平成23年4月10日(日) 鈴鹿;F霊仙山 1098m

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 東日本大震災から約1ヶ月になる。震災のニュースを聞く度に気持ちが落ち込んでくる。日曜日の天気は良さそうだが、登りたい山も見当たらず中止にしていた。だが、天気の良い日に自宅にいると更に落ち込む。迷った挙句に山へ。
しかし、山の選択で再び迷う。雪山は遠慮したい。カタクリの咲く頃だが、登りたい山はなく、マイナス思考になるばかりだ。6日の藤原岳でフクジュソウを観ているので、フクジュソウ目的ではなく、広々した霊仙山山頂を空中散歩すれば気持ちも晴れそうに思える。

 4時40分に枚方を出発。国道307号線から多賀町に入り、国道306号線になり、彦根方面へ走ると、『河内』の道標を見て右折して河内風穴を過ぎ、行き止まりの落合集落へ。


6:55今畑登山口〓7:45笹峠〓8:25〜30近江展望台〓9:45〜50最高峰〓10:04〜11:04霊仙山〓11:25経塚山〓11:43お虎ヶ池〓55お猿岩12:38〜45汗ふき峠〓10:23落合登山口〓13:25駐車場所

 一番の入山者になることが多いのだが、霊仙山はフクジュソウで知られる名山だけあって、特等の駐車場所には既に4台止まっていた。詰めれば8台ほど駐車できそうだが、傷を付けられるのを避けて間隔を開けて駐車している。準備していると満車になり、後は路上の広い箇所に駐車することになる。

 1分ほど歩くと今畑登山口。以前は朽ちた道標だったが新しくなっており、通り過ぎる心配はない。
植林内をジグザグに登ること10分少し、寺だけが残っている廃村となった今畑に辿り着く。フクジュソウが迎えてくれたが、早朝のため未だ閉じている。
植林内を登り尾根に取り付くと、ブナが交じる登山道になる。やがて北側の山腹道になると、石灰岩が露出した緩やかな道になり、冬枯れの樹間から近江展望台のある西南尾根が見え始める。
広くて雰囲気の良い鞍部にある笹峠(標示なし)を過ぎ、次の鞍部を過ぎると西南尾根への登りだが、大きな壁をよじ登る感じである。
急斜面に残雪がないのは助かるが、風が強く、額に汗をかきながらも、身体は寒さを感じる。振り返れば鍋尻山が見えるが、御池岳にはガスがかかっている。

 直前になってガスが切れた近江展望台に着くが、残念ながら霞んでおり、展望は良くない。先に登っていた夫婦に追い着くと「テクテクさんですか」と言われる。どうも登って来るのを待っていたようだ。初対面だが、私のHPを見てくれている堺市のご夫婦だった。ほんの少し有名人になったようで、記念撮影。更に朝方、横に駐車していた大阪・吹田市のご夫婦も分かっていたようで、下山後、声を掛けられる。これからは身なりにも気をつけなくては。しかしファッションに無頓着な私には苦手な分野である。
西南尾根を歩く。低潅木、石灰岩の積み重なりで歩き辛く、カレンフェルトのためか気付けばスパッツに鍵穴ができてしまった。
尾根の中ごろからフクジュソウが見られるようになるが、今までで一番少なく感じる。今年だけならよいのだが。


登山口近くの駐車場だが直ぐに満車。

今畑登山口

廃村の今畑だが、お寺だけは手入れされている?

尾根道になるとブナが交じるようになる。

尾根を左から巻く。

ここが笹峠と思われる。


ブナ林を過ぎると。

振り返れば鍋尻山が目立つ。

近江展望台まで急坂の連続。

近江展望台より。

雪はないが歩き辛い。

今年は少ないと聞いていたフクジュソウだが、本当だった。

南霊岳より。霊仙山と最高峰

【最高峰からの展望】

 最高峰周辺の背丈以上の笹はなくなり、容易く最高峰に辿り着く。北には経塚山・避難小屋の遠方に伊吹山が鎮座する。振り返れば近江展望台への西南尾根、そして藤原岳・御池岳が望める。黄砂の影響なのか霞んではいるが、雄大な山稜からの眺望は全てを忘れさせてくれる。
カルスト台地を北西に下り、登り返すと経塚山からの登山道と合流、左折すると三角点の山頂は直ぐ。

 霊仙山頂上からの展望も勿論素晴らしいが、最高点からの方が私好みである。北西の風が吹き寒い。東斜面に移動して、雄大なカルスト台地から鈴鹿の山々と伊吹山を眺めながら食事する。


伊吹山を望む。条件が良ければ御嶽山・北アルプス・白山が望めるのだが。

経塚山と避難小屋。そして伊吹山

烏帽子岳  藤原岳 御池岳

登って来た西南尾根

霊仙山

カレンフェルトのカルスト台地より霊仙山を望む。

霊仙山頂上より

【下山】

 下山、経塚山へ向かう。最高峰分岐を直進すると残雪が現れ、アルプスの雪渓を歩いているような雰囲気である。
経塚山で左折。右が大洞谷の源頭部になるカルスト台地の草原を緩やかに下っていくと、霊仙神社の鳥居があるお虎ヶ池が現れる。今までは琵琶湖の形には見えなかったが、今回はそのように感じた。足元は瀬田川か。
暫くは草原が続き、お猿岩に着く。ここが分岐点だが、旧登山道の踏み跡は薄くなっている。道標は右の新道を指示しているので従うと、琵琶湖が眼下に広がる。広い稜線(斜面)をジグザグに下ると潅木から樹林帯に入る。
大洞谷に出て来るが、直ぐに離れて山腹の道を下ると、明確な尾根道となり大洞谷からの沢の流れが聞こえるようになる。

 汗ふき峠に下りてくる。右折すれば、槫ヶ畑(くれがはた)。左折して落合へ下ると直ぐに大洞谷に出合い、右岸を下ると林道となり、落合登山口に着く。
空き家が多くなった落合の集落を過ぎると朝の今畑登山口に着き、駐車場所に戻ってくる。


経塚山へ。

最高峰

経塚山からの最高峰と霊仙山。

経塚山より。

琵琶湖の形をしたお虎ヶ池。

お猿岩。
カルスト台地もこの辺りまで。

米原方面の琵琶湖

広い尾根があれば細い尾根も。
ミスミソウ

ハルリンドウ

汗ふき峠

大洞谷出合。

大洞谷沿いに下る。

落合登山口

ワサビ

セツブンソウ

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