平成19年6月17日 前夜発 A銚子ヶ峰1810mからB三ノ峰2128m 

 三年前の6月石徹(いと)(しろ)道から三ノ峰を目指したが、雪渓に阻まれて断念し悔しい思いをした。
そろそろ無理が効かない身体になってきたので、今の内に思い切って登ることにする。
 アイゼン、予備に多目の水と衣類で(食料品は細君の担当)、12kgの重さになったリュックを車に積む。
 前夜22時に枚方を出発、北陸東海道を走り白鳥ICで下りて、石徹白へ。白山中居神社の左より石徹白川沿いの林道を約7kmで石徹白登山口前駐車場(先着4台、出発時6台)に着く。夜空は満天の星でライトを消すと真っ暗闇だった。谷川の水音聴きながら仮眠する。 01:20着 走行距離260km
                    周辺地図

4:47石徹白登山口前駐車場(960m)〓56いとしろ大杉〓6:55神鳩ノ宮避難小屋〓7:54〜8:00銚子ヶ峰〓9:04一ノ峰〓9:39二ノ峰〓10:34三ノ峰非難小屋〓10:44〜11:17三ノ峰〓12:13二の峰〓12:44〜50一ノ峰〓13:45〜14:00銚子ヶ峰〓14:34神鳩ノ宮避難小屋〓15:35石徹白登山口 往復18km


水場・トイレ・あづま屋のある登山口

いとしろ大杉

 4時には薄明るくなっていた。起床して準備(今回より新しい靴)にかかる。余裕をもって登ろうと、前回よりも30分早く登山口を出発する。石段を登り広場に出ると樹齢1800年のいとしろ大杉が現れる。大杉の左奥より山に入ると登りが続く。尾根に登りつくと樹木越しに周辺の山が見えるようになる。山頂からの展望に期待する。
登山道には1km毎に登山口からの標示がある。薄暗い林内でマイヅルソウ等の撮影に新カメラでの操作に時間を費やす(全部ピンぼけ)。2kmを通過するとミツバオウレンが咲き、そして『おたけり坂』の急坂。ガスがかかってしまった雨宿りの岩屋で休憩していると、後方より鈴の音がしていた同年代の単独の男性に追い越される。
やっと登山口から3kmを通過。1kmを40分かかったことになる。コイワカガミ・ツバメオモト・オオバキスミレなどが咲くようになると、また撮影。そして、より綺麗な花を見つけると、またまた撮影である。


おたけり坂

雨宿りの岩屋

神鳩ノ宮避難小屋

母御石

ガスの銚子ヶ峰

神鳩ノ宮避難小屋前に着くと、今回もミヤマキンポウゲが咲き撮影。しかしコイワカガミ・ツバメオモト・オオバキスミレ等は三ノ峰まで咲き続けていた(ここまでに撮影した花の画像は全て没になってしまう)。
ササ原になると母御石が前方に見えてくる。天気が良ければ別山が見えるのだが。緩やかなササ道を辿ると一株だけ満開のコバイケイソウが。そしてハクサンチドリが咲くようになるが、一ノ峰周辺で撮ることにして、目前に見える銚子ヶ峰へ。


ガスがかかる寸前の三ノ峰
 登山口から5kmの標示を過ぎると銚子ヶ峰頂上。山頂には途中で追い越された男性だけ。時間をみると前回より30分早く出発したのに、同じ時間に到着している。360度の展望だがガスがかかっていた。会話していると一瞬、ガスが切れて別山を見られたが、撮ることできず。

銚子ヶ峰と願教寺山から野伏ヶ岳への稜線

赤兎山  大長山方面

ムラサキヤシオツツジと三・二・一ノ峰

一ノ峰より。 二ノ峰・三ノ峰  別山望む

イメージしていたコースと違っていた。

鬼の?面岩
 男性と分かれて三ノ峰へ。途中でガスが切れて赤兎山・大長山、そして別山が望めるようになる。しかし今日は御岳山・北アルプスは望むことができない。前回、残雪のあった道にはキヌガサソウ・サンカヨウが咲いていて喜ぶ。
色とりどりの花の登山道を歩き、楽に感じて一ノ峰頂上を越すと、今回の目的の一つだったハクサンチドリが多く咲く。二ノ峰への登りをキツク感じながら、頭上に舞うブヨの大群を引き連れて登る。口で息をすると飛び込んでくる。そして耳の中にも入ってくる。襟の中でチクリ!叩き潰したがやられてしまった(夫婦とも3箇所刺されていた)。

