が見える樹林になると、背後に富士山・南アルプスや中央アルプスが時々望まれるようになり、小休止しながら登る。
鉄の階段から十数分でハイマツ帯になり展望が広がる。細君は終わりかけの高山植物の観察に忙しい。私は先に登る。


観音平駐車場

駐車場奥の登山口

カラマツの森

よく歩かれている道だった。

ホソバトリカブト

大岩の間を抜けると雲海展望台は近い。

感激の一瞬。雲海展望台にて。


シラネセンキュウ

押手川にて。苔むす所だと思っていたが。

押手川を過ぎると急な坂になる。

時々背後に望めた富士山と南アルプス。

;秩父山地

鉄はしご

道が細ってきたぞ!

ヤマハハコ

ウメバチソウ

【編笠山頂上からの展望】

 岩塊が積み重なった広い編笠山頂上に着くと、甲府盆地・諏訪盆地を取り囲む山々が望まれる素晴らしい展望が広がる。更に荒々しい岩稜の阿弥陀岳・赤岳から権現岳に連なる峰は圧巻だった。
しかし、東北地方の太平洋上にある台風の影響で風が強いため、寒く感じ足早に下山する。


八ヶ岳の最高峰・赤岳を望む。

花の観察をしていた細君が到着する頃には強い風で身体が冷えてしまう。


南アルプス

ハイマツ・シャクナゲが自生する道を下る。途中で大岩に座り、権現岳と眼下の青年小屋を見ながらアンパンを食べる。
岩塊が積み重なった下りになる。岩に塗られた赤ペンキに導かれて青年小屋に着く。ここからも富士山が望まれるが、代わり映えしないので少々飽き気味になっていた。こんな贅沢は滅多にないことなのだが。
青年小屋から登り返す。樹林内を抜けると甲斐武田軍ののろし場で、ここからは甲府盆地・諏訪盆地が見渡せる。そして前方には崩落したギボシの荒々しい岩壁がある。

 ギボシの岩壁をトラバースする。花の時期には良さそうなガレ場と鎖場を過ぎて、ギボシの肩に出ると踏み跡があったが寄らず。一息入れて、花の写真を撮っている細君を待つ。
ここからは展望の良い尾根になり、赤岳への稜線を歩く登山者が見えて羨ましく思いながら歩く。
権現小屋赤岳分岐を過ぎると眼前に岩峰が立ちはだかる。


青年小屋へ。 ギボシと権現岳

青年小屋からの編笠山

青年小屋

青年小屋からの登り返し。南アルプスと編笠山

展望の良いのろし場を過ぎギボシへの登りに。 右奥;権現岳

シラタマノキ

タカネナナカマド(実)

ギボシ斜面の崩落箇所 蓼科山遠望

富士山は変わらないが近くの風景は変化して楽しい。

花の時期は過ぎているのだが、観察で遅れる細君。

イチヤクソウ(実)

イブキジャコウソウ

クサリを使用してギボシをトラバース。

ウスユキソウ

コバノコゴメグサ



イブキジャコウソウ

シコタンハコベ

イワギキョウ

ギボシの肩付近より

権現小屋と権現岳

権現岳山頂の岩塊

赤岳分岐

【権現岳頂上と展望】

 1人がやっと立てる権現山頂上で記念撮影。山頂直下で風を避けビールで乾杯。今回からガスコンロを持参して市販のおでんにモチを入れての食事。気温は16度前後で、陽が当たり心地よい。
食後、地図を開けてのんびりと山座同定を楽しむ。気付けば白山も見えているようだ。


    秩父山地の山々

ズームアップ    北アルプス;穂高連邦  槍ヶ岳

中央;白山  縁謌ニ岳

御嶽山

登った尾根と下山尾根

 帰宅時間が気になり始め下山する。正面に富士山(南東)を見ながら三ツ頭へ。砂礫の道でズルズルと滑り易い。
やがて樹林内に入り、鞍部から登り返すと再びハイマツ帯になり、緩やかに登って三ツ頭に着く。ここも展望が良い。数人の登山者が寛いでおり、南アルプスの山座同定をしてもらう。
三ツ頭から更に下ると前三ツ頭分岐に着き、右折して小淵駅コース(木戸口公園)へ。はじめは歩き難い尾根道だが、ダケカンバが自生するようになると、歩き易くなる。谷を挟んで登った稜線、そして編笠山から権現岳への稜線が見渡せる個所が幾度もあり、朝のコースより遥かに展望がよい。

 樹林内に入ると緩やかに登り木戸口公園に着くが、展望のない単に小高い所であった。更に下ると切り開かれたヘリポートがあった。
やがて広い尾根になり、針葉樹林内に低いササの絨毯が覆うようになると『笹すべり』と云われる箇所を下るる。
更に展望のない『雲海展望台』を過ぎ、現在は飲料不適の延命水を過ぎると、八ヶ岳横断歩道出合に着く。
右折して観音平へ。整備された八ヶ岳横断歩道を歩き、谷間へ下って行くと堰堤があり、涸れ谷を渡り15分ほどの登りで観音平駐車場に戻ってくる。


権現岳より下山。

カワラナデシコ

クサリ場

滑り易い砂礫の道を下り三ツ頭へ。

ハクサンイチゲ

シラネセンキュウ

アザミ

三ツ頭にて。

前三ツ頭分岐。
右折して小泉駅コースへ。

時々展望が良くなる。正面に北岳を見ながら下る。

コバノコゴメグサ

タカネマツムシソウ

ハナイカリ

登った稜線がよく分かる。

笹すべり」と云われる所。

ミヤマアキノキリンソウ


八ヶ岳横断歩道出合。

観音平への道を歩く。

ミヤマヒキオコシ

谷を渡ると登りが続く。

ヤマラッキョウ

朝と変わらない駐車台数の観音平

 最高の展望に恵まれた山歩きで大満足した一日だった。多くの峰々がある八ヶ岳、更に別の峰にも登りたくなってしまう。


延命水を汲む。

 富士見平にある延命水(武田信玄が観音平に陣を備えた時の飲み水)をポリタンク(4缶)に汲んで帰る予定だったが水量が少ない。
少量だけ汲む人、試飲する人がいて先に利用してもらっていると時間がかかる。
ポリタンクを満タンにすることなく15時30分前に帰路に着く。 岐阜羽島PAで夕食を済ませ、21時30分に枚方に着く。

 高速料金2950円  走行距離718km  ガソリン41リットル

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