平成21年12月13日 馬の背尾根〜鎌ヶ岳 1161m・御在所岳1210m(最高点1212)〜裏道
【湯ノ山温泉〜鎌ヶ岳】
4週続けて鈴鹿の山になってしまった。第一希望は遠足尾根からの鈴ヶ岳・銚子岳だったが、所要時間が長くなりそうなので、日が長くなる季節まで延期にする。延期にすると次の予定を立てずに当日になってしまった。 馬の背尾根の登山口は湯ノ山温泉にある三岳寺だが、温泉街の駐車場は有料なので、車道終点にある駐車場へ。 |
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周辺地図 |
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7:05駐車場〓7:21三岳寺〓馬の背尾根〓9:30白ハゲ〓9:45宮妻峡(カズラ谷)分岐〓10:12岳峠〓10:25〜33鎌ヶ岳〓11:26武平峠〓12:10〜13:00御在所岳〓13:16朝陽台(1212m〓13:40〜45大黒岩〓14:10朝陽台〓14:26国見峠〓裏道〓15:12藤内小屋〓16:00駐車場 |
『鈴鹿おろしか?』車が少し揺れるほどの強風が吹く。気温は2℃前後で車外に出るのを躊躇するほどだが、直ぐ体が温まるだろうと薄着で出発する。
駐車場から湯ノ山温泉街へ車道を1km程下ると、右斜めに上る三叉路に『三岳寺』への標示があり、数分で登山口の三岳寺に着く。境内にある観音山遊歩道絵地図では、左回りからの方が尾根への取り付きが早いようだ。展望台がある石仏23番へ登る。植林を予想していたが雑木林で、カップルによる記念植樹が遊歩道にされているが、殆どが枯れている。その後のカップルは・・。
長石谷と湯の森谷の間にある馬の背尾根に取り付く。最初のピークを過ぎると、ガード下の騒音並の風音でウィンドブレカーを着込む。
切り立つような尾根道はなく、よろめくような強風でも安全で迷うことのない道を、アップダウンしながら、樹間から見える鎌ヶ岳を目指す(4つ目の峰に登る時、右の長石谷へのしっかりした踏み跡には注意)。
私の感覚では四つの大きな峰を越すと白ハゲの岩群が見えてくる。
少しは穏やかな風になった白ハゲで、雲母峰・入道ヶ岳、そして伊勢湾方面の展望を眺めていると、御嶽山が見えているのに気付く。よく見ると乗鞍岳・中央アルプスも見えているようだ。
白ハゲ付近には雲母峰分岐があるが、気付かずに通り過ぎ宮妻峡(カズラ谷)分岐に出る。ここからは2回ほど利用した登山道である。
窪地の道を登り、水沢峠からの主稜線と合流すると鎌ヶ岳の岩壁が間近にそそり立つ。右折して鞍部へ。
長石谷ルートと出合い、ササに覆われた岳峠を通り過ぎると鎌ヶ岳直下に出る。右から巻いて、岩魂を登る。
湯ノ山温泉街 |
三岳寺は右へ上がる。 |
石仏二十三番の展望台からの御在所岳。 |
⇔馬の背尾根を歩く。 |
前方に鎌ヶ岳を見ながら登る。 |
御在所岳背後に見えるようになる。 |
白ハゲに辿り着いたようだ。 |
白ハゲにて。登りたくなる稜線が雲母峰へ続く。 |
御在所岳 中央;馬の背尾根(遠方に御嶽山が見えた) 演_母峰 |
御嶽山遠望(10倍) |
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雲母峰分岐は過ぎてしまっていた。 |
白ハゲ |
⇔ここから見る鎌ヶ岳は鋭角ではないな。 |
分岐に出る。岳峠へ。 |
ブナ林 |
このぐらいのササなら我慢できる。 |
展望の良い岩峰より。左の岩峰は水沢峠からの主稜線。右折して鎌へ。中央;綿向山 |
南に連なる鈴鹿の主稜線 |
鎌ヶ岳。 |
鈴鹿の峠で一番高い岳峠。以前よりササが少なくなったな。 |
鎌ヶ岳直下から見上げる。 |
【鎌ヶ岳頂上】
鎌ヶ岳頂上に立つ。師走のためか登山者は数人だけである。移動しながら360度の展望を楽しむが、予想に反して風は穏やかで助かった。
御在所岳にも登ることにする。予報では昼から曇りだが、見ておきたい場所があるからだ。
アンパンで腹ごしらえをしてから、クサリのある北斜面を下ると、霜柱がビッシリとあり、より一層の注意をして下る。クサリ場が終わっても急なガレ場を慎重に下る。
何処の分社だろう? |
こんなこと初めてだ。誰もいない。 |
【〜御在所岳】
尾根道を1時間ほどで武平峠に着くと、四方に通行止めのロープがある。張られている地図を見ると、中道・裏道は通行可能のようだ。ロープを跨いで直進する。
直線の尾根道、アップダウンがないのでグングンと高度が上る。見晴らしの良い岩場で、背後に見える鎌ヶ岳を望んで一気に登る。
山上台地に出て、舗装された道を歩き一等三角点へ。
クサリ場。武平峠へ、鋭角な鎌ヶ岳の影。 |
ザレ場 |
⇔三ツ口谷分岐、ここまで下ると一安心。 |
武平峠。鎌ヶ岳から御在所岳縦走区間は支障ないのだが? |
奇岩。 |
御在所岳頂上から見るより山容が美しいと思う。 |
【御在所岳】
御在所岳頂上に着く。広い山頂には誰もいなかった。直ぐに展望の良い西の展望岩に移動して360度の展望を楽しむ。
「先週登った銚子ヶ口はあの辺りかな。雲のように見えるのは白山か。しかし御嶽山は・・。」と。
台高・大峰山脈も薄っすらと山並みが見える。岩陰に移動して煮込みウドンで食事する。
展望岩に来たのは2組だけで、直ぐに下山した。静かなのは良いのだが、取り残された感じで気だけ焦ってくる。
何時もよりは少しだけ食事タイムを短縮して、ケーブル乗場のある朝陽台へ。
標高1212mとある朝陽台。「御在所岳の最高点はここなのだ」。今ごろ知ったのか、忘れていたのか?
