平成24年4月15日(日) 野伏ヶ岳(のぶせがだけ)(白山) 1674m

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年度内に登りたい山だった。登山道がないので残雪期にしか登れない山なので、期間が限定されるだけでなく、高速料金が5割引の休日、更に展望が絶対に見られる天気。と条件を付けていたので、今シーズンも駄目かと諦めかけていたら、やっと条件に合う日が来る。

 前日、早めに夕食と入浴を済ませて20時前に仮眠して、0時50分に枚方を出発する。
東海北陸道・白鳥ICから杉峠を越し、石徹白(いとしろ)へ。

 ノーマルタイヤなので、心配した積雪と凍結は無く、広場のようになった石徹白白山中居神社前に着く。しかし駐車場は既に満車に近かったので、石徹白川に架かる橋の手前に駐車する。4時15分着(枚方から240km・2650円)、5時まで仮眠。

周辺地図(中心は白山中居神社)


5:47駐車場〓7:35〜45和田山牧場跡入口〓8:13ダイレクト尾根へ斜面を登る〓8:40ダイレクト尾根に載る〓10:05〜11:55野伏ヶ岳〓13:35和田山牧場入口跡入口〓14:35駐車場

 駐車場所からは野伏ヶ岳の山頂部と思われる頂が見えていたが、準備をしている間に朝靄で見えなくなってしまう。しかし期待通りの登山が出来そうだ。それにしても、入山するのは山スキーヤーばかりだ。
 石徹白川に架かる橋を渡り右折すると、ここにも駐車スペースがあり、林道の除雪はここまでだった。
少し先で小白山谷に架かる橋を渡る。雪の無い箇所があった林道も雪に埋まり、ショートカットの踏み跡を捜しながら林道を上がって行く(最後のショートカットする道は分からずだったが、下山時に注意してみるとテープがあった)。

 和田山牧場跡入口に着くと、数張のテントが張ってある。そして広々した雪原に浮かぶ峰々は最高のロケーションである。山座同定は近くにいた若者にしてもらう。
スノーシューを付けて踏み跡から少し外れた雪原を歩く。大木の雪原に来ると、薙刀山に向かう数個の踏み跡と交差する。地図では近くに池があるのだが、分からない。


駐車場から出発 最低高度約710m

石徹白川に架かる橋

小白山谷沿いに歩くと除雪はここまで。

小白山谷に架かる橋

林道歩き

和田山牧場跡入口に着く。 中央;薙刀山

スノーシューを着けて登ることにします。 矢印が野伏ヶ岳のダイレクト尾根

野伏ヶ岳〜薙刀山〜願教寺山〜銚子ヶ峰への県境尾根。 右端の白い峰は南白山か?

背後は大日ヶ岳

大木(古木)

地図では池がある付近だが。

【ダイレクト尾根】


 ダイレクト尾根が近づいて来ると、踏み跡が分かれる。選んだのはスキー板で山腹を斜めに登っている跡。しかし、ゆるんだ雪質の急な斜面ではスノーシューでは谷側に滑る。
ダイレクト尾根に取り付くまでと思って頑張るが、一気に体力を消耗してしまう。遠回りでも、ダイレクト尾根の末端近くから登ればよかったと後悔する。

 ダイレクト尾根に乗ると、少しは楽になった。スキー板を担いで登る者、アイゼンを付けている登山者。スノーシューは見当たらない。
ザラメ雪の凸凹した踏み跡から外れて登れば、スノーシューでも良かったが、きつい登りの連続で、重たく感じるようになる。

 同じペースで登る登山者が「あれが願教寺山」だと言う。ダウン寸前の私は思考力なしで素直に聞いていたが、実際は小白山だったと後で知る。
又、別の登山者からも「あれが大日ヶ岳」と言われたが、大日ヶ岳の北にある芦倉山であるのを山頂で再会した大先輩から教えてもらう。
「おとうさん、大日ヶ岳?の右奥に白い山が見えるよ」。近くに感じたが「南アルプスかな?」と私も間違った山座同定をしている。更に登り、大日ヶ岳(本物)の奥に御嶽山が望まれて乗鞍岳だったと分かる。
これだけではない。「ここを登れば山頂です」と。急な尾根なので20分はかかりそうだが「よし!頑張るぞ!」。しかし左に見える峰の方が高く思えて半信半疑になる。やはり間違っており、左折すると別山・白山が望まれた。
ここで究極の山座同定があった。「野伏ヶ岳からは白山は見えないよ」と最高のボケが出た。大阪のおばちゃんもツッコミができないほど唖然。激登のダイレクト尾根を登ると、脳細胞にまで酸素が回らないようで、間違いばかりの好き勝手な会話である。

