平成19年10月21日 D釈迦ヶ岳800m 孔雀岳1779m

 紅葉を観に奥越の赤兎山を予定して就寝したが、3時前に起きてネットでアメダスを見ると白山付近で雨が降っている箇所がある。紅葉も観たいが展望も。迷って、天気の良い南部に変更、次週に登る予定だった大峰山脈にする。
大峰の何処にするかで迷ったが、以前ガスで見えなかった孔雀岳斜面にある五百羅漢を観にいくことにする。
今回で5回目だが、計画して登ったときにはガスがかかる。そして今回のように当日に決めたときには、いい結果になる。さて今日は?
 3時40分に枚方を出発。奈良・五条市から国道178号を十津川沿いに南下。新しくできた2つのトンネルを連続して抜けると旭川を渡る。直ぐ先で右折して旭川右岸の林道に入る。
旭ダムまで約10km、更に登山口まで10km程。林道は舗装されて走りやすくなったが、意外と時間がかかる。不動小屋谷登山口から、約1,5km走って峠の登山口に着く。枚方から128km(道路が整備されて2年前より10kmほど距離が短くなった。)
 私が一番だと思っていたら満車で、少し戻った場所に駐車する。
今朝はこの秋一番の冷え込みで気温は1度、その上に強風だ。準備するだけで身体が冷え切ってしまう。

周辺地図

コース地図は前回を参照
6:58峠の登山口〓8:50千丈平(水場)〓9:05〜15釈迦岳〓11:00孔雀覗〓11:10〜15孔雀岳〓途中で食事約1時間〓13:42〜52釈迦岳〓15:20峠の登山口 19:40枚方


峠の登山口。


画像では寒さを伝えることができず。

大日岳をズームアップ.。


中八人山を望む。

天気が良いと大峰主峰・八経ヶ岳も近くに感じる。

近づいてきた釈迦ヶ岳。

千丈平に入る。


千丈平を歩く。

 峠の登山口から木階段を上がり、ブナ・カエデ等の林に入ると背丈以上のササが茂っていて、風は避けることができて助かる。しかし20分ほど登ると、霜で白くなったヒメザサに変わり、霜柱を踏みながら、風通しの良いブナの稜線を歩くことになるが、暑いより「いいか!」とやせ我慢。
大日岳・釈迦ヶ岳が見え始め、今日は好天の予感。登るほどにブナ・カエデの紅葉が進む。
 吉田ノ森1618m)を越す。大峰南部、紀州の山々が連なり、北には七面山、そして大峰の主峰・八経ヶ岳、遠くは金剛山まで見え、飽きる事のない大パノラマを楽しむ。  千丈平まで登ると、立ち枯れや倒木も少なくなり、トウヒ・ブナの美しい森になる。水場で昼食後のコーヒーの水を確保して、釈迦ヶ岳への登りになる。10分ほどで奥駈道に出合い、左折して更に約10分、登ると釈迦ヶ岳に辿り着く。

