平成21年9月6日 日帰り登山 (つばくろ) 2763m

年度別

 残暑が厳しく近郊の山に登る気になれない。思い切って北アルプスの二百名山である燕岳に行くことにする。

 前夜23時に枚方を出発、長野道・豊科ICで降り、国道147号線を北へ、有明で県道25線から中房温泉への道に入る。中房温泉の有明荘を過ぎると橋がある。橋手前を直進して、第2駐車場に着く(橋を渡り、直ぐ左折すると第1駐車場だが、満車だった)。4時15分着。豊科ICより27km(45分) 枚方から379km 

 往復761km・ガソリン44リットル・5418円 高速料金1400+1550円

周辺地図

5:05中房温泉登山口〓7:33合戦小屋〓7:54合戦沢ノ頭〓8:30〜52燕山荘〓9:18〜10:20燕岳〓10:55燕山荘〓11:42合戦小屋〓13:00〜05第1ベンチ〓13:28中房温泉登山口〓13:36第2駐車場

 暑さに弱いので、日の出(名古屋5:22日の出)前に駐車場を出発する。500mほど車道を歩く(約10分)とロータリーがあり中房温泉に着く。少し先にあるトイレ、向かいには登山届箱がある売店兼日帰り温泉のある所が中房温泉登山口だった。
東の空が薄明るくなり、ヘッドランプが無くても登れるようになっていた。気合を入れてアルプス三大急坂の合戦尾根に取り付く。
ジグザグに造られた道は大きな段差もなく高度を上げるが、眼下には針葉樹林の樹間から温泉の屋根が何時までも見えている。
登山口から約30分で道は緩やかになり水場のある第1ベンチを過ぎる。再び急坂になり合戦小屋への荷物用リフト下を過ぎると道は緩やかになり、この区間も所要時間は約30分で第2ベンチに着くが休まずに登る。
疲れが出て、キツク感じた登りの途中で小休止したが、ここの区間も約30分で第三ベンチに着くが急坂途中の広場だった。
岩場混じりの急な登りになり、疲れも加わり登りが辛く感じるようになるが、富士見ベンチで休憩することにして頑張る。この区間も約30分で富士見ベンチに着くが、ガスがかかってミルクの世界になっていた。

 鼻が詰まっていて口で呼吸しながら登って来た。ご来光を観て満足して下山してくる登山者が道を譲ってくれる。疲れもあり先に下りてくれればいいのだが・・。「ありがとう」と言いたいのに、声が出なくなっていた。以後、こまめに喉を潤しながら登る。

 時間を計ったように休憩ポイントを過ぎ、この区間も約30分(登山口2時間半)で合戦小屋に着くと「お疲れさん」と売店の若者が声をかけてくれる。展望が良さそうだが、ガスで何も見えない。
ベンチでは登山者が寛いでいるが、私達が抜かれた単独の3名はいなかった。

 合戦小屋で針葉樹林帯を抜け、ひと登りすると、三角点とベンチがある場所に出てくる。ここが合戦沢ノ頭だとは気付かずに、通り過ぎようとしたとき、ガスが切れて燕岳が望まれて急いでカメラをかまえる。
キツイ登りではないのに、息遣いが荒くなり軽く頭通がする。「軽い高山病かな?」大きな呼吸をするように心がけて登る。
下山者に「早いですね。何時に登られました」とよく聞かれた。「5時過ぎです」と荒い息と掠れ声で応えると「早いですね」と言われる。「はい。声がでなくなるほど頑張りました」と。
「もう直ぐです。素晴らしい展望ですよ」と言われても殆どガスの中を歩いているので、半信半疑だ。
しかし、燕山荘を巻くようになると、こちらは雲が湧き上がっているが、西は青空だと分かる。お花畑で観察している細君を置き、ピッチを上げ燕山荘へ。


橋手前の第2駐車場に駐車する。

中房温泉登山口

ジグザグに真上に登る急坂だった。

水場のある第1ベンチ

ダケカンバ

ミヤマアキノキリンソウ

ホタルブクロ

第2ベンチ手前。階段があって助かる。

シラタマノキ

第2ベンチを過ぎ、暫く緩やかな尾根道。

第3ベンチからの急坂を登る



富士見ベンチにて。ガスガス
八ヶ岳・富士山を見る予定だったが

ガスの切れ間から見えた大天井岳

頑張る気になった『あと7分』

合戦小屋

カニコウモリ

オヤマリンドウ

ウメバチソウ


合戦沢ノ頭

ゴゼンタチバナ

ミヤマコウゾリナ

ウサギギク

燕山荘    右端燕岳

ミヤマタンポポ

コゴメグサ

トリカブト

オニシモツケ

オンタデ

ハクサンフウロ

ヨツバシオガマ

ホソバハハコグサ

ミヤマリンドウ

ミヤマホツツジ

 燕山荘に辿り着くと凄い展望が広がっていた。これほどの感激は数年に一度だ。
南に穂高岳・槍ヶ岳、そして北に立山・剣岳方面の北アルプスの山々が望めるが、山座同定は難しい。
もしも間違っていたら山に怒られそうな威厳のある峰が連なる。


ツルリンドウ

燕山荘前展望所

トウヤクリンドウ

穂高岳  槍ヶ岳

【燕岳へ】

 山頂へ。白い砂、花崗岩の奇岩がある稜線を歩く。殆どの登山者は山荘に預けているのかリュックを持っていない。私達は重いリュックを担いで登る。流石に登り返しは息が荒くなるが、山荘からは遠く感じたが意外と近かった。

 狭い頂の燕岳だが、燕山荘からの展望とあまり変わらず、記念撮影をして直ぐに下山する人が多いので、意外と空いていた。
私達は山頂直下の花崗岩に座り、大パノラマにビールで乾杯して、コンビニ弁当を食べながら、長野県の地図を広げて山座同定を楽しむ。
陽だまりでのんびりした。汗で濡れていた衣服も乾いた。立山に雲が流れてくるようになり、山頂を後にする。


イルカ岩

コマクサ

ホソバツメクサ

燕岳】


満面の笑い

 燕山荘に戻って来る頃には、槍ヶ岳にもガスがかかり始めて、展望に別れを告げ往路を戻る。
辛い下りになるだろうと覚悟を決めていた急坂の合戦尾根だが、大きな段差が少なかったお陰か、膝に負担も少なくて済み、水場のある第1ベンチに戻ってくる。少し下った谷間の湧水を飲み、汗を拭うと気持ち良い。そして空になった容器にお土産の水を入れる。
ベンチへの登りが辛かった。冷たい水を飲みすぎ、下山仕様になっている身体のリズムが狂ってしまったようだ。気の緩みもあり、長く感じて中房温泉登山口に戻ってくる。

 中房温泉に入浴後(一人700円・露天風呂のみ)、帰路につく。

トップ