雪渓を上がれば良かったのだが、左のササへ。

福井県最高地点;越前三ノ峰 2095m

三ノ峰非難小屋

水呑釈迦堂跡を過ぎると三ノ峰への登りになる。振り向くと二ノ峰までだと言っていた単独の男性が登っているのが見えた。
雪渓手前でアイゼンを付けて横切るが登山道が何処にあるのか分からない。上部の大きな雪渓に来る。雪渓の左端を登り(雪渓の中央を歩くのが良かったようだ)、適当な所から背丈程のササ藪に突入を繰り返し、疲れきって稜線に出ると踏み跡があった。
踏み跡を辿って行くと『福井県最高地点・越前三ノ峰、2095m』。福井県人も知(登)らない山では?
逆方向に行くと直ぐに、見覚えのある赤い三ノ峰非難小屋が眼下に。そして単独の男性が雪渓を歩いていた。
非難小屋で小休止して山頂を目指す。だが途中で左太ももに軽い痙攣(けいれん)で痛みが走る。ここまで登って・・。立ち止まり、恐る恐る筋肉を伸ばすと治まり念願を果たす。


【三ノ峰頂上】


白山と別山

同じ行程を登った男性。ビールを飲む細君

 登山口から9km(白山まで10km)の表示があった三ノ峰頂上に立つ。無理だろうと思っていた白山を望むことができたが、別山にはガスがかかる。しかし満足できる展望だった。
冷たいビールが最高に美味い!しかし食欲はなく無理やり腹の中に。


三ノ峰より下山

三ノ峰と雪渓

雪渓で餌を捜すイワヒバリ

雪渓と二ノ峰

三ノ峰への稜線

とうとう白山にもガスがかかり、足に不安を感じながら下山することに。三ノ峰非難小屋より雪渓を歩き、越前三ノ峰を巻くと、楽に雪渓を通過できて安堵する。
しかし二ノ峰への登りで、再び2回目の痙攣が起きる。一回目より内側、筋肉をほぐし、スポーツドリンクを飲むと治まった。細君のストックも借りて歩く。相変わらず虫がうっとうしく、虫除けスプレーも効かない。走って逃げ出したいが、体力がない。


神鳩ノ宮避難小屋と大日ヶ岳遠望

ダケカンバ

 家族連れの3人だけの銚子ヶ峰頂上に着く。風があって虫も少ないので長めの休憩と取り、多めの水分補給をする。
以後、休憩と水分補給が良かったのか、痙攣を起こさずに、いとしろ大杉まで非常に長く感じながらも、下ることができた。
 登山口に戻ったときには、達成感はあったが疲労困憊で、再度トライしたいとは思わなかった。
辛さを忘れ、記憶が良い思い出だけになると、また登りたくなるのだろうか。

 帰り道の峠にあった『満天の湯』に入浴し、白鳥で夕食のあと家路に着く。 21:00枚方

【花】


アカモノ

ギンリョウソウ

ツクバネソウ

チゴユリ

マイヅルソウ

ウスバスミレ

ミツバオウレン

ゴゼンタチバナ

ツバメオモト

ハクサンチドリ

ウズラバハクサンチドリ

ヒメイチゲ

ミヤマキンポウゲ

コイワカガミ

オオバミゾホオズキ

コバイケイソウ

ハクサンタイゲキ

ショウジョウバカマ

ショウジョウバカマ(白花)

オオバキスミレ

ミヤマダイコンソウ

キヌガサソウ

ミヤマスミレ

ミヤマオトコヨモギ

ミヤマタンポポ

ミヤマハタザオ

イワナシ

コミヤマカタバミ

タカネザクラ

サンカヨウ

タケシマラン

エチゴキジムシロ

ユキザサ

ツマトリソウ

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