平成22年10月16日(土) 焼岳・北峰2444 南峯(立入禁止)2455m


年度別

 3日前の大長山・赤兎山をホームページに載せ一段落した。週末の天気予報を見ようと18時過ぎにTVを点けると、金曜日だと思っていたのに土曜日だった。毎日が日曜になってから一週間の周期が狂ってしまっている。
明日は山日和のようだ。何時もは、迷って決まらないのに焼岳が閃いたので即決。
焼岳はH18年、同じ時期に登っている。その時、素晴らしい展望と紅葉を見て感激した。これ以上の感激は焼岳では望めないだろうと思い、紅葉シーズンには登ることは無いだろうと思っていたが、月日が経つとまた登りたくなる。

 慌しく準備をして前夜11時過ぎに枚方を出発する。東海北陸自動車道・飛騨清見ICで降り、中部縦貫自動車道(国道158号線・無料)を走り、国道41号線・県道89号線から再び国道158号線を走る(ナビの案内だが、帰路は渋滞する高山市街地を避けられた)。
有料の安房峠道路(750円)を避けて峠越えするつもりだったが、無料道路実験区間中だったので利用する。
トンネルを出ると直ぐに左折して、旧国道158線に入る。1号カーブから始まり、10号カーブを過ぎると新中の湯ルート登山口へ3時半に着く。車を空き地に入れて仮眠する。 枚方から318km


周辺地図

6:10新中の湯ルート登山口〓7:30リンドウ平〓8:55〜9:10焼岳頂上〓9:54〜10:30食事〓10:53焼岳小屋〓12:34登山口(工事用道路出合)〓13:05河童橋〓13:05上高地バスターミナル〓タクシー〓13:33新中の湯ルート登山口

【新中の湯ルート】

 寒くて目覚めると空き地は車で一杯になっていた。2台の観光バスが登山者を下ろし、下山口の上高地へ移動するようだ。7時に出発しようと思っていたが、気忙しく準備にかかる。空き地から見える穂高を見ると、今日の展望は間違いなさそうだ。
新中の湯ルート登山口は、車を止めた空き地の前にある。いきなり黄葉したブナの巨木にうっとり、だが前回よりは遅れているように思える。始めは緩やかだった道もきつくなり、シラビソの針葉樹の原生林になる。ひんやりした林内は7℃前後だが汗が出る。道が緩やかになると、木立から焼岳が見え出す。

 焼岳を正面に大パノラマが広がるリンドウ平に着く。黄葉のピークを少し過ぎた感じがするが、それでも充分に美しい。
しかし、ここでバスの団体登山者に追い着いてしまい、先に登ることにする。因みにリンドウ平は中の湯ルート出合でもあるが、ロープが張られていた。
リンドウ平からはカメラの出番が頻繁になる。団体が登ってくる前に撮影、そして次の撮影のために間隔を開けておくの繰り返しである。
噴煙の硫黄臭が風に乗ってくる。振り返れば南アルプス・中央アルプスが見え、振り返るごとに乗鞍岳がよく見えるようになってくる。

 鞍部に登り着くと真下には火口湖が見え、山容の美しい笠ヶ岳が岩峰の間から望まれる。
左の南峯が三角点のある最高峰の焼岳だが入山禁止である。北峰を登ることになる。
噴煙の下を巻いて行くと、ここも鞍部になっており穂高連邦、眼下に上高地が広がる。
「シュー」と勢い良くガスを噴出する横を登り山頂へ。しかし下山者も多く渋滞して思うように登れない。


登山口はコンクリート壁の切れ目

リンドウ平より。  中央;焼岳の最高峰(南峰)だが立入禁止

奥穂高岳 前穂高岳 明神岳(1峰〜5峰))