【釈迦ヶ岳頂上】


釈迦ヶ岳山頂。

紀伊山地の山々。 シロヤシオの紅葉。

大峰南部の山々。
熊野灘の船
熊野灘遠望。ズームアップ。 

五百羅漢にズームアップ
 釈迦如来像が立つ釈迦ヶ岳。一等三角点だけあって大パノラマが広がり、日本二百名山に相応しい

【孔雀岳へ】



アサマリンドウ


大岩を東面から巻くとコケの絨毯。

釈迦ヶ岳と巻いた大岩。

椽の鼻?より釈迦ヶ岳

ミヤマアキノキリンソウ

蔵王権現


↑↓阿吽の狛犬だと思う。どの岩が?  中央に七面山

 身体が冷え切る前に孔雀岳へ。釈迦ヶ岳の激急斜面を下る。日陰のため、霜柱が未だ融けずに多くある。補助のために握った木がダケカンバだった。大峰にも自生しているとは少し意外な感じがする。
強い西風を受けて、ロ−プと金属の杭が打ち込められた岩稜(馬の背?)を過ぎると、大岩が現れ右から巻いて下って行くと、無風になり冷えた身体には丁度良い暖かさに感じる。ここはコケの絨毯にトウヒが自生する神秘的な所だ。
稜線に出ると、再び身体が冷えてしまう。左に阿吽(あうん)ノ狛犬と云われる岩場にくるが、「さて、どの岩だろう?」。
クサリがある岩峰、右に迂回道あったので巻いて登ると、(えん)ノ鼻と思われる岩頭に立ち、槍のようにそそり立つ釈迦ヶ岳を見上げる。
岩陰に蔵王権現(と思う)を見て岩稜を歩くとキレットに。クサリを伝って越すと岩稜も終わった。ここが貝摺りか・・。? だとしたら地図に記載されている両部分けの岩場は何処だったのか????(北の大峰主峰を金剛界、熊野までの南部を胎蔵界)。分からなくても歩いたのは確かだ。


灯台元暗し。 孔雀覗からは見えない岩。
振り返れば釈迦ヶ岳
ここでリュックを枯れ木に吊るして孔雀岳へ。

仏生ヶ岳と孔雀岳の鞍部に見えた大普賢岳。

孔雀覗にて。

孔雀覗にて。

孔雀覗にて。

ササ道になり、立ち枯れの多いトウヒが自生する奥駈道を歩く。前方に見えるのが孔雀岳だと思っていたピークへ(釈迦ヶ岳からは孔雀岳頂上は見えていたが、ここからは見えない)。
リュックを立ち枯れたトウヒに吊るして、カメラだけ持って孔雀岳に登ることにする。前回、ガスの中を歩き、吊るしてあった手製の板に『孔雀岳』とあった峰に着くが、間違っていたようだ。
更に登ると東側がパックリと口が開いた孔雀覗があった。眼下に広がるクジャク谷のいたるところに『五百羅漢』と云われる巨岩が立っている。
 孔雀覗を過ぎると奥駈道は孔雀岳の西面を巻いている。適当な所から道から外れて、稜線伝いに歩くことにした。時々テープを見つけるが踏み跡は薄い。山頂かと思って登ったピークには山名板がない。更に北に見えるピークの方が高く思えたので登ると手製の板に『孔雀岳』とあった。周りを見渡しても、ここよりも高い峰は見当たらない。ここが孔雀岳のようだ。

【孔雀岳】


手製の山名板に『孔雀岳』と記されていた。
 展望のない孔雀岳と思っていたが、樹木越しに弥山・稲村岳から大普賢岳、そして大台ケ原が望まれた。風も避けられたので、ここで食事すればよかった。リュックを置いてきたのを悔やむ。

孔雀岳より。意外と展望がよかった。

弥山の小屋。

大台ケ原


【往路を戻る】


風も弱まり釈迦ヶ岳を見ながら気持ちよい稜線歩きだった。

キレット。ここから釈迦ヶ岳までが激キツイ。

馬ノ背か?

釈迦如来像に戻ってくる。

釈迦ヶ岳直下。

邪魔するように悠然と登山道を横切るメス鹿。
食べ物を欲しそうな目に思えたが。「ダメ!」

無事に戻ってくる。

 リュックを置いた場所まで戻り食事。今回からコンロを使って雑煮・うどん・おじやをする。気温は9度前後だが、風を避けた陽だまりでは、温度計は40度になっていた。
食事をしていると、往路で追い越していった男性が戻ってくる。「仏生ヶ岳の手前まで行ったが孔雀岳が分からなかった」と。「私たちのように再度挑戦すれば」と密かに思う。
 往路を戻る。キレットまではルンルンだったが、岩稜になると食後の満腹とアルコ−ルでキツク感じながら激坂を登り釈迦ヶ岳山頂に戻ってくる。ここからは吉田ノ森で少し登り返すだけなので、千丈平の水場で空いた容器に水を土産にして、一気に下る。

 上空には雲一つない天候だった。念願の五百羅漢、その上に紅葉も観られてよかった。そして前回、間違っていた孔雀岳頂上にも登ることができて幸いだった。

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