平成23年9月23日〜24日 上松(あげまつ)Aコースより木曽駒ヶ岳2958m (中岳・宝剣岳・木曽前岳)

年度別

周辺地図(中心は砂防公園)  山行ルート

 常念岳登山での初めてのテント泊で重い荷物を担いだためか、帰宅後に軽い腰痛になっていた。その後、孫が遊びに来て「ジイジ、お馬になって」と。渋々荒馬になったのが良かったのか、腰痛が治ってしまう。
腰痛が治れば山であるが、台風の影響がなくなったのが22日だった。そして夕方の天気予報を見て、前から計画していた駒ヶ岳に登るべきか悩みながら食事する。そして食事が終わった19時半に細君に「今晩、出発するぞ」。


 21時過ぎに枚方を出発、中央道・中津川ICを下り国道19号線を北上。上松町から滑川沿いの道路を走り、上松Aコース入口のあるアルプス山荘へ。やはりネットで調べた通りに『土砂崩れで通行止め』の看板(帰路、看板がなくなっていたが)。
砂防公園へ向かう。アルプス山荘から直進すると分岐ごとに、砂防公園への標示があり、迷うことなく北股沢に架かる赤い橋を渡ると砂防公園の広い駐車場に着く。2時過ぎ着。

1日目】

5:10砂防公園〓5:43敬神ノ滝小屋〓7:57〜8:10金懸小屋(五合目)〓11:20八合目〓11:34木曽前岳・玉ノ窪分岐〓12:34玉ノ窪小屋〓13:40〜14:00駒ヶ岳頂上(昼食)〓14:15駒ヶ岳頂上山荘(テント場)


2日目】

5:11テント場〓5:30〜50中岳(御来光)〓6:12〜25宝剣岳〓7:00〜8:00テント場(朝食・テント撤収)〓8:20〜8:45駒ヶ岳頂上〓9:05〜10玉ノ窪小屋〓9:32木曽前岳〓9:45上松Bコース分岐〓10:30八合目〓12:15〜13:10金懸小屋(五合目)〓14:36敬神ノ滝小屋〓14:56砂防公園

 砂防公園駐車場から林道を少し下ると道が分かれるが、直進のゲートのある(登山届け箱あり)林道を下っていく。滑川まで下るとアルプス山荘からの道と合流し、200m程林道を歩くと左に敬神ノ滝小屋が見える。ここまで来れば迷うことはない。
敬神ノ滝小屋前から山道に入り、小川を渡ると本格的な登りになる。途中で奈良市からの山小屋泊まりの男性に追い越されたが、以後は玉ノ窪小屋まで誰にも合わず。
薄暗いヒノキ林から広葉樹林に変わり五合目の金懸小屋に着き、リュックを下ろし休憩する。

 小屋から50mほど行くと金懸岩があり、湧水があった。そして胸突き八丁を過ぎるが、特別に急坂とは思わない。これほどの坂は以後幾つもあった。
苔生す針葉樹林帯に入るとヒンヤリした空気と緩やかな道に、一瞬の安らぎを感じる。
ラクダの背を過ぎて六合目を通過する。遠見場・天ノ岩戸を過ぎ、長く感じたのに、やっと七合目で、まだ頂上まで3時間とある。
更に行くと、ダケカンバが見られるようになり、明るい八合目に辿り着く。
八合目を過ぎ、不動明王などの石仏群を過ぎると、潅木帯で見晴らしが良くなり、中岳・宝剣岳が望まれるが、時々ガスがかかるようになる。

 木曽前岳・玉ノ窪分岐に着くと、木曽前岳の奥に初めて駒ヶ岳山頂が望めた。
疲労が相当溜まっているので、木曽前岳経由を諦め、楽だと思える玉ノ窪小屋への道を選ぶと、夏だとお花畑になる木曽前岳の斜面にある大ナギを横切る。緩やかに登る道だと思っていたが、下りの方が多いのには予想が外れた。
しかし、色付き始めたダケカンバ越しに見る荒々しい岩肌の風景は雄大さを感じる。

 朽ちた木階段の辛い辛い登りになると、ハイマツ帯に入る。やがて、巻き道になるとすずり岩が現れるが、どの角度から見ればすずりに見えるのか、疲労困憊で確認する元気もない。
すずり岩を過ぎると緩やかな道になり、前方に駒ヶ岳がやっと現れるが、空気の薄さもあり、細君の動きが鈍くなってきた。

