平成19年8月26日(前夜発) 御嶽山 3067m 中ノ湯コース

 平成10年9月20日に田ノ原(王滝口登山道)から登った。あの時、田ノ原から観た雲海と御来光、更に剣ヶ峰からは富士山まで見える360度の展望に感激し大興奮した。あれほどの展望を見せられると、前回以上を望むのは困難だと思い登る気分になれなかった。しかし、細君の高山病のため、地獄谷の噴煙と二ノ池を巡ることができなかったのが残念で、そろそろ登りたい気分になっていた。
今年の夏山は、登りたい日には天候に恵まれず、8月最後の日曜日になって、やっと決行できる日がきた。今回は黒沢口登山道の中ノ湯から二ノ池経由で登ることにする。



周辺地図

前夜9時30分に枚方を出発。京都南ICから高速道を走り恵那峡SAで時間調整のトイレ休憩、中津川ICを午前0時過ぎに(深夜割引)下りる。R19を走り木曽福島町に入って初めての信号(3,5km)を左折して県道20号へ。田ノ原登山口への道と分かれて御岳ロープウェイの標示を目標に県道20号を走る。
県道473号になって、高度を上げると、突然広場にでる。ここが駐車場かと思ったが違った。左の大鳥居をくぐり、更に走り御岳ロープウェイへの道を過ぎると6合目・中の湯(3067×6/10≒1800m?の駐車場に着く。
 駐車場は3箇所あった。登山口がある奥の駐車場は大型車専用だが、山荘泊なのか普通車が数台駐車しており、仮眠しているのは3台ほどだった。私は静かに寝たいので、真中の小さな駐車場にする。
 目覚まし時計を今回より利用したお陰か、よく眠れてアラーム音で目覚めると、東の空が赤くなり始めていた。
 朝食はポットの湯を注いだカップヌードル。気温は約15℃前後なので温かくて美味しく感じる。

5:15六合目・中ノ湯登山口〓6:12七合目・ロープウェイ山頂駅舎分岐(覚明行場小屋)〓7:10〜16八合目・女人堂〓8:33〜43九合目・石室山荘〓9:00二ノ池分岐〓17〜25二ノ池〓9:31二ノ池新館〓【36童子おはち巡り】〓10:30〜11:10食事〓11:34〜11:40剣ヶ峰〓12:50〜13:00女人堂〓13:43ロープウェイ山頂駅舎分岐〓14:10登山口

【六合目・中ノ湯〜八合目・女人堂】


六合目中ノ湯の駐車場

六合目・中ノ湯

朝日を浴びるトウヒ

タケシマラン(実)

シラタマノキ

コバノイチヤクソウ

ツルリンドウ

ロープウェイ山頂駅分岐

中央アルプス(木曾山脈)  左奥;甲斐駒・仙丈ヶ岳方面(南アルプス)

ミヤマアキノキリンソウ

ダケカンバ

キオン

ミヤマゼンコ

タカネイブキボウフウ

モミジカラマツ

 駐車場は到着した時と同じでガランガランだ。私達が今日一番の入山者のようだ。
登山口は奥の駐車場にある。六合目中ノ湯(営業中)横を通り、山道(参道)に入ると木道が続き、うっそうと茂るトウヒの原生林に朝日が差す。何処か展望の良い場所で、御来光を観たいと思っていたがポイントがない。
七合目の休憩所(閉鎖)に着く。「もう七合目に到達か」と喜ぶが、更に15分ほど登って七合目のロープウェイ山頂駅舎分岐があり、富士登山の七合目下・中・上とあったのを思い出す。分岐の上部には、覚明行場小屋があり、名物の『ちからもち』の蒸す匂いが漂ってくる。
 七合目を過ぎると背後に中央アルプスが望まれるようになり、ダケカンバ・ナナカマドが自生するようになる。

【八合目女人堂〜二ノ池】


八合目・女人堂

ナナカマド(実)

八合目女人堂より  左;笠ヶ岳  中央;乗鞍岳 右;槍ヶ岳 穂高連邦

八合目より 御嶽山

トウヤクリンドウ

シナノオトギリ

コバイケイソウ

オンタデ?白

左端;継子岳 二峰  中央;乗鞍岳   右;女人堂

  左;八ヶ岳   右に甲斐駒ヶ岳 仙丈ヶ岳 北岳と思われる山々

石室山荘への登り。

イワツメグサ

コケモモ(実)

オンタデ

ヤマハハコ

田ノ原登山口と恵那山(右)

中央アルプスの奥に富士山 右;塩見岳?