南峰と北峰の鞍部へ

振り返れば乗鞍岳が望まれた。

焼岳北峰

鞍部からの笠ヶ岳

噴煙の下を歩く。

焼岳小屋分岐付近より。  鞍部の登山者と焼岳・南峰と火口湖

焼岳小屋

【山頂からの展望】

 焼岳頂上に立つと360度の展望が広がる。前回は展望に大感激して長居をしたが、やはり前回ほどの感激はなく、見えて当然のような感覚だった。慣れとは恐ろしい。


槍ヶ岳

穂高連邦

中央アルプス・南アルプスが望まれた。  中央右;乗鞍岳  右;南峰

白山遠望


【焼岳から上高地コース下山】

 登山者が多くなってきた。食事をするには早すぎるので、予定を変更して反対側からの焼岳を見るために焼岳小屋まで下ることにする。
先ほどの鞍部まで戻ると、岩にペンキで『焼岳小屋』の標示。下ると予想以上に険しいガレ場の道だった。振り返り、見上げれば溶岩ドームの山頂が見える。
新中の湯ルートは色鮮やかで女性的だったのが、こちらは荒々しい男性的なルートである。
気付けば随分下っている。焼岳小屋まで下るまでもなくここからでも登り返すのは辛そうだ。山頂に戻ってから食事するには空腹で我慢できそうに無い。また、食後に登るのも辛そうだ。
またまた予定を変更して上高地へ下り、タクシーで戻ることに決め、食事することにする。眼下の新中尾峠展望台には登山者が多くいるので、登山道脇で展望を見ながらの食事である。

 食後、中尾峠(中尾コース分岐)から小高い展望台に下ると樹林内のくぼ地に建つ焼岳小屋に着く。
食事中に追い抜かれていた団体に追い着いてしまう。幸いに団体さんは小屋近辺で食事のようで、ゆっくりと下山できそうだ。

 焼岳小屋からササ原を下る。これで荒々しい焼岳は見納めになる。ササ原を抜けると垂直に近い梯子があった。眼前には屏風のような岩があらわれ、自分が断崖絶壁の端に立っているのが分かる。足が竦む場所だが、岩壁の紅葉・明神岳、谷間を流れる梓川の展望は天下一品だ。暫く梯子が連続するが、見上げる岩壁も素晴らしかった。

 樹林帯に入ると、ブナ林・シラビソ・ダケカンバ・カラマツなどの森が刻々と変わり飽きないが、下り道には少々うんざりしてくる。やがて、平坦な道が続くようになり上高地からの焼岳登山口に着き、作業道を歩く。

 ここまで来て、河童橋からの穂高連邦を見ないで戻るのは勿体無いので足を延ばす。
静かな作業道だったが、田代橋を過ぎると、凄い観光客の数だった。登山口から2kmほど歩き30数年ぶりの河童橋に着く。
昔の想い出に浸ることなく、雑踏の中を急いでバスターミナルへ。この人出だから、細君はタクシー乗場も列が出来ているだろうと思い、急いで歩く。

タクシー乗場に着くと列があったのは車の方だった。もう少し上高地でゆっくりすれば良かった。ゆっくりすれば、出費がかさむが。新中の湯ルート登山口までの運賃は3700円だったが、想い出の場所を訪れることができてよかった。


山頂より下山

さぁ、食事だ! 買い置きの、おでんパックに切り餅を入れて。

村営の緑色トタン屋根の焼岳小屋

山頂も見納め。

霞沢岳と大正池

屏風のような岩。  予想外の展望。

こんな箇所があるとは知らなかった。

最初の一歩に緊張。

見上げる岩壁も見応えあった。

シラビソの森

カラマツの黄葉

霞沢岳

ブナの黄葉

ダケカンバの黄葉

作業道にある登山口に出てくる。

上高地の紅葉はこれからのようだ。

サルの群れも散策道を歩く。無言で物乞いをしている親子

上高地からの焼岳

河童橋

河童橋からの絶景

タクシーでスタート地点に戻ってくる。

新中の湯ルート登山口からの奥穂高岳・前穂高岳
と明神岳


シラタマノキ

コケモモ(実)

アザミ

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