平成22年5月21日 池原山〜A若狭・駒ヶ岳780m〜与助谷山769m〜桜谷山825m〜木地山峠

年度別

 ブナの新緑を観に駒ヶ岳へ登ることにする。『山と高原地図・京都北山』の小冊子では裏日本型の植物と太平洋型の植物が観られるとある。此れも期待して登ったが、花はないに等しかったことを先に言っておく。


 国道367号線を走り朽木・市場交差点を過ぎる。『朽木渓谷キャンプ村』の道標を見て左折し、県道23号線に入る。
県道23号線は横谷口までは快適だが、この先は狭くなる。橋を渡り左岸を走ると直にバス停『足谷口』があったが、民家はなく石垣だけが昔の面影を残している。バス停から100mほどで足谷口登山口があり、更に100mほど先には広い駐車場所があった。 国道367号線から約8km。


周辺地図

7:00足谷口登山口〓7:40池原山〓7:44林道出合(林道を歩く)〓8:11高島トレイル出合〓8:54ろくろ橋分岐〓9:30〜10:25駒ヶ岳〓10:45木地中山小屋分岐〓11:30与助谷山〓12:25桜谷山〓12:48木地山峠〓13:45林道出合〓14:15〜22バス停『木地山』〓14:52駐車場所


【足谷口登山口〜駒ヶ岳】

 『池原山・駒ヶ岳登山口』には立派な標示はあるが、「ここが登山口?」。左がスギ林、右が雑木林の尾根を登るが、皆さん、滑りながら登っているようである。暫くすると急坂には変わりないが、少しは登りやすくなる。やっと平坦になった地点で小休止して、未だ続く急登に備える。

 「そろそろ、池原山かな?」と思って辿り着いたピークには、『左・駒ヶ岳。右・足谷口』の道標があった。
どうやら、三等三角点のある池原山を見逃して登ってしまったようだが、山頂らしいピークはなかったように思う。GPSの高度は、ここも600mを越しているので、近くだろうが。展望の効かない頂上らしいので、先へ進む。

 北東方向へ下ると林道に出てくる。登山道は尾根上にあるが、スギ林なので林道を歩くことにする。始めは稜線の右にあった林道は、尾根を跨ぎ左へ。そして右に戻ると林道が分かれる。左の林道を選ぶと、再び尾根を跨ぎ登って行くと下りになる。稜線も下ってきてブナ林になっていた。
目印の赤いテープがあったので、ここからブナ林へ入ると、しっかりした道だ。その時点では何処で高島トレイルと出合ったのか分らず。(帰宅後GPSの軌道をみて知る)
素晴らしいブナ林が続く。西側はスギ林だが、これほどの規模のブナ林が関西圏で見られるとは嬉しいことだ。
静寂な森の中からモリアオガエルの泣き声がしてくると、右下に明神池が見え、池へ下りてくる。寛いでいた水鳥が飛び立つ。泡状の卵魂が池付近の樹木に産卵してある。周りの風景も良く、モリアオガエルの泣き声を聞きながら異空間の自然の雰囲気を感じる。いつまでもおりたい場所だったが、窪地から尾根へ登る。

 ろくろ橋分岐まで来ると山全体がブナ林になり、グリーンシャワーを全身に浴びる。
ろくろ橋から神戸市から来た同年代のご夫婦が登ってくる。
頂上まで、山談義しながら歩くと、高嶋トレイルを分割して踏破しているらしい。今日も車中泊して、明日も登るらしい。既に鈴鹿山地は踏破しているとか。
さて、私の目標は・・。山に登って回数を重ねるだけかな。


麻生川沿いの駐車場所(渓流釣りの車)

立派な足谷口登山口。滑りながらの直登。

斜めに登れるようになる。

池原山は通り過ぎていた。雰囲気は山頂なのだが。

地図に記載のない林道に出てくる。

下りになった林道から高嶋トレイルに。


不思議なほど下草が生えていない。

明神池

池を周回する。登山道は対岸の左より下り、中央の窪地を行くが踏み跡が薄かった。

空気まで緑色に染まる?

