平成21年4月5日 鈴鹿・鍋尻山838m

年度別

 霊仙山の近江展望台への途中から見る鍋尻山は、鍋を伏せたような山容で登りたい気持ちはあったが、宮前からだと道が分かり難い個所があるらしい。しかし保月からだと、登行時間が短い。
コース選択に悩み今日に至ったが、昨年の晩秋から続いている鈴鹿通い、どうしても登りたい衝動が強くなる。

 昨日の夜まで降っていた雨で道路が濡れる国道307号を走り、多賀町の久徳で河内風穴方面へ。『河内風穴まで1km』の標示を見てから、駐車場所を捜しながら走ると、道が狭くなる手前に寺があり、川沿いには空き地があったので、ここに駐車する(宮前集落の私営駐車料金は2時間400円とあった)

周辺地図

7:07駐車場所〓13河内(かわち)風穴(宮前)〓8:47(だけ)の峠〓9:17〜25鍋尻山〓9:29〜55展望良い草原〓10:28〜42保月集落〓11:22〜12:20展望良い草原〓12:23〜30鍋尻山〓13:00岳の峠〓51(あけん)原分岐〓14:08安原〓14:25駐車場所

 風穴入口の橋を渡り直ぐに左折、川沿いを歩いて最後の民家を過ぎ、裏手に出ると猿と鉢合わせして驚く。
ここから、エチガ谷と権現谷に分ける尾根に取り付く登山口だが、踏み跡も目印のテープもなく、疑いたくなる登山口だ。
石が積まれて段々になっている植林内を登る。最後の石積みまで来ると、尾根も明確に分かるようになり、急な登りとなる。
やがて、自然林になると岩が露出するようになり、宮前の集落が真下に見える。身体で感じていたよりも急坂を登っていたようだ。
一旦、緩やかな尾根になると安原道と合流する。ここからは、しっかりした道になり、エチガ谷上流方向には鍋尻山を見上げ、足元の岩間にミスミソウを観ながら狭い尾根を快適に登る。
 快適な尾根道も続かなかった。植林内になると尾根は広がり道がなくなる。多くあった黄色のプラスチック杭と偶にあるテープを見つけて緩やかな坂を東南東方向へ。
しかし、少し傾斜を増した場所に来ると、滑り易い粘土状の斜面になり、ルート選んで登るのだが、何処を登っても滑って当然状態になり、「ズルズル」と2mほど。リュック・シャツ・ズボン・カメラまで汚してしまう。
やっと植林から脱出すると、自然林との境目に道らしき窪地がピーク969を巻くように南に延びていた。下山時のために地形を確認しようとすると、足元に鹿の白骨体があったので、これを目印にする。
歩きやすかった窪地の道だったが、消えてしまう。踏み跡と目印のテープを捜すが見つからず。滑らない斜面だったら稜線まで直登するのだが・・。植林との境目の斜面を歩くと、斜面の土は足と共に流れ落ちる。これでは踏み跡も残らないか。
テープを見つける。頭上には『岳の峠』と思われる鞍部が見える。鞍部を目指して登るが、今度は粘土質の山腹でよく滑る。途中から道はないがテープを捜して登る方が、滑り落ちることが少ないと学習する。それでもズボンを汚すことになってしまうが。


駐車場所 向かいにお寺

風穴入口の橋を渡り直ぐに左折。

上部の石垣。奥の尾根に取り付く。

急坂の尾根道

自然林になると眼下に宮前の民家が見えた。

エチガ谷の上流に見えた鍋尻山。

ミスミソウが咲く尾根

杉林の広い尾根へ。

踏み跡もないよく滑る斜面。

目印にして登った黄色の杭

自然林との境目の窪地を歩く。

苔とネコノメソウ
ここから見上げた峠
目指すぞ!岳の峠の鞍部。
滑りそうな斜面には見えないのだが。

 鞍部は広々した『岳の峠』だった。東方面が開けており、烏帽子岳・三国岳が望まれた。ここまで登って来て、緊張と不安からやっと開放される。
岳の峠から南へ、踏み跡がない尾根に、恐る恐る踏み入ると滑らないので安堵する。苔生す石灰岩の気持ち良い尾根だ。振り返れば霊仙山が望まれたが、山頂にはガスがかかっている。
やがて、落ち葉を敷き詰めた広い尾根を過ぎると、再び苔生す石灰岩の尾根になる。山頂への最後の登りで、又も滑り易い粘土質に難儀しながら登る。私は滑らず、今度は細君が・・・。


