平成21年5月10日 東赤石山1706m ・西赤石山1626m

年度別

 石鎚山系東端に派生する赤石山。展望の良いアルプス的な岩稜と花が多く咲く山に魅せられて登ることにする。さて、どんな花と巡り会えるのだろうか?

 前夜10時過ぎに枚方を出発する。明石大橋経由の方が距離は短くなるようだが、所要時間では瀬戸大橋からの方が、早いようだ。
カーナビは高松自動車道の三島川之江ICで下りて、国道11号線・319号線から県道6号線を走るように指示したが(帰路に走ると走り易い道路だった)、『何処まで走っても高速料金1000円』なので、新居浜ICで下りて山道に入るが、眠気覚ましにはよいが道は狭く、カーブが多いのには、うんざりする。
3時過ぎに日浦登山口に自転車を置き、銅山川沿いの県道47号線を約5.5km走ると筏津登山口があるが、更に0、5km程緩やかに下り瀬場へ。
左の脇道にあるトイレに気をつけて走ると、橋の手前に瀬場登山口があった。
瀬場登山口前(3台可)に車を止めて、車内で身体を横にする。(往路341km 高速料金2450円;;復路326km 高速料金2600円 ガソリン代4500円40リットル)


周辺地図

5:15瀬場登山口〓6:05瀬場谷の丸太橋〓6:58最後の渡渉〓7:53権現越分岐〓58赤石山荘分岐〓8:09赤石越〓8:16〜21東赤石山〓8:56〜9:35八巻山(食事)〓9:57赤石山荘〓11:25〜30頭住頭〓12:12〜25西赤石山〓12:40〜55兜岩〓13:20西赤石山〓14:40銅山越〓15:52日浦登山口  約6kmを自転車で瀬場登山口まで(15分)。 21:50枚方着

瀬場登山口〜東赤石山】

 朝食を済ませ、瀬場登山口の登山箱に登山届を出してから瀬場谷の右岸から山道に入る。よく整備された道で迷うような箇所はなく、植林・竹林・雑木林が交じる道を登る。

(余談になるが、左にロープが張られ、倒木が置いてある地点を過ぎると、同年代の女性が追い着いて「ロープが張ってあって、道が分からなくなった」と。更に登ると男性が追い着き同じようなことを云っている。
そんな経験をしていない私には不思議に思えた。
それよりも、私たちのペースが「遅すぎるのでは?」の方が気になったが、先月の矢筈ヶ山での肉離れの恐怖が残っているので、水分をこまめに取り、無理をしないで登ると決めていたが、決意が揺らぐ。
 話は戻るが、両人は筏津登山口から登って来たようだ。ロープの箇所は合流点で、瀬場登山口を利用するハイカーが入り込まないように張ったロープでは?そうだとすれば、筏津への下山予定者が瀬場に降りてしまうことになり、迷惑なことだ。山頂で再会した男性に聞くと筏津からだと云っていた。)

 岩場の登りで高度を上げるとV字に切り込んだ谷から滝音がする。眼下を覗き込むと樹間から八間滝が見えるが全容は分からないのが残念だ。
やがて、ヤマシャクヤクが群生する箇所を見て、瀬場谷に下りてくる。丸太橋を渡ると赤石山荘分岐があった。
右の赤石山を選び植林内を登ると、支谷沿いの道になり、滝を上から見ながら歩く。
 暑くなりそうなので渡渉する時に多め目に水を補給する。30分後には最後の渡渉があり、ここまで重たいリュックを背負わせられたことになるが、初めての山では安心感の方が大事だと自分に言い聞かせるしかない。
窪地にガレ石を敷き詰めたような明るい潅木の急坂を登るようになる。陽が当たり暑くなるが、奇麗に咲くミツバツツジに慰められながら登る。お目当てのアケボノツツジは終わりかけていたが、高地では咲いていそうで、これも励みに登る。
山斜面の急なガレ道で長く感じたが、途中でアンパン休憩。私はミニアンパンを1つだけ食べて、先に出発するが直ぐに追い抜かれてしまう。
 低木の桧や五葉松が現れるようになると、権現越分岐があり、直進して5分ほどで赤石山荘分岐があった。ここは直登して東赤石山へ。ここまで登ってくるとアケボノツツジが奇麗に咲いている。
頭上では、八巻山からの岩稜を歩く15人ほどのパーティーが見える。先に山頂に着きたいが、無理をしないで、マイペースで登ることにする。