ろくろ橋分岐で出会った神戸のご夫婦。

【駒ヶ岳から木地山】

 駒ヶ岳頂上に着く。東半分が開けているが霞んでいて展望は良くなく、薄っすらと三十三間山から比良の山が望まれる程度だったが、前回のガスの山頂からみれば増しである。
何時ものように山頂でゆっくりする私ら、ここでご夫妻と別れる。

 与助谷山へ。駒ヶ岳頂上より少し戻って分岐を左折すると樹間から百里ヶ岳が望まれた。与助谷山への稜線はブナとカエデの樹木が多くみられる。発芽したカエデの葉が緑の絨毯のようになっているが、成長した幼木はない。成長する確立は0%。親木の肥料となって親孝行するだけとは悲しい。
木地山中小屋分岐(駒ヶ岳から0、7km)を過ぎると南方面が開けた個所があり、目前に百里ヶ岳を望む。
北側には霞みがなければ樹木越に若狭の海が見られそうな所が随所にあるが残念なことだ。

 与助谷山に着く。樹林に囲まれた雰囲気のよい広い頂上だ。
予定では此処より木地山(2、3km)へ下山する予定だったが、高島トレイルは思ったほどの高低差がなく、未だ余力があるので、木地山峠へ向かうことにする。
1ツ、ピークを越すと雪の重みで曲がった背丈の低い樹木になる。南側が開けた所から展望を見ていると、私たちより同コースを1時間以上遅く出発した夫婦に追い着かれる。
堺市のご夫婦で、ブナを観に大日岳に登る予定だったが林道が通行止めだったので、こちらに来たらしい。歩く速さが違うので先に行ってもらう。
そして、今回の最高地点への登りになるが、10分もかからない登りだった。

 桜谷山に着くと、東から東南方面が開けており、眼下には木地山、麻生川が流れる北谷、そして朝の池原山・駒ヶ岳から桜谷山までの歩いて来た稜線が一望できる。
桜谷山から下山するとブナ林になり、高島トレイルは左折する。道標がなければ直進する尾根を下ってしまいそうだ。
左折すると斜面を急降下し、ブナ林も見納めとなる。スギ林内に入ると尾根道となり、やがて雑木林になる。

 お地蔵さんがある木地山峠に着くと、先に行かれた堺のご夫婦が休んでいた。一緒に北谷を下山することになる。
道はしっかりしていると思っていたが、踏み跡の薄いところもある。
左から水の流れる音に誘われ、踏み跡があるので下ると行き止まり。どうも縦走登山者の水場だったようだ?
戻るとしっかりとテープが付いている。会話に忙しくて見損なったようだ。急な小尾根を下ると両サイドから水音がする。そして沢の合流点に出る。
これで、沢伝いに下ると思っていたが、気付くと沢から離れ、右の小さな谷間からの流れに出て、丸太橋を渡る。
実に素直ではない道である。
しかし、ここからは流れに沿った道になる。適度に緊張して苔の付いた丸太橋を幾度も渡る。
トチの古木を過ぎると8分程で林道に出合い、木地山の集落に着く。

 バス停『木地山』には、駒ヶ岳で別れた神戸のご夫婦がいたので、暫く談笑してから、駐車場所の足谷口まで戻る。
堺市のご夫婦とはここで別れる。ご夫婦はマキノにある別荘へ帰られた。


駒ヶ岳頂上。

伊吹山・琵琶湖が見えるらしいが。

駒ヶ岳からの展望。山座同定する意欲ゼロ。

百里ヶ岳。

北風が直接当たるので変形した樹が目立つ。

百里ヶ岳、三国岳方面。

未だ子葉があるカエデ。

カエデの緑の絨毯。

樹林に囲まれた与助谷山頂上。予定では、ここより中小屋に下山だったが。

与助谷山を下山。

桜谷山へ。雪と北風で傷めつけられた樹。

桜谷山への登り。

   桜谷山頂上にて。左端の小さなコブが池原山か?中央左;駒ヶ岳

桜谷山より。眼下の北谷を下る。

桜谷山より南に下る。ブナ林は此処までだった。

木地山峠。

古木;トチノキ

麻生川と県道23号線。

木地山バス停。トイレあり。一日3便。

【花】


タニギキョウ

ユキザサ

ミヤマハコベ

タニウツギ

 予想をはるかに越えるブナ林の森林浴を楽しむことができた。今日は夏日だったようだが、ブナの森は涼しく、虫に悩まされることもなかった。 最高の日になった。

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