平成23年6月4日(土) 断念の常念岳

年度別

 週末は天気が悪いらしいので3日の金曜日に桧塚に登り、夕食を済ませて20時過ぎにパソコンで天気予報を見ると西日本から北陸、甲信越地方は晴れに変わっている。
梅雨の晴れ間、登れるときに登らないと。週末1000円の高速料金も近々中止になるので、遠方の山を探す。

 決めたのが蝶ヶ岳だった。ここなら下調べをしなくても、昨年7月31日にガスの蝶ヶ岳に登っている。再度、展望狙いで登ることにする。

 急遽、決めたので仮眠も出来ずに枚方を0時に出発する。長野自動車道・豊科ICで降り県道495号線を西へ須砂渡キャンプ場・蝶ヶ岳温泉を通り過ぎ、本沢沿いの舗装道路を走り、終点の三股駐車場に4時30分に着く。 枚方から365km

 70台収容の三股駐車場は10数台ほど。隣に駐車した親子(父と小6男児)が準備をしている。
「蝶ヶ岳ですか」と尋ねると「常念岳から蝶ヶ岳へ縦走する」と。簡単に言ったので私も常念岳に変更する。
これが大きな間違いだった。


4:50三股駐車場〓5:11登山口〓7:28尾根出合〓9:26〜30前常念岳〓10:00高度2270で断念〓食事〓11:47前常念岳〓13:38尾根出合〓15:35登山口〓15:47三股駐車場

 周辺地図 (三股駐車場付近)  山行地図

 駐車場から林道を800m程歩いて登山口へ。途中で親子と単独の男性に早々と抜かれて、管理棟のある林道終点の登山口に着く。
鉄橋を渡ると直ぐに分岐で『蝶ヶ岳6.2km/常念岳7.2km』とある。迷いもなく右折して常念岳方面へ歩くと、半端ではないジグザグの急登が続く。
増水時の蝶ヶ岳登山道の迂回路辺りで緩やかになるが、再び急登になる。時々、私の足の長さでは手こずる段差があり、下山時の足への負担が気にかかる。
針葉樹林帯に入っても容赦なく急坂が続き、「ここ、先ほど登ったのでは」と勘違いする位、同じような道。
途中で単独の若い女性2人にも抜かれる。できることなら、ご一緒したいが直ぐに見えなくなってしまう。

 ダケカンバが現れるようになり、やっと尾根に辿り着く。ここで初めて地図記載の所要時間を調べると駐車場から3時間50分とあるが2時間40分で登っている。「これなら常念岳山頂で昼寝ができるかな」と。
暫くは残雪のある緩やかな道だがP2207辺りから再び傾斜が増してくる。時々樹間から荒々しい岩肌の前常念岳が望まれる。

 岩が積み重なったハイマツ帯の急な登りになると常念岳から蝶槍・蝶ヶ岳へと連なる縦走尾根、その奥に穂高連峰、背後には南アルプス・富士山・八ヶ岳などの山々が見えてくる。
見上げても追い越された登山者の人影はない。振り向いても人影がないので取り残されたような圧迫を感じ、空気が薄く荒い息で登る。

 石室の避難小屋がある前常念岳に着く。尾根出合から約2時間で、コースタイムと同じだった。
時間は未だ9時半だった。コースタイムでは山頂まで1時間だが、1時間ではとうてい登れそうに思えないが。
小休止後山頂へ。今までよりは、緩やかな尾根道だが、岩がゴロゴロしていては慎重に登るしかない。そして時々ある残雪は緩んでおり、「岩の間に落ち込まないか」と、ここも慎重になってしまう。

 前常念岳から目視していた峰に45分で登れると思っていたが、到達しそうにない。その先は壺足の残雪が予想されるので、更に時間がかかりそうだ。その上、軽い高山病なのか少し頭痛がする。
登りながら「撤退か山頂へか、それとも予約なしでもよい常念小屋に泊まるか」と考えた。しかし、選んだのは撤退だった。

 穂高連峰。槍ヶ岳、眼下に梓川を見ながらの昼食を想像していたが、一寸違った展望を見ながら食事する。
林道で追い越された男性が下山してくる。男性は蝶ヶ岳への縦走を予定していたが、単独の女性2人に抜かれ、更に離されていくので、意気消沈して常念岳のピストンに変更したようだ。私には男性の健脚が羨ましく思えた。

 ガレ場で常念小屋泊まりの登山者数人とすれ違い、未練を残しながらも下山する。
下山が苦手な私たちなのだが、意外と足に負担がかからずに下山できた。結果論であるが山頂を極めても18時までに下山できたと思われる。

 駐車場に戻ると親子の車が未だあった。達成した子供を褒めてやりたい気持ちはあったが、挫折した私はリュックを車に積み、直ぐに湧水・長命水まで移動してから帰り支度をする。


三股駐車場(下山時)

蝶ヶ岳・常念岳登山口

常念岳7.2km

急斜面をジグザグに登る。

健脚の若い女性は直ぐに見えなくなりました。

私たちは真っ直ぐに足が出ません。横から出ます。

中央;蝶ヶ岳

尾根に道になると残雪が現れました。
大したぬかるみでなくてよかったです。

P2207からの前常念岳と頂だけ見える常念岳。

中央右・蝶ヶ岳

蝶ヶ岳への縦走尾根。穂高連峰が見え出してくる。

まだまだ続く急ガレ場。

八ヶ岳

富士山  右;南アルプス。

南アルプス。

前常念岳避難小屋

常念岳の山頂部だけが見える。

中央;大天井ヶ岳   右端;燕岳

前;横通岳   中央;燕岳


前穂高岳・奥穂高岳・涸沢岳(涸沢カール)・北穂高岳

・・・・・・・。

奥;乗鞍岳のガスが切れる。
左遠方;南アルプス  中央;大滝山   右端;蝶ヶ岳
白根三山  浅間山方面

前常念岳へ下る。

・・・・・。


ツバメオモト

イワナシ

ハクサンハタザオ

コシジオウレン

コミヤマカタバミ

ミドリユキザサ

サツマイナモリ

エンレイソウ

ムラサキヤシオ

クルマバソウ

オオバミゾホオズキ

タカトウダイ

タチカメバソウ

ラショウモンカズラ

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