平成21年9月27日 奥秩父 金峰山 2596m・瑞牆山 2230m
図書館で借りた『関東・日帰りの山』で大弛峠からの金峰山と瑞牆山荘からの瑞牆山が紹介されていた。 21時前に枚方を出発。中央道・恵那から伊那では雨が降り、以後は間欠ワイパーを動かしながらの運転で、遠出をしたことを後悔しながらの運転だった。 |
周辺地図 |
4:30瑞牆山荘登山口〓5:25富士見平小屋〓6:12大日小屋〓6:40大日岩〓10分休憩〓7:48砂払いノ頭〓8:40〜9:30金峰山〓11:00大日岩〓18大日小屋〓12:07〜10富士見平小屋〓13:48〜14:30瑞牆山〓15:50富士見平小屋〓16:25登山口 |
【瑞牆山荘登山口から金峰山へ】
予報では昼過ぎまで晴れだったが、曇空のようで星一つも見えない。雨が降らないだけいいか。
今回は所要時間10時間の登山、健脚なら7〜8時間あれば登って来られるだろうが私達には無理。因って早朝出発になる。夏場なら明るくなっているが、真っ暗闇の駐車場をヘッドランプの明かりだけで歩き出す。
登山口から50m程入って、地図と財布の入ったウエストバックを忘れたのに気付き、10分ほどのロスをしてしまう。
暗闇でも道が分かるのか心配したが、多くの登山者が歩いているので踏み跡はしっかりあったが、関西の山からみると目印のテープが少ない。定められた道を歩くのではなく、各自が歩きやすい所を選んで歩くため広範囲に荒れている。
登山道は急になってくる。林道を横切り、里宮参道分岐を左に見て登ると、ベンチがある尾根に突き当たる。
ここからは、針葉樹林越に瑞牆山がシルエットになって望まれた。右折して尾根道を登ると、未だ日の出前だが明かりが無くても登れるようになる。広場に着くと二張のテント、直ぐ先には富士見平小屋があった。
富士山が見える場所があるのかと見渡すがなかった。小屋周辺では落葉広葉樹が紅葉していたが、暗くて撮れない。
道標に従い富士見平小屋と東にあるトイレとの境から山斜面を登る。尾根にたどり着くと、防火のためだろうか、広い尾根道となる。
やがて、飯盛山を巻く道になると、美しい針葉樹林の道を緩やかに登り、そして下りになると鷹見岩分岐を通り過ぎる。
やがてシャクナゲが現れ大岩の間を抜けると、広葉樹の紅葉が奇麗な大日小屋に出てくる。ここからは前方に大日岩、背後には鷹見岩が見えている。
大日岩基部まで登ってくる。見上げると想像以上の巨大岩だ。一部でロープを利用して巨岩を巻いて尾根へ登る。
八丁平分岐でもある大日岩と云われる場所で巨岩の頭部を見て、尾根道を南へ登ると針葉樹林道が続く。途中の平坦な場所で、残っていた炊き込み御飯のおにぎりを食べてから急坂を登ると、金峰山小屋泊まりの登山者とすれ違うようになり、荒い息で登る私に「もう少しで展望が広がりますよ」と励ましてくれる。
樹林から砂払いノ頭と云われる大岩が積み重なった展望の良い尾根にでる。霞みと雲で遠望は効かないが、紅葉も観られて充分に満足できる。ここから山頂までの約1時間は大パノラマで、疲れが吹っ飛んでしまったようだ。金峰山のシンボルである五丈石が段々と近づいてくる。
真っ暗闇だった瑞牆山荘登山口 |
登山口にて。 |
⇔尾根に登り着くと瑞牆山がシルエット(下山時撮影)で見えた。 |
富士見平(小屋)に着く。 |
広い尾根に辿り着く。 |
飯盛山を巻く道は樹林が美しかった。 |
大日小屋からの鷹見岩 |
大日小屋のキャンプ場からの大日岩 |
大日岩の基部を巻いて登る。 |
実際はもっとでっかく感じたが。 |
右の林内を登る。 |
大日岩の岩頭 |
きつかった砂払いノ頭までの登り |
右の樹林から出ると砂払いノ頭だった。 |
もうナナカマドが紅葉していた。 |
南斜面は岩壁 |
靴? |
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マンガのクレヨンしんちゃんを思い出す。 荒船山でこんな写真を撮って遭難した漫画家がいたな? |
逆光 |
紅葉が奇麗に撮れていて良かった。 |
金峰山々頂と五丈石 赤一色の山肌 |
【金峰山頂上にて】
五丈石の前から、岩が乱雑に高く積み重なった金峰山頂上に登り着く。気付けば山頂まで誰にも抜かれずに登って来たが10人ほどの登山者がいた。時計を見るとコースタイムと一致して登っている。
