平成22年6月3日(木) 大峰・D大普賢岳1,780m
今週は晴れマークの予報が続いているが、上空に寒気が残っているので、所により雷雨があるらしい。 大普賢岳は滝・原生林・岩場・鎖場・窟、展望とその他色々あり、変化があって山行中は飽きることがない山だと思っている。私は百名山の八経ヶ岳よりもお気に入りである。 |
周辺地図 |
6:17水太谷登山口〓6:41水簾ノ滝〓7:22底無し井戸〓7;43笙ノ窟/和佐又山分岐(岩本新道)〓8:19笙ノ窟〓8:52〜58石ノ鼻〓9:50〜55大普賢岳〓11:00稚児泊〓11:25〜12:10七曜岳〓13:14無双洞〓13:40登山口 |
【水太林道登山口から大普賢岳】
登山口は橋の左岸にあり、朽ちてしまって標示の文字が読めなくなっていたが、道は以前よりは、しっかりしていた。
水量が殆どない水太谷と水簾ノ滝(無双洞)がある谷とが、合流する地点に来る。登山道は水太谷の右岸を少し歩くと、直線に下りて来るU形のくぼ地が見えてくる。くぼ地の横から山腹の道を登るのだが、直接左岸を登る方が早いだろうと登る。しかし伐採された木が邪魔をして時間短縮にはならず、途中より登山道へよじ登る。
水簾ノ滝を観て、少し登ると分岐で、以前にはなかった立派な道標があった。左に下れば直ぐに無双洞だが、緩やかな山腹の道を歩き和佐又ヒュッテ方向へ。
大岩がゴロゴロある涸れ谷になった水太谷に出合う。左岸に渡り、少し登った地点からクサリ・アングルが付けられた岩場になり、緊張の連続になる今回の一番の難所だが、5回目ともなると楽しむことができる。
岩壁に突き当たり、岩壁に沿って右へ。再びクサリ・アングルの付けられた岩を登ると、底無し井戸に着く。
以前は、この辺りは踏み跡が薄かったが、道標やロープが張られたお陰で、踏み跡がしっかりしていた。しかし急斜面なので、落石には特に注意がいる。
底無し井戸を過ぎると少しの我慢で、原生林の緩やかな山腹道になる。和佐又ヒュッテからの登山者は一息つけるが、私達はこれからだ・
支谷を二ツ横切ると笙ノ窟分岐があり、和佐又ヒュッテへの道と別れ、岩本新道を登る。
原生林の山腹に付けられた道をジグザグに登ると樹間から釈迦ヶ岳・八経ヶ岳が望まれた。雲が多い割に見晴らしが良いので、山頂からの展望が楽しみだ。
鷲ノ窟に辿り着く。和佐又山方向へ歩き、笙ノ窟へ。
両方とも日本岳直下の岩壁にある窟である。笙ノ窟は不動明王が祭られた修験道の重要な行場で、以前に無言の行をしている修験者を見たことがある。
朝日窟・指弾ノ窟には行かずに、戻り大普賢岳へ。
鷲ノ窟まで戻り直進、岩場を直登すると日本岳コルに登り着く。左折して鉄ハシゴを上がると石ノ鼻といわれる4人ほどしか登れない展望の良い岩がある。
岩上に立つと大峰の主峰・八経ヶ岳、更に南へ延びる奥駈道は釈迦ヶ岳へと続いているのが望まれた。
正面には日本岳、遠方には大台ケ原が望まれる(大普賢岳から東に延びる支稜線は台高山脈の大台ケ原と、伯母峰峠を境に?がっている)。
そして北には台高の薊岳・国見山・桧塚が霞みながらも望まれ、背後には険しい岩壁の大普賢岳が鎮座している。
地獄谷側にシャクナゲが咲くようになり、鉄の橋・鉄ハシゴを利用して険しい道を登る。
小普賢岳を右から巻いてコルに着くと水太谷・地獄谷とも険しく落ち込んでいる。ここからは大普賢岳への登りになる。橋が無ければ登れそうにも無い箇所もある。
山上ヶ岳からの奥駈道に出合い、Uターンするようにして登る。
水太林道登山口 |
登山口。 |
水簾ノ滝 |
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フタリシズカ |
水太谷出合。左岸へ移動 少し登ってから岩場の山斜面を登る。 このコースで一番の難所に突入、 5回目だと余裕も。 |
石灰岩の岩壁に突き当たる。 |
細君も私を撮る余裕がある。 |
クサリからアングルになる。 |
底無し井戸 |
やっと緩やかな山腹の道になる |
ブナとヒメシャラ |
岩本新道出合。 笙ノ窟へ。 |
岩本新道を登りきると鷲ノ窟に出てくる。 |
鷲ノ窟の頭上に張り出した岩。 |
笙ノ窟。 |
笙ノ窟 |
笙ノ窟の上部 |
日本岳コルへ。登り易い岩場だ。 |
日本岳コルから石の鼻へ。 |
シロヤシオ。観たのはここだけ。 |
咲いていたシャクナゲ。 |
石ノ鼻の岩上に立つ。 リュックを下ろしアンパンを食べる。 平日登山の特権、週末は立てないだろう。 |
石ノ鼻より台高の薊岳・桧塚が肉眼では見えていたが。 |
石ノ鼻より |
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石ノ鼻より大普賢岳 小普賢岳 |
小普賢岳を巻く。 |