岳の峠に着く。
下山時
岳の峠から東方面。 烏帽子岳   猿O国岳

岳の峠の細君と霊仙山(下山時撮影)

度汚せば、気が楽だ。(やけくそ気味) 

歩き易かった石灰岩に苔むす尾根。♪♪

♪♪雰囲気の良い緩やかな尾根になったが。

再び、滑る尾根に悪戦苦闘。

【鍋尻山界隈】

 鍋尻山頂上に着く。樹間から霊仙山望まれるが山頂にはガスがかかっている。予報では昼前に晴れるらしい。南へ下った地点にある展望の良い草原とフクジュソウの群生地を捜しながら天気の回復を待って、山頂に戻ることにする。
山頂から南に下るとしっかりした登山道だった。直ぐに展望のよい草原に着くと、東から南方面の展望が広がる。しかし大パノラマの中心にある御池岳・鈴ヶ岳の山々にはガスがかかっていた。
咲いている可能性は薄いがフクジュソウの群生地を捜すことにするが、何処にあるのか分からずにウロウロした後に諦める

鍋尻山頂上からの霊仙山       下山時撮影         ソノド 前;コザト

【保月まで往復

 食事をして引き返すには、時間が早すぎる。昼前には戻って来られるので、保月の集落まで下ることにする。
しかし、決めたのは良いが下山道が分からずに、又もウロウロする。
やっと見つけたのが、展望の良い草原を東に少し移動した所に道(持参の赤テープを巻いておく)があった。
ここも滑りそうな道だ。手製の滑り止めを装着して草原の急坂を下るが・・。これで何回目?
「おぉ!こんな所にあった」。諦めていたフクジュソウの群生地だ。しかし花は閉じ、種子になっているのが多い。
草地から植林内に入ると、殆どの杉が鹿によって樹皮が食べられており痛々しい。立ち枯れしている樹もある。
 宮前からの道とは、雲泥の差で迷うことなく神社横手の廃村とは思えない家屋が建つ保月集落に下りてくる。
駐車場になっている町立脇ヶ畑小学校跡には、十数台の車が駐車していたが、山で会ったのは石川県小松市の夫婦とブナの幼木を植えていた2人の男性だけだったが。
集落に咲くフクジュソウを観て、照西寺辺りまで散策してから、鍋尻山へ登り返す。
時々、陽が差すようになった。期待していた山腹のフクジュソウだが開いていなかった。もう開く元気がなくなったのか?


やっと見つけた保月への下山道。中央;地蔵山

フクジュソウ群生地

保月の登山口に下りてくる。

神社

土手に咲いていたフクジュソウ。

お寺

【鍋尻山界隈〜安原】

 草原まで戻ってくる。御池岳方面には相変わらずガスがかかるが、周囲の山々は朝よりも良く見えるようになっていた。ここで、展望を楽しみながら食事をしていると御池岳のガスはなくなっていた。
保月からのハイカーが増えてくる。私たちも鍋尻山頂上へ。
賑やかになっていた山頂だった。樹間からは霊仙山・ソノドがくっきりと見えて目的を達成する。ハイカーと山談義をしてから往路を下る。
 上から見ると目印が見つけやすい。数箇所に赤テープを巻いて下る。岩尾根まで下り、ミスミソウを再度撮影して、少し平坦になった地点にくる。先に下りていた細君を追うように下ると、安原道に入っていた。
安原に下りても、時間のロスは少ないと思われるので、そのまま下る。
山斜面に付けられた道は、迷う箇所もなく、眼下に鉄の橋と集落が見えてくると安原は直ぐだった。


展望のよい草原に戻り食事。 中央奥;高室山

食事も終え、展望も楽しんだ。下山することに。

安原に下りてくる。ここが登山口だが標示なし。

右の民家の奥に登山口があった。

各自でドロドロの衣服を洗う。

 安原をスタート地点にした方が良いように思える。駐車スペースがないので、私が駐車した場所が良いと思われる。

安原集落で鉄の橋を渡り左折、空民家の前を過ぎると杉林内で、右にある石垣の崩れた箇所から山に入ると道はしっかりしていた。

スズシロソウ

ミヤマキケマン

ミヤマハコベ

イチリンソウ

タチツボスミレ

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