 赤石越を過ぎた地点でパーティーに追い着き、道を譲ってもらい山頂まで急ぎ足。
 待望の二百名山でもある東赤石山頂上に立つ。狭い山頂で急いで記念写真と展望写真を撮るが、周りの山名は分からず。分かるのは八巻山と眼下の瀬戸内海と新居浜市街地だけ。登って来た赤石山荘泊まりのパーティーに石鎚山と西赤石山を教えてもらう。
登山口から山頂まで約3時間で登って来た。食事時間を入れても13時までには西赤石山に着きそうなので、計画通り縦走することにする。細君のイライラは、ここで解消する。


瀬場登山口 ここより県47号線から6号線に

コンロンソウ

岩場を登ると再び瀬尾谷が眼下に。

八間滝

タチツボスミレ(白)

ヤマシャクヤク

橋を渡ると赤岩山荘分岐があった。

最後の水場を過ぎるとガレ石の道に。

ミツバツツジが咲くガレ石の道。

ミツバツツジ

アケボノツツジ

権現越分岐

赤石山荘分岐

赤石越あった標示。

東赤石山頂上はもう少しだ。

東赤石山頂上にて。

東赤石山頂上にて。瀬戸内海と新居浜方面

東赤石山頂上にて。

東赤石山頂上にて。高知県との県境尾根

東赤石山頂上にて。

【東赤石山下山〜西赤石山】

 赤石越まで戻り直進して八巻山を目指すと岩稜になる。数少ない赤ペンキの目印、踏まれてツルツルになった岩を見つけて登ると『八巻大権現』と刻まれた石柱とステンレスの祠がある八巻山頂上に立ち、360度の展望をゆっくりと楽しむ。
直進すると眼下に赤石山荘が見えた。山荘付近で食事する予定でいたが、展望の良い八巻山の岩棚で食事にする。

 このまま岩稜を縦走したいが、赤石山荘の周りには山野草があるかも・・。
迷ったが赤石山荘へ、赤褐色の岩は意外と滑らないので助かるが慎重に下る。
残念ながら赤石山荘の周りには山野草は咲いていなかった。山荘の左より西赤岩山へ向うが、ガレ場に出た所で、岩稜を歩く登山者が見えた。時間のロスだが、登り易そうなガレ場なので再び岩稜まで登り、縦走することにする。

 八巻山の次の岩峰からのスタートになる。ここで単独の男性に山座同定してもらう(一部間違っていたが参考になった)。
望んだ岩稜歩きだが、緊張の連続で少々疲れてくる。やっと樹林内に入ると、山荘・西赤石山の分岐があり、右折して下って行くと、岩稜から見えていた三角錐の美しい山容の山が前方に立ちはだかり、左の奥には西赤石山の全容が初めて見えた。
三角錐の山が物住頭(もろずみのかしら)と思っていたので、登るものだと思っていたが、登らずに山腹の岩道を巻いて通りぬける(後に分かったのだが、前赤石だった)と、前方に本物の物住頭が見える。山名に相応しい山容をしている。

 物住頭には意外と楽に登ることが出来た。地元の登山者が1人いたので、山座同定をしてもらう。その時、兜岩からのアケボノツツジが奇麗だと云っていたが、この時点では寄り道する気持ちは全くなかった。ここから見える山斜面のアケボノツツジも奇麗だ。
 物住頭から西赤石山へ。下山にかかると、登り返しが眼下に見えてショックを受ける。暑くなってきたので辛いだろうが仕方がない。凍らせて持って来たビールを西赤石山で飲むのを楽しみに登る。

 西赤石山直下の登りになる。アケボノツツジ見学の登山者が道端で寛いでいる中を登り、西赤石山頂上に着く。
山頂は足の踏み場もないほどの人だった。記念撮影も出来ないほどで、割り込んで三角点と山名板だけ撮影する。
山頂を避けて、道端でよく冷えたビール(350ml)を2人で飲むが直ぐに終わってしまう。寛いでいると、高知県からの女性に兜岩を推薦される。奇麗な女性から云われると、その気になって行くことにする。

 山頂の人込みを掻き分けて急坂を北へ下るが、帰りのことを考えると・・。しかし道は容赦なしに下って行く。
やっと大岩の積み重ねられた兜岩に着くが、ここも人が多い。
振り返れば西赤石山斜面をピンクに染めるアケボノツツジがあった。誰もいなくなった兜岩の最上部で甘夏ミカンを食べながら楽しむ。
渋滞していた急斜面で立ち止まること数回あって、西赤石山頂上に戻ってくる。頂上は相変わらず人が凄い。


