平成21年6月7日 小秀山(こひでやま) 1962m

年度別

 二百名山の小秀山、候補に上りながら、「ここまで遠出(出費)するなら百名山に」と、なってしまい機会を失っていた。高速料金割引が実地されている今の時期を狙って登ることにする。

 2時間半ほど仮眠後、0時30分に枚方を出発。中央道中津川ICから国道257号を走ると、一部有料区間のある国道だったが、深夜のためか200円も得する。
加子母(かしも)で乙女渓谷キャンプ場の道標を見て右折、中津川から約42kmでキャンプ場に4時20分に着き、キャンプ場手前の駐車場に止める。

【往路;枚方・京都南IC〜中津川IC(1200円)。260km。〓復路;中津川IC〜淀・久御山IC(1550円+200円)。255km 18:30枚方着】

周辺地図

5:11乙女渓谷キャンプ場〓6:30〜35夫婦滝〓7:45カモシカ渡り〓8:10三ノ谷コース分岐〓8:30兜岩〓9:40〜11:05小秀山〓12:25二ノ谷コース分岐〓14:45三ノ谷登山口〓14:22乙女渓谷キャンプ場

 乙女渓谷キャンプ場入口にある管理棟横が二ノ谷コース登山口。橋を渡ると絵地図があり、頂上までの所要時間は4時間とある。
期待していなかった渓谷だったが、素晴らしい谷だった。前半は殆どが木道で、清流の上から観る渓谷は何ともいえない味わいがある。お陰で観光気分の歩きになってしまい2名の男性に抜かれてしまう。
花の終わったシャクナゲ群生地、和合ノ滝・烏帽子岩を過ぎると展望台分岐があったので、行ってみることにする。1分足らずで着くと、谷間奥に夫婦滝が見える展望だった。

やっと登山道らしくなり右岸のガレ場を直登、山腹の道を行くと夫婦滝(男滝)に着く。落差80mだが意外と静かな滝で、ベンチに座り心地よいマイナスイオンを受ける。
展望台横のヒノキの原生林内を急登して、夫婦滝を巻き上部に出ると子滝があり、左岸に移りシャクナゲが咲く小尾根を登る。渓谷も終わりかと思っていたら、再び最後の水場の孫滝に下りて来る。


乙女渓谷キャンプ場。撮影地点の右に駐車場。

管理棟と登山口。

乙女渕

もう少し明るいといいのだが。

1枚岩の屏風岩。

ねじれ滝

天狗岩

展望台からの夫婦滝(男滝)

烏帽子岩

サラサドウダン

夫婦滝(男滝)

夫婦滝(男滝)

男滝の落ち口。

子滝

最後の水場の孫滝

 水を補給して、尾根に取り付くと鎧岩と云われる大岩が尾根上にあり左から巻いて登る。
南方面が開けた第1展望所第2展望所(山頂と登山口との中間辺り)、そして第3展望所で適度に休憩しながら根が露出したシャクナゲが咲く急なヤセ尾根を登る。

 『カモシカ渡り』の標示があった。「何処を渡るのだろうか」。あるのは垂直に近い岩壁だけだ。「ここを登るのか?」道を捜すが、狭い尾根では、ここしかない。
慎重に登ると大したことはなかったが、登り切った狭い平坦な岩場の方が、「足元には小枝があるが・・、もし、ふらついたら・・。」と思うと怖くなる。ここからは兜岩があるピークが見えたが、足がすくんでカメラを構えられなかった。

 手も使用する険しい道が暫く続く。やっと兜岩から西に延びる尾根に出合う。ここが三ノ谷分岐かと思ったが違い、標示には『国有林界』とある。


尾根上の鎧岩。左から巻く。

第3展望所より

シャクナゲ

『カモシカ渡り』より兜岩を望む。

『カモシカ渡り』を登る。


『カモシカ渡り』の岩上

国有林界に登り着く。細君はもう少しだ。

 やっと二足歩行できる尾根道を東へ緩やかに登ると、帰り道の三ノ谷コース分岐に着く。
急なコメツガの林を登ると兜岩が見えてくる。
 兜岩の下まで来ると、直登の岩場コース(左)と断崖横断コースに分かれる。御嶽山を1秒でも早く望みたいので岩場コースを選ぶと、期待通り望めた。振り返れば白山と思われる峰が、雲の隙間から見えており、山頂からの展望に期待する。

 コメツガの樹林からぬかるみの道を緩やかに下ると第1高原でシャクナゲ・イワカガミ・ミツバオウレンが咲く。展望も良く恵那山から伊吹山方面が望まれるようだが、霞んで遠望は効かない。
再び、ぬかるみのコメツガのピークを抜け広い草原に出ると、咲き始めたシャクナゲ、青々した葉のコバイケイソウが道脇に群生する。
第3高原へ向うと、なだらかな稜線をした山頂が見えてくる。


二ノ滝・三ノ滝コース分岐

兜岩へ。

兜岩直下

鎧岩の分岐;左の直登・岩場コースを選ぶ。

鎧岩より御嶽山を望む。

御嶽山の西に、黒部五郎岳・笠ヶ岳が望まれた。

白山かな?

第1高原より恵那山を遠望(中央)

マイヅルソウ

コイワカガミ

ミツバオウレン

ツバメオモト

ショウジョウバカマ

タケシマラン

ツクバネソウ

ミドリユキザサ

ゴゼンタチバナ

第2高原のシャクナゲ

ぬかるむコメツガの林。

第3高原からの小秀山。

コバイケイソウ

【小秀山頂上】

 段差の大きい岩を越すと小秀山頂上に着く。360度の展望だが真っ先に見たのが御岳山方面だった。しかし山頂部には雲がかかっている。50分前に着いた男性によると、既に御岳山には雲がかかっていたらしい。
後を引き継ぎ、雲が切れるのを待つことにする。食事を済ませ、細君は昼寝、私は北の岩場に移動して山座同定しながら1時間半も待ったが好転せず、諦めて下山することにする。


雲がかかってしまった御嶽山。高速料金割引で千葉・埼玉・群馬・神奈川・札幌と登山者は全国から。

雲がかかる中央アルプス。

 二ノ谷コースまで戻り、三ノ谷コースを下ると山斜面の道になる。中間地点で尾根道になるが、直ぐに山斜面をジグザグに下る。樹林の形態は変化するが、歩きやすい単調な下山道にうんざりする。
 祠が見えてやっと下り道から開放され造林小屋のある三ノ谷コース登山口に下りて来る。
東本谷に沿って林道を下る。途中にあった加子母名水『秀宝泉』で顔を洗い、泥だらけの靴を洗ってからキャンプ場へ戻る。


鶏岩

単調な下り。

造林小屋。

三ノ谷コース登山口。

加子母名水『秀宝泉』

ゲート

 二ノ谷コース、三ノ谷コースとも迷うような箇所はないが、二ノ谷コースは素晴らしい渓谷、そして変化と適度の緊張のある尾根道が楽しかった。
しかし三ノ谷コースは期待外れの登山道だった。

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