平成23年7月12日(火) 濁河温泉から御嶽山(摩利支天山2959m (ままこ)2859m)


年度別

 中部地方も例年より早く梅雨明けはしたが、大気は不安定で昼を過ぎると雷雲が発生している。遠出を控えていたが好転しない。そろそろ登っておかないと身体が鈍ってしまいそうだ。

 前夜9時過ぎに枚方を出発すると、8時過ぎに起きた大型車両3台による事故で、中津川ICからは通行止めになっていた。中津川ICで下りるので助かったが。
中津川ICで降り、国道256号線、257号線から国道41号線に入り、更に北上して下呂温泉街を過ぎる。
中津川から約80km走ると飛騨小阪で高架下の側道から県道437号線に入る。鈴蘭高原分岐までは2車線の道路。この先は道路が狭くなるが、普通車ならすれ違える。しかしカーブが多いのには閉口する。小阪から40km弱で、濁河温泉の一番奥にある市営無料駐車場に着くと、1台が駐車していたが人影はなかった。

 0:20中津川IC〓2:50駐車場 枚方から336km


5:00濁河温泉(登山口1780m)〓6:00湯ノ花峠〓6:30のぞき岩避難小屋〓7:03おたすけ水〓8:07〜20飛騨頂上(五ノ池小屋)〓8:52摩利支天乗越〓9:30〜10:25摩利支天山(食事)〓10:42五ノ池小屋〓11:45〜50継子岳〓12:25五ノ池小屋〓13:15おたすけ水〓40のぞき岩避難小屋〓14:03湯ノ花峠〓14:55登山口

周辺地図(中心は登山口)  山行地図

濁河温泉登山口〜飛騨頂上

 防虫ネットをして窓を開けて仮眠する。寒くて目が覚めると16度だった。起きた序に準備にかかる。
駐車場前が登山口で、草本谷に架かる嶽橋の手前にトイレがある。摩利支天山嶽橋を渡り鳥居を潜り、正面の御嶽神社里宮に一礼して左の登山道に入るが、ガイド本では御神水が最後の水場とあったが涸れていた。シラビソやトウヒの針葉樹林の森は、整備され登山道には木道と階段がある。
直ぐに仙人滝分岐があったが下山時に寄ることにして先を急ぐ。草本谷に架かる仙人橋を渡り、振り向くと谷越しに白山が望めた。森林限界までガスがかからないように祈る。
ジョーズ(人食いサメ)岩を見て尾根に取付くと、早朝から山小屋へ物資を運ぶヘリコプターが草本谷上空を何度も往復している(五ノ池小屋の狭い玄関先に1パック500kgの物資が2個置かれていた)。

 峠らしい雰囲気のない湯ノ花峠、樹木が茂り、通行止めのロープが張られたのぞき岩と倒壊寸前に思えるのぞき岩避難小屋、涸れているおたすけ水の各ポイントを木道・階段交じりの針葉樹林帯の登山道を登る。
各ポイントとは別に数字のプレートが100m毎にあり、数字が増えているのに気付く。この数字は飛騨頂上までのカウントのようだ(登山口から飛騨頂上までは4,3km? 数字は43あるはずだが、最後の数個は確認できず)。
ダケカンバが自生するようになり、少しは見晴らしが良くなる。背後には別山・白山が望まれ、継子岳の肩越しに北アルプスの笠ヶ岳が望まれるが雲が動き出したようだ。

 ハイマツ帯に入ると尾根道から山斜面の道になり、空気の薄さを感じるようになる。やがてガレ道にロープが張られた継子岳の斜面を巻く道になる。ロープ内のピンク色したコマクサは蕾ばかりで、見ごろがない。


駐車場前が登山口(右へ)

嶽橋

飛騨頂上まで4,3km。御嶽神社里宮

シラビソ・トウヒの森 気温15度

草本谷。火山岩の岩床は何時も見る谷と違っていた。

仙人橋

仙人橋から望めた白山

ジョーズ岩(人食い鮫)

草本谷と摩利支天山

物資を運びゴミを下ろしています。
天気が安定している早朝から耳障りで、排気臭も

木道

湯ノ花峠

のぞき岩避難小屋

おたすけ水

サラサドウダン

モミジカラマツ

ウスギヨウラク

コケモモ

ゴゼンタチバナ

マイズルソウ

ミツバオウレン

オオヒョウタンボク

コガネイチゴ

コイワカガミ

ダケカンバになり少し明るくなる

未だ、白山が見えていた。

ナナカマド

オンタデ

別山・白山  眼下に濁河温泉

北アルプス;北ノ俣岳・黒部五郎岳・笠ヶ岳  継子岳の斜面から乗鞍岳が。

ハイマツ帯


早過ぎたコマクサ

飛騨頂上〜摩利支天山〜飛騨頂上

 登り着いた所が、飛騨頂上の神社(右下に五ノ池小屋)で、神社裏手に周ると八ヶ岳・中央アルプスが望まれたが、御嶽山を覆う雲が迫っている。

 南の摩利支天山へ向かう。五ノ池小屋前に出ると、雰囲気が一変、カラフルな高山植物が咲き乱れる。
残雪のある青々した三ノ池を左下に見て剣ヶ峰への巻き道と分かれ、高山植物が咲くガレ石の尾根道を登るが、何度も花の観察に足を止めるので、登りの辛さをそれ程感じない。