展望を見ながら食事を済ませてから寛ぐ。細君はウトウトしかける頃、雲が上がって来るようになる。
先着していた登山者はいなくなり、私達が山の主になっていた。
一寸、長居をし過ぎたかな?細君を起こして瑞牆山へ。
金峰山のシンボル・五丈石 しまった参拝するのを忘れた。 |
金峰山頂上へ。 |
大弛峠からの稜線、このコースも面白そうだ。 |
食事している間に登山者が増えてくる。 |
金峰山から瑞牆山への稜線。 |
左端に八ヶ岳遠望 瑞牆山 小川山 |
見えるかな? |
【金峰山〜富士見平へ】
砂払いノ頭までは、逆光で上手く撮れなかった登り時の風景を補充しながら下る。
樹林に入ると細君のピッチが早くなる。私は遅れながらも付いて行く。大日岩、大日小屋も休まずに下る。
しかし大日小屋を過ぎると、ハイペースが悪かったのか、細君の体調がおかしくなる。暫く休憩してから、私が前を歩き正午過ぎに富士見平小屋まで戻ってくる。
予定では14時までに富士見平に戻って来られたら、瑞牆山登頂を目指すことにしていた。時間は充分だが、細君の疲れが心配だったが、細君は登る気でいた。
下山する。 中央の峰;稚児ノ吹上 |
飯盛山の巻き道 |
初めて観るタカネヒゴダイ |
防火道か? |
富士見平小屋に戻ってくる。 |
【瑞牆山に登るぞ!】
富士見平小屋の西から山斜面を緩やかに登って行く。小川山分岐を過ぎると天鳥沢への急な下りになる。
涸れていた天鳥沢を渡り、枝沢に沿っての登りになる。ハシゴ・ロープ・桟橋を利用して登るが、下山者が多くて思うように登れないが、細君のためには良かったかも。
残り少なくなった水、なめ滝付近で補給して山頂でコーヒーを沸かそうと思っていたが、雨不足のため涸れていた。
岩が乱雑に重なる窪地の急な登りになり、大ヤスリ岩の基部に着く。見上げると馬鹿でかい巨岩だった。
金峰山からも見えていた大ヤスリ岩だが、この巨岩を上から見るようにならないと山頂には辿り着けない。
キツイ登りが続き、この巨岩が見えると「未だ、こんなところか」と失望するほど高く聳えている。
やがて下山する登山者が少なくなってくる。危ない岩場の山頂には、どれくらいの登山者がいたのだろうか。
樹林内に入ると不動ノ滝分岐があり、山頂まで10分と記されていた。ロープ場はあったが、ここからはキツイ登りはなかった。
雨不足で涸れていた天鳥沢を渡る。 |
ミヤマダイモンジソウ |
ホタルブクロ |
大ヤスリ岩 |
大ヤスリ岩 |
喘ぎながら登る。 |
道は何処だ? |
【瑞牆山頂上にて】
舞台の袖から晴れやかな舞台に出る感じで、瑞牆山頂上の岩頭に飛び出す。山頂には10人ほどの登山者だけだった。
もしかしたら富士山・八ヶ岳・アルプスの雄大な展望をと期待したが、やはり駄目だった。そして金峰山頂にも雲がかかってしまっていた。眼下の大ヤスリ岩を見ながら残り少なくなった水を沸かしコーヒーを飲む。
ここでも、先着の登山者は全て下山してしまい、山の主になってしまう。
後から登って来た関東の男性と話が弾む。関西人の私には関東人と波長が合わないのだが・・。東京(の)大学に行くまでは実家のある隣町の寝屋川に住んでおり、関西弁が懐かしくなったのかも知れない。
因みにこの男性、私達と同じコースだった。しかし私達よりも2時間遅くのスタートだったが、ここで抜かれてしまう。
北の岩壁 |
雲がかかってしまった金峰山と大ヤスリ岩 |
これだけの展望を観られて感謝。 |
【瑞牆山荘登山口へ】
長居をしても天候は悪くなるばかりで、下山することする。きつかった登りでは道を捜す時もあったが、上から見ると分かり易く富士見平小屋に戻ってくる。
今朝は暗闇だった道を下る。「こんな所を歩いていたのか」とイメージと違った場所があったりする。気の緩みが出て、スローな歩きになって登山口に下りてくる。
登山口へ |
シロヨメナ |
暗闇の時とイメージが違っていた。 |
瑞牆山荘登山口 |
登山口前の瑞牆山荘。 |
昨夜と変わらない台数。みんな帰ったか。 |
登る前はガスの山歩きを覚悟していたが、紅葉とそこそこの展望が見られ、今までに見たことのない巨岩が見られて満足できた山行になった。
しかし、初めての山による不安、そして所要時間10時間のプレッシャーに精神的には疲れた。
これが、自信となればいいのだが・・。