オオヤマフスマ |
コル |
ワチガイソウ |
大普賢岳への最初の階段。 |
岩壁に設置された橋 |
水太谷側 |
地獄谷側 |
【大普賢岳〜大峰奥駈道〜七曜岳】
小普賢岳とのコルより30分で大普賢岳に着く。樹木で北の一部と東方面の展望は効かないが大峰の中心部の山々は望める。
和佐又ヒュッテからの3人家族が登って来た。私達は先に出発する。ガレ石の急坂を下ると笹原になると、西側は原生林の緩やかな広い斜面で、稲村ヶ岳が望まれる。一方西斜面は、水太覗と云われる断崖で、水太谷が一望できる。
弥勒岳に近づくと、シャクナゲが多く自生するようになる。残念ながら今年は花芽が少なく、葉を隠すほど咲いているシャクナゲはない。
奥駈道が左に曲がり、下りになり、国見岳と七曜岳が樹間越しに見えるようになってから、弥勒岳を通り過ぎていることに気付く。
平坦なクサリのある岩場を過ぎると、大普賢岳の展望の良い岩棚がある。この場所に来ると初回の登山で、細君は疲れ果てて寝てしまったことを思い出す。当時は現在位置が分からずだった。
岩棚の横から下る。ここが薩摩コロゲのクサリ場、更に内侍オトシの急な下りがあり、冷気が漂う岩に苔生す場所を、過ぎると稚児泊跡に着く。
稚児泊から国見岳への登りになる。途中にあった大普賢岳の展望が良い箇所で、追い越されていた3人家族が食事をしていた。
国見岳も気付かずに通り過ぎてしまい、昼間でも薄暗い七ツ池に下りて来るが今は涸れ池だ。暫く主稜線が何処なのか分かり難い奥駈道を歩く。
七曜岳直下のクサリ場を登り、岩場に架けられた橋を渡ると、細長い岩峰の七曜岳頂上に着く。
展望を楽しんだ後、食事にする。
食事をしている間に、南から雲が多くなる。釈迦ヶ岳が見えなくなり、八経ヶ岳も見えなくなる。急いで下山。
大峰奥駈道出合 |
大普賢岳頂上 |
大普賢岳より 西方面 |
バリゴヤ谷の頭と稲村ヶ岳 |
大普賢岳より。 (北西方面) 女人結界のある山上ヶ岳 |
南に続く大峰奥駈道。 |
大普賢岳を下山。 |
水太覗からの大普賢岳 |
ヒメヘビイチゴ |
水太覗にて。 |
水太覗にて。釈迦ヶ岳方面 |
水太覗の西斜面は緩やかな斜面。 |
弥勒岳付近はシャクナゲが多い。 |
稲村ヶ岳 |
奥駈道が左に曲がり七曜岳が見えると、弥勒岳を過ぎたのを知る。 |
ササ道が薩摩コロビの岩道に変わる。 |
大普賢岳・小普賢岳・日本岳。展望の良い岩床。 |
稚児泊跡 |
国見岳手前の展望場所。大普賢岳・小普賢岳・日本岳 |
右端;和佐又山と大台ケ原遠望。 |
苔生す岩。 |
七ツ池。七曜岳まで15分ほどだ。 |
岩峰の七曜岳への登り。 |
誰もいない七曜岳頂上。ゆっくりできると思っていたら雲行きが怪しい。 |
中央;行者還岳 |
百名山の八経ヶ岳(中央の凸)望む。 |
稲村ヶ岳望む |
【七曜岳〜無双洞】
行者還岳方向へ下山すると七曜岳が切り立った岩峰であることが分かる。
数分で分岐があり、奥駈道と別れ無双洞へ下ると、杉の根が露出したヤセ尾根の急な下りになる。やがて左折して大岩の中にある木階段を利用して尾根から外れるが、尾根に戻ってくると尾根上に岩壁があり、迂回して下ったのが分かる。
雷鳴が聞こえるようになる。樹間から見えた日本岳には靄がかかっており、ときどき雨粒があたる。
広くなった尾根を下ると右折する。無双洞は左折なのだが?
尾根が右に移動していたのだった。移動して間もなく左折し、山腹を下るのだが、以前はジグザグ道だったのが、直線に近い下りになっており、目印のテープも狭い範囲にばらついている。両サイドが杉林なので、ブナ・ヒメシャラが自生する自然林の範囲内で下れば良い。左側も自然林になると尾根道になり、聞こえていた水の音も大きくなる。
左折して、尾根から離れた地点で、大粒の雨が降ってくる。慌てて傘を差す。ここまで下れば傘で充分だが、和佐又ヒュッテまで帰る3人家族が、傘を差して無双洞を出発するのが見えた。これから迎える難所を傘では無理だと思えるが・・。雨が止むことを祈る。
無双洞の湧き水でコーヒータイムをする予定だったが、寛ぐ雰囲気ではなくなってしまった。
水簾ノ滝の上部のなめ滝を眺めてから渡渉すると分岐は直ぐにあり、水太林道へ下る。
登山口の駐車場に戻ってくる。雨の止む気配はない。着替えをしないまま帰宅するが、雷雨は吉野町に入るまで続き、奈良市内で渋滞すると追い着いて来る。そして自宅に着くと、又、雷雨は追い着いた。
無双洞分岐点。地図もあった。 |
杉林の急なヤセ尾根。 |
尾根を外れて迂回するが再び尾根に戻る。 |
尾根を左折して無双洞へ。 |
ハシゴは洞窟へ。探検する勇気はありません。 |
名水でコーヒータイムの予定だったが。 |
上部からの水簾ノ滝 |
ヒメレンゲ |
2段になって落ちる水簾ノ滝 |