 山頂は間近だが、ダウン寸前である。スノーシューを外せば楽かと思ったが、大して変わらない。逆に手荷物になったシューが邪魔になる。
深さ2m以上のクラックがあった。引き返す元気も無く、割れ目の狭い箇所から飛び越えたが、逆からみると崩れ落ちてもおかしくない所だった。体重のある私でも大丈夫だったので、細君も飛び越えたが。


斜面を登る

やっとダイレクト尾根に乗る。

大日ヶ岳と和田山牧場跡(撮影した大木が小さく見えています)

ホシガラス


小白山

小白山と激坂のダイレクト尾根。 屏風山などの両白山地の山々が見えています。

分かり難いですがクラック(割れ目)です。山頂までもう少しです。

【野伏ヶ岳頂上】


 やっと数年来の念願だった野伏ヶ岳頂上に立つ。死に掛けていた私だが、360度の展望で蘇る。
食事準備(煮込みラーメン)は細君に任せ、広い山頂を移動しながら、展望を撮る。
食事をしていたら、ダイレクト尾根の取り付きが一緒だった山スキーの若者4人グループがスキー板を付けたまま到着。さすがに時間がかかったようだ。

【山頂で4名と再会】

 食事をしていたら「テクテクさん?」と話かけられたのは高山市在住にGさん(ブログ『ヤッホーおやじの山登り』)。出会ったとき、私には何方か分からず。
Gさんは、HPに登場する貧乏登山スタイルの夫婦なので分かったのでしょうが。2009年6月の小秀山で出会って以来の再会になり、涙こそ出ませんが再会は本当に嬉しいでした。

 Gさんが下山される頃には、山頂は賑やかになり、登山者の方が多くなってくる。その中に、近寄って来るご夫婦が。
偶然にも2回登った舟伏山で2回とも広い山頂で隣同士で食事をしたIさん夫妻でした。奥さんがパソコンでメールを送れるようになってから、交流が始まりました。テント購入も同じ時期でしたが、先にテント泊をされたライバル(笑)です。
そんなライバルの奥さんに、メールで「野伏に登りたい」と送信したことがあるので、今日は絶対に登ると思い、私たちのお菓子まで用意しての登山だったようです。
旦那は足の調子が悪く、奥さんは風邪だとメールにあったので、まさか出会えるとは思わず、先に登って羨ましくさせようと考えていたのに。

そして、一緒に登って来たHさんと70歳代の元職場の先輩(Iさんの奥さんによると、若いときは凄く怖かったようですが、今は逆転している感じ)も登ってきました。

 Hさんとは蛇峠山で、雪に埋もれた登山道が分からないのでガイドをしてもらい、山頂では雲がかかって分かり難いアルプスを山座同定してくれた温厚な方です。
後日になってIさん夫妻とは職場の知り合いだと知り驚きました。Hさんは若い時から登山をされており、殆どが単独で百名山にも登っている経歴の持ち主です。今回も的確な山座同定をして戴き大助かりです。


薙刀山・願教寺山から銚子ヶ峰への稜線(県境尾根)

北アルプス

槍ヶ岳と穂高連峰 手前;芦倉山

乗鞍岳 左端;焼岳

大日ヶ岳と御嶽山  薗央アルプス遠望

食事だ

友来たり   左;経ヶ岳  中央奥;越前甲・加賀大日山  赤兎山 右;大長山

記念撮影。
山座同定。銚子ヶ峰を捜しています。

【下山】


 下山、山頂には長時間いたが、展望と会話で時間を忘れるほど楽しむことができた。アイゼンを付けて夫妻グループと一緒に下りることにする。
登りでは2時間弱かかったダイレクト尾根も下りでは1時間弱だった。1歩足を出すと勝手にズルズルと滑り、倍の歩幅になり、アイゼンが役立っているのか分からない。富士山登山の砂走りを下ったときと似た感じである。

 和田山牧場跡入口で、野伏ヶ岳を見納めする頃には曇り空になっていた。
そして、登りでは気付かなかったショートカットの道から林道を下り駐車場に戻る。終わってみれば最高に楽しい山行だった。
再会とご多幸とご健康を心の中でお祈り申し上げて、皆様とお別れする。 枚方18:45着


蛇が獲物を飲み込んだような形の湿地帯。
ここに向かって下ります。

I さん撮影

I さん撮影

ダイレクト尾根から左折して湿地帯方向へ

和田山牧場跡入口に戻ってくる。

牧場跡から下山。ショートカットの道から林道へ。

無事下山。  楽しかった。

帰路は湧水はないかと捜しながらの運転。 近くに『またたびの水』もありました。

お土産ができました。

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