 摩利支天乗越で右折すると、岩壁に咲く花は更に多くなり、釘付けである。
道は尾根から外れた南側にあり、危険を感じる箇所はない。

 三角点のある摩利支天山に着く。何故かここだけはガスがかからないが、周りは雲に覆われてしまった。
剣ヶ峰にも登る予定ではいたが、花の観察に時間を潰し、ガスで展望のない剣ヶ峰に登る気力は失せる。狭い
頂上にてビールで乾杯し、時々見える剣ヶ峰を見ながら食事する。五ノ池小屋へ引き返す。


飛騨頂上(右下に五ノ池小屋)

飛騨頂上より。  摩利支天山の左に剣ヶ峰

左;継子岳  中央;四ノ池  憎き右の雲が湧き出し展望を悪くする。

八ヶ岳

中央アルプスと南アルプス。

三ノ池と摩利支天山

摩利支天山 五ノ池 五ノ池小屋・飛騨頂上

継子岳にガスが・。北アルプスの展望に間に合わず。ゆっくり花を観ながら登ろう。

初;イワヒゲ

イワウメ

アオノツガザクラ

初;ミネズオウ

チングルマ

ミヤマダイコンソウ

ミヤマキンバイ

ツガザクラ

コツガザクラ

摩利支天乗越

摩利支天乗越からの賽ノ河原

イワベンケイ

ハクサンイチゲ

ハクサンシャクナゲ

イワヒゲ

ミヤマトウキ

摩利支天山頂上からの剣ヶ峰(左)。ガスの切れ間に撮影。

剣ヶ峰 数人の登山者。

飛騨頂上〜継子岳〜飛騨頂上

 五ノ池小屋を直進してガスのかかってしまった継子岳へ緩やかに登って行く。しかしこのガスの中では期待しているものがあった。
雷鳥である。花よりも動くものを必死に捜すが、簡単に見つかるわけがない。雷鳥のことを忘れていた頃に小さいものが3mほど先で動いた。イワヒバリかと思ったが、ふっくらした胴体に太い足をしており、雷鳥の雛が岩上に上がり親を捜している。私も捜すと親鳥がおり、低い鳴き声で、警戒?居場所を知らせているのか、私から距離をおいて目立つ場所にいた。親子愛を感じて目頭が熱くなる。もう一羽いたのだが見失う。

 登山道にコマクサが咲いていた。踏まれないようにガレ石で囲ってある。やっと1株だけだがコマクサらしい花を見つけることができた。これで充分である。
ガスの継子岳に着く。気温は16度前後で四ノ池を周回したいのだが、足に疲れを感じ、飲料水も残り少なくなってきたので、次回の楽しみにして下山する。


初;クモマナズナ

ミヤマタネツケバナ

ヤマガラシ

背後は摩利支天山

チングルマ

四ノ池を周回しようか迷う。ガスがかかると水滴が落ちてくるし、水も残り少ないし。

立入禁止。 望遠で。

コケモモ




頂上直下の登山道に咲いていた。コマクサ

継子岳頂上

継子岳頂上より四ノ池。中央;剣ヶ峰。塩利支天山
 切れそうで切れないガス。何枚撮ればいいのだ。結局は最初の画像。

下山

 何の楽しみもない下山は本当に辛かった。半分は下っただろうと思っていたら30番でクォーターであった。
仙人滝も見学するつもりだったが、寄らずに登山口に戻る。


飛騨頂上に戻り下山。雨が降らなければいいが。

やっと半分を過ぎた。ふぅ〜

やっと戻ってくる。(建物はトイレ)

 下山後、市営濁河温泉露天風呂へ直行する。露天風呂だけの温泉(洗い湯はある)である。露天風呂には何故かハエ叩きがあったが、直ぐに分かった。湯船に浸かると虻が飛んできた。慌ててハエ叩きを取りに行くと、底はヌルヌルで滑る。誰もいなかったので良かったが。気温は19度で、温めの湯にのんびりと浸かっていると気持ちがよかった。しかし細君はブヨに噛まれたようだ。

 高山市に出て、ファミリーレストランで夕食を済ませ、明日の食料を調達する。東海北陸自動車道を走り、明日登る予定の山へ向かうが、何故か気力はなくなり、途中下車しないまま帰路についてしまう。

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