ミヤマダイコンソウ

イワギキョウ

チングルマの実

二ノ池と剣ヶ峰(中央) これから雪渓の上部のピークへ。

 急に前方が開けて、青空に御嶽山の岩壁が現れると八合目の女人堂に着く。女人堂からは素晴らしい展望だ。北には乗鞍岳・穂高連邦、そして八ヶ岳、中央アルプス、南アルプスが望まれる。
右、三ノ池だが、左の道へ。ハイマツ帯になり、未だ見たことがないライチョウを捜しながら登るが発見できず(ねずみは発見)。
 森林限界になっても、心配していた細君の高山病はなさそうだ。御来光と素晴らしい展望を観たハイカーが続々と下山してくる。
九合目辺りまで来ると登山道は二股になっていた。右の石室山荘経由の道を選ぶと、山荘に突き当たってしまう。
山荘の方が「どうぞ」。両サイドに広い寝床がある通路を通って、山荘から出る。(下山はもう一方の道を利用)
山荘近くで小休止して、冷たいトマトにかぶりつく。日差しは強いが、微風で気温は20度ほど。汗も直ぐに引き、服も直ぐ乾くので気持ちよい。
 空気の薄さを感じるようになって覚明堂(閉鎖)を過ぎると、二ノ池分岐。緩やかに小高い丘を上がると、後方の南アルプス方向に富士山が見えているのを細君が見つける。
神秘的なコバルトブルーの二ノ池が現れるが、道端に咲くイワギキョウ・ミヤマダイコンソウ・チングルマの実に足が止まり、なかなか二ノ池に着かない。
二ノ池に着く。二ノ池本館前は、池を見ながら食事中の団体さん、賑やかで落ち着かない。


【36童子おはち巡り】


眼下に二ノ池本館と二ノ池
二ノ池新館まで行かなくても、近道があったのだ。

コマクサ

北アルプス望む。
左;摩利支点山  乗鞍岳の手前が継子岳
中央;サイノ河原  二ノ池新館(手前)

早々、一ノ池(火口)の外輪を歩いて剣ヶ峰に登ることにする。
二ノ池新館から登りになる。私は超スローペースで休まずに登る。細君は登りと休憩を繰り返しながら遅れ気味で登る。
下から細君が「××××が咲いている」と。「喘ぎながら登っているのに、下りろか」。「確かに、コマクサと言ったが?」。急いで下ると咲いていた。終わりかけだが、期待していなかった高山植物に喜ぶ。休憩をかねた撮影。しかし、休憩したお陰で以後は外輪の稜線まで楽に登ることができた。

【36童子おはち巡り】


歩いてきた外輪。 

意外と楽に登れた岩峰

東方面;継母岳  左は小秀山か? 食事場所

雲に隠れる白山


地獄谷へ

一ノ池と剣ヶ峰

地獄谷の噴煙

 一ノ池の外輪(36童子おはち巡り)を歩くと、石碑に刻まれた『○○○童子』。期待していた白山は雲に隠れて一部が見える程度だが加賀方面の日本海は見えているようだ。
展望も良いので、岩峰の一部で食事することにする。ビールで乾杯だが、高所なので、気分が悪くなるのを避けて350mlを二人で分け、もう1本は八合目での楽しみにする。
 硫黄臭とガスの噴出音が聞こえてくると地獄谷。覗き込むと名前に相応しい谷、地球は生きているな〜。
あとは剣ヶ峰への登りだけ。高山病を克服して足取りの軽い細君は先に登って行く。


剣ヶ峰への最後の登り。

【剣ヶ峰】


御嶽神社

二ノ池と北アルプス

一ノ池と36童子おはち巡り

 意外と空いていた剣ヶ峰(気温22℃前後)だった。御嶽神社・乗鞍岳をバックの登頂証拠写真もスムーズに撮れる。
しかし雲が増えて八ヶ岳・富士山が見えなくなっていたが、登っている時の展望で大満足である。

【下山】


階段下で左折

 下山、階段を下り山頂山荘で左折して、二ノ池分岐まで戻ると、登ってきた道に出合う。八合目で冷たいビールを飲むのを楽しみに、足元に注意しながら下る。
 八合目・女人堂でベンチに座り休憩。ここからは樹林帯に入り、観光客スタイルの人、山荘泊まりのハイカーとすれ違う。七合目のロープウェイ分岐を過ぎると誰にも会わなくなり、「健脚者とは、下りも気にしなくて、歩ける登山者かな?」と思ったりして、木道の長い下りを辛く感じながら黙々と下る。
やっと、硫黄臭がするスタート地点の六合目中ノ湯に戻ってくる。広い駐車場には私の車だけだった。

 何処かで、日帰り温泉に入浴するつもりだったが、カーラジオからの渋滞情報ではスムーズに流れているらしい。寄り道なしで、帰宅することにする。途中でガソリン補給をしようと思ったが、高速道のガソリンより高い、恵那峡SAは満車で通過。気が付けば、枚方まで休憩無しで走っていた。

19:20枚方  往復620km・燃料35リットル。

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