東赤石山から下山、八巻山へ。

東赤石山望む。

自然石の花模様。

八巻山頂上

赤石山荘へ一旦下ったが、、再び前方の岩峰に登った。

眼下に赤石山荘

八巻山の岩棚で食事。眼下に瀬戸内海。

赤石山荘
素泊まり3000円


山荘前より。 鉛ェ巻山

岩稜を歩く方が楽しいので、ここから岩稜へ。

八巻山へ登るパーティーがルートを捜している。

物住頭だと勘違いしていた前赤石。厳しそうな岩壁が見えているがルートは何処に。
左奥;西赤石山

ここからの前赤石は優しく感じる。そして西赤石山への稜線も優しく感じたが。

アケボノツツジ

ショウジョウバカマ

前赤石の岩壁を横切る。浮き石がないので、安心して歩けた。初めて見えた物住頭と山容の美しい西赤石山と右に兜岩も。

地元の登山者だけだった物住頭。

物住頭にて。教えてもらった山名。

物住頭からの西赤石山

物住頭を下ると意外と凸凹していた。暑そうな稜線歩きになりそうだ。

キジムシロ

センボンヤリ

凄い人人人人・・。記念撮影は諦め、証拠写真を撮る。

西赤石山にて。笹ヶ峰・石鎚山方面

西赤石山より。歩いて来た稜線。「すいません。しゃがんでもらえますか」「カシャ!」「ありがとう。」

兜岩に逃げてきたが。ここも人人・。

兜岩からみる西赤石山とアケボノツツジ

兜岩の最上部で寛ぐ。

兜岩より西赤石山のアケボノツツジ。

【西赤石山下山〜日浦登山口〜瀬場登山口】

 直ぐに西赤石山から下山。しかし全く動かずで5分ほど順番を待って、やっと下ることができるようになるが、暫くは渋滞した登山道だった。
見晴らしの良い尾根道にアケボノツツジが咲く。この展望の良さは旧別子銅山(283年続いたが昭和48年廃鉱)による煙害(亜硫酸ガス)によるのだろうか?
足元には南限と云われるツガザクラが自生するようになるが花は未だ咲いていない。

 本来のペースで歩けずに長い道程に感じて鞍部の銅山越に着く。石が積まれた塀の中にはお地蔵さんがあるが、人込みで見学する気にはなれず。
道標に従い左折して寛政谷へ下るとミツバツツジが咲くようになるが、気の毒だが、アケボノツツジの方が・・・。
整備された石畳の道を下ると、左横に歓喜抗広場があった。ここの湧水で喉を潤すと冷たくて美味しかった。
緑が蘇った寛政谷道の橋を何度か渡ると、あづま屋とダイヤモンド水(地質調査のため掘ったが水脈にあたり工事を中止。先端の工業用ダイヤモンドの掘削機が地下に残った。)がある広場に下りてくる。ここでも多数が休憩しており、勢いよく湧き出す水をペットボトルに入れて先を急ぐ。
横手にレンガ塀や劇場跡・小学校跡・観測所跡の石垣を見て下る。
やがて道路が見えてきて路肩には車が数珠つなぎに駐車しているのが見えてくる。

 日浦登山口に細君とリュックを残して、自転車で瀬場登山口へ。道は下り坂が多くて、ペダルを漕ぐ箇所は少なく楽だった。心地よい風を受けたお陰で濡れていた服も瀬場に着く頃には乾いていた。


西赤石山から下山。しかし5分ほど動かず。やっと動いた。

ヒカゲツツジ

イシヅチザクラ

シコクハタザオ

東山付近からの西赤石山と兜岩

西山望む。針葉樹の植樹が進められていると云っていた。

銅山越の道標。日浦登山口へ。

湧水があった歓喜抗広場

緑が蘇った寛政谷道。

ダイヤモンド水。硬水かと思っていた。

尋常小学校跡の石垣。

無事に日浦登山口に下りてくる。

無事に瀬場登山口に着く。計5台の自転車を見た。

 今回は、初めての山、その上、歩行距離が長くて出発前から緊張したが、何事もなく無事に下山できてよかった。
 西赤石山では人の多さにはビックリしたが、アケボノツツジが咲いている証拠でもあった。ピークのアケボノツツジを観られて感謝の一日だった。

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