 木曽前岳と駒ヶ岳の鞍部にある玉ノ窪小屋に着くと、山頂は完全にガスに覆われてしまい、気温が下る。
細君、10歩から20歩ほど登っては小休止のインターバルになってしまう。私も偉そうには云えない動きであるが。
この程度の運動では風もあり身体が冷えてくる。しかし重たいリュックを下ろして着込むのも億劫。
直下の頂上木曽小屋を過ぎても一気には登れず、空気の薄さを感じる。

 ガスの駒ヶ岳頂上に。冷え切って食欲もないが、ここまで持って上がったコンビニ弁当だけは、無理やり腹に入れるが、細君は半分残す。
展望は明日の楽しみにして、駒ヶ岳頂上山荘の幕営地へと下る。

 駒ヶ岳頂上山荘で幕営料1人600円を支払うと、夜に水が凍結するかもしれないので、明日の水も確保するように言われる。
心配していたテント設営場所だが、石の少ない場所が見つかり安堵する。

 テント内で1時間ほど昼寝し、陽が沈む前に食事を済ませたが、知らないままに陽は沈んでいた。
この歳になると二人で語り合うこともない。することもないないので寝ることにする。

 


砂防公園駐車場から直進、ゲートのある林道を下る。

アルプス山荘からの道と合流。滑川左岸を200mほど歩く。

敬神ノ小屋より山道になる。

本格的な登りになる。

三合目半から見えた御嶽山

五合目の金懸小屋と室内

金懸小屋からの御嶽山。

小屋から50mほどで金懸岩の水場

ここだけが特に急ではないのだが。

胸突き八丁

苔生す針葉樹林の森。

鞍部

天ノ岩戸

七合目区間

7合目区間

7合目区間

7合目区間  宝剣岳が望む。

八合目区間の石仏群・

八合目区間
分岐・木曽前岳は明日の下山道に。 
大ナギから玉ノ窪へ。

八合目区間・紅葉しかけたダケカンバ

八合目区間・展望はガスの切れ間の撮影になる。

頭上の岩までの激登り。ハイマツ帯に入り、空気の薄さを感じ始める。

すずり岩
巻き道になり緩やかになる。

やっと木曽駒ヶ岳が見えた。


玉ノ窪小屋からの駒ヶ岳。山頂部にはガスが。

駒ヶ岳頂上に。駒ヶ岳神社

明日があるさ。

駒ヶ岳頂上山荘とテント場が一瞬見える。テント多いな〜、幕営場所あるかな?

同じテントが多い。
夜中に迷子にならないように位置確認。


ガスが切れたので、夕日を観に行ったが陽は沈んでしまっていた。
後は寝ることしかないな。

《2時間ほど寝て目覚める。序にトイレに出るとテントには霜が降り薄っすらと白くなっており驚く。上空は満天の星で、眼下の伊那市では花火が揚がっている。時計を見ると8時過ぎである。
暫くすると霰がテントを叩きつける音がする。やはり相当冷え込んでいるようだ

 ひと眠りしてから、周囲の話し声で眠れなくなる。左のテントのカップルは結婚間近なのか、落ち着いた会話で気にならず。9時に就寝すると、直ぐに男性の鼾(いびき)が聞こえてくる。
右にある2張りのテントの1張りは職場の若い女性二人で、夕方から寒い外で鍋奉行をして貢いでいた男性との会話が煩く思ったが、ここも9時には切り上げ、男性は自分のテントに戻ったようだ

 しかし、もう一方の1張りは女性1人のようで、高山病になっていたのか静かだったが、知人の男性が別のテントから様子を看に来てから延々と0時を過ぎてもテント内で話し続けていた。
仮病を使って男を引き寄せたか?ロープウェイで手軽に登れる山であるため、マナーの悪い登山者がいるのかも。

 細君は高山病で頭痛・吐き気がするのでおとなしく眠っている。寝返りをしても、鼾をかいて寝ていると思ったら違った(細君は私の鼾だと思っていた。鼾は更に離れた男性の鼾で一晩中聞こえていたが、4時にはテントを撤収して空木岳へ向かったようだ。山男は何処でも眠れるのが鉄則のようだ。眠れる体力が羨ましい。歳を取ると寝る体力もなくなってしまう)。

 さすがに、0時を過ぎると会話も子守唄に聞こえるようになる。2時に再度トイレに行くと、トイレの水も凍結していた。
未だ話し声がするが、やはり子守唄に聞こえ、浅い眠りだが直ぐに寝てしまう。
細君は5回トイレに行ったらしいが3回しか知らないので、眠れたのは確かである。》