大黒岩のある本谷を下山することにする(御在所岳の紹介に出てくるロープウエイと岩壁とが撮られた写真の撮影ポイント。)。
「この踏み跡かな?」朝陽台よりササを掻き分けて下ると、急で険しい細道だった。途中で戻ろうかと思ったが、ロープウエイの鉄柱に下りて来ると、本谷の対岸に大黒岩が見える。細心の注意をして、本谷源頭部の清水が流れる岩床を渡ると、金属作りの祠のような物があり、覗き込むと遭難者の写真が・・。
対岸の急斜面をロープのある箇所から登り返し大黒岩に続く尾根を辿る。
大黒岩の岩上に立つ。ロープウエイを待つが閑散としている御在所岳山頂では開店休業。お陰でバックに岩壁を入れた写真は撮れず。
大黒岩から下る踏み跡がない。本谷の岩床まで戻って、本谷を下るべきか迷う。GPSで等高線を見ると崖になっており、等高線がない。
下山するには危険に思われる。大黒岩にも、遭難者2名の名前が記されたプレートがあり、ここにもある。途中で戻るようなことになるとロープウエイの営業時間が過ぎているかも知れない。
無理をしないで朝陽台まで引き返すと誰もいない。14時過ぎだから暗くなる前には下山できそうだ。
奇岩がある中道の方が面白いが、遅くなってしまったので、所要時間の短い裏道を下山道に選び、朝陽台の北へ。
三角点をタッチできず。 |
展望岩に移動。 |
藤原岳方向に見えていた白山。 |
朝陽台へ移動。 |
右の踏み跡から本谷を下山する予定だったが。 |
大黒岩 入道ヶ岳と鎌ヶ岳 |
大黒岩に登る。 |
大黒岩 一ノ谷新道から脇道に入っても来られるらしい。 |
大黒岩より |
大黒岩より雲母峰・伊勢湾 |
【裏道を下山】
裏道のある北谷は昨年9月の集中豪雨で大崩落が発生した谷で、復興状態を見るのにはいい機会だ。
ガレ場の道を急降下し、沢水が流れる道になると国見峠に着く。
ここから北谷を下るのだが、初めて御在所岳に登った時以来で14年ぶりである。あの時はガレ石で転倒して骨折した登山者がいた。さらに遭難している登山者がいると聞き、緊張して疲れたのを覚えている。
ガレ場の左岸を足元に注意し、チラッと潅木越に藤内壁を見て下る。
七合目辺りで藤内壁が崩れた個所が見られる。登山道は一部で迂回道はあるが、大して変わりがないように思われた。
しかし北谷は変わっているのは分かる。5合目の藤内壁出合を過ぎると、北谷は一変していた。左岸の藤内小屋まで続いていた登山道は、樹林共々に抉り取られて広い谷になっていた。
渡渉して広い谷間を歩くと、整備された道は見晴らしが良く歩きやすい。
「こんな大岩が流されるのか」と自然の脅威を感じながら歩くと藤内小屋の赤い屋根が見えてくる。
押しつぶされないで残っているのが不思議に思える藤内小屋だった。営業していたが雑用で忙しそうだったので休まずに下る。
右岸の登山道を下る。丸太橋で左岸に移るが、日向小屋が何処にあったのか分からない。右岸に戻ると、ジグザグに登り中腹の迂回道を歩く。北谷に戻ると工事道沿いに歩き蒼滝橋に出て右折。鈴鹿スカイラインを歩き朝の出発点に戻ってくると相変わらず『鈴鹿おろし』が吹き寒かった。
沢を歩くようになると国見峠は近い。 |
国見峠。 |
藤内壁と四日市方面 |
左岸の樹林内あった登山道は抉られて跡形もない。 |
渡渉して谷間を歩く。 |
下るほど自然の脅威を感じる。 |
流されなかったのが不思議に思えた藤内小屋。 |
補修するのだろうか。石切り場? |
店頭は以前のままだが。 |
新築の藤内小屋 |
四の渡し |
右岸に戻ると迂回道があり山腹を歩く。 |
迂回道から下ると蒼滝橋は近い。 |
鈴鹿スカイライン旧料金所前まで車で入れる。 |
当日なっても決まらない山旅だったが、気になっていた馬の背尾根・大黒岩・大崩落の裏道の3箇所を歩けて大満足。 |