【2日目】

 4時前に風が吹き出し、その後、小屋の発電機が動き出した。外を見ると東の地平線が赤くなり始めている。今日は最高の天気になりそうだ。日ノ出は5時半頃だと思われる。テントの入口を東にしているので、ここからでも拝めるが4時半に起き、お菓子とお茶をサブリュックに入れて中岳に登り御来光を拝む。
御来光を拝んだ後、宝剣岳へ。やはりアルプスでは雄大な風景を見ながら、少しでも縦走気分を味わうのが良いと思う。
天狗荘・宝剣山荘を過ぎると直ぐに宝剣岳の登りになる。少し緊張するクサリ場から狭い岩峰の宝剣岳頂上に着く。展望は中岳からと変わらないが、足元に見える千畳敷カールを観る。

 巻き道から中岳を越し、テントへ戻る。朝方からの風のお陰で霜はなく、テントは乾いていたが、鍋に残っていたお茶は凍ったままだった。
朝食のお湯を沸かしながら、テントを撤収する。騒がしかったテントの女性は未だ眠っているのだろうか。顔を拝みかったのだが・・。

 中央アルプス最高峰の駒ヶ岳頂上に立つ。360度の大パノラマを望むと、少し興奮し百名山だと納得。
昨日は、寒さと高山病に苦労し、1時間以上もかかった駒ヶ岳への登頂だったが、下山は20分だった。しかし玉ノ窪小屋から木曽前岳への登りは空気の薄さを感じるが、高度を上げれば再び展望が広がり辛さを忘れる。偽頂上の次が木曽前岳だが三角点は登山道から外れた場所にある。
『木曽前岳』のプレートがあったのでここを山頂にして下山する。最後のパノラマ展望を楽しみながらハイマツ帯の稜線を歩く。小さなアップダウンの峰を2ツ越すと3つ目が上松Bコース(牙岩・麦草岳経由)分岐だった。

 左折して、昨日の登山道へと下る。五合目の金懸小屋まで戻り金懸岩からの湧水を沸かして昼食にする。ここまで下れば登山道のガレ石も少なくなり、思っていたよりは楽に下山することができ、砂防公園に戻ってくる。

 


夜明け前。急いで中岳へ。

中岳からの御来光    左;八ヶ岳  右;南アルプス  右端;富士山

甲斐駒ヶ岳の近くからの御来光だった。

数分後には太陽を直視できない。 八ヶ岳を遠望。

中岳からの駒ヶ岳とテント場。

晴れていれば御嶽山も近く感じる

宝剣岳へ。
重いリュックがなければ岩場も楽々。

狭い宝剣岳頂上

左;空木岳・南駒ヶ岳   恵那山遠望 右;三ノ沢岳

ロープウェイと千畳敷カ−ル

南アルプスと千畳敷カール。

鍋に残っていたお茶が未だ凍っていた。

朝食を済ませテントも撤収

【駒ヶ岳頂上にて】


南アルプスと富士山

浅間山  八ヶ岳方面

鹿島槍ヶ岳・白馬方面。

駒ヶ岳神社・御嶽山

下山


木曽前岳へ 右端;麦草岳

分岐の玉ノ窪山荘

木曽前岳のプレート  御嶽山・乗鞍岳遠望

駒ヶ岳 ・ 中岳 ・ 宝剣岳

スタート地点の赤い橋が見えていた。 下る上松Aコースの尾根

木曽前岳・駒ヶ岳・中岳・宝剣岳の見納め。


昨日の分岐点に戻って来る。

五合目・金懸小屋で湧水を沸かし昼食。

敬神ノ滝小屋(登山口)に戻ってくる。

昨日は暗かった林道ゲート

砂防公園の駐車場と赤い鉄橋。

鉄橋からの砂防ダムと木曽前岳への上松Aコースの尾根

 下山後、国道19号線を約10km北へ走り、国道361号線を左折して木曽福島代山温泉の日帰り温泉『せせらぎの四季』で入浴する。帰路、国道19号に合流する手前からは木曽駒ヶ岳が望まれたがガスがかかっていた。
国道19号線を中津川市へ。途中、『道の駅・大桑』のレストランで信州サーモン丼定食、細君はサーモン定食を注文。どちらも1000円だったが、新鮮で美味しかった。

 中津川ICから高速道に入る。小牧JCTの2kmの渋滞も小牧に着くと解消しており、栗東の渋滞12kmも栗東に着くと解消され、21時半に無事に帰宅する。忘れられないすばらしい想い出が1つ増えた。そして、腰痛を治してくれた孫たちに感謝!


ミヤマアキノキリンソウ

アズマアザミ

ミヤマダイモンジソウ

コマウスユキソウ

フジバカマ

カニコウモリ

ゴゼンタチバナ 実

マイズルソウ 実

シラタマノキ

ヤマハハコ

ミヤマヒキオコシ

イワツメクサ

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