平成20年10月12日 A別山 2399m 南竜道からチブリ尾根を下山

年度別

 紅葉シーズンの到来だ。今シーズン、最も登りたかった別山だが先週は雨で延期になり、今年は駄目かと思っていたが、久しぶりの快晴になりそうだ。
 前回は、上小池から三ノ峰を経てのコースだったが、ガスの別山だった。今回は、市ノ瀬から未踏のコースなので、色々と不安が出てくる。始発のバスに乗れるだろうか?ガイドブックでは一泊コースで紹介されており体力がもつだろうか?と。それよりも紅葉と展望を観たい衝動のほうが強い。
 前夜に枚方を出発、夜中の1時過ぎに市ノ瀬(標高830m)に着く。仮眠するが、次から次へと入ってくる車と不安とで眠れない。
3時過ぎにトイレに行き、ビジターセンター前のバス停に寄ると交通整理のために、寒そうに立っていたガードマンが「始発のバスは5時ですよ。今日は3台の始発バスがあるので、充分乗れます。」と。頭上には冬の星座であるオリオン座が輝いていた。
4時に細君を起こして準備、4時45分にバス停に行き、20人ほどの列に並ぶと、直ぐにバスが来る(運賃1人400円)。定刻より8分早く出発する。



周辺地図
5:12別当出合(1260m)〓5:50中飯場〓6:55〜7:05甚之助避難小屋〓15室堂分岐〓7:43南竜ヶ馬場(南竜山荘前)〓8:45〜50油坂の頭〓10:05御舎利山分岐〓10:15〜11:05別山〓11:12御舎利山〓12:25〜40チブリ尾根避難小屋(1900m)〓15:00林道出合〓15:25市ノ瀬駐車場
 
GPSの歩行距離 18.55km

 別当出合に着いたら直ぐに出発する予定だったが、暗くて登山口の鳥居も見えない。ヘッドライトを準備してから出発する。霜が降りた吊橋を渡り、砂防新道を歩くとライトの光に照らされる樹林は紅葉しているが撮影しても写らない。気温は2℃だが、無風なので寒さを感じず快適に登るが、追い抜かれる一方だ。
 空が明るくなりかけた中飯場でトイレ休憩する。南には雲海に浮かぶ赤兎山・大長山が望めた。
やっと不動滝がブレないで撮れる明るさになってきた。振り返れば赤兎山・大長山・経ヶ岳が朝日を受けて赤く染まっている。


別当出合着

登山口の鳥居

吊橋

不動滝

観光新道方面の紅葉。

センジュガンピ

朝日で赤く染まる赤兎山・経ヶ岳・大長山。

ゴゼンタチバナ(実)

ヤマハハコ

甚之助避難小屋でリュックを下ろし、別山を見ながら残っていた赤飯おにぎり(自家製)を食べる。
避難小屋から10分ほど登ると室堂分岐に着く。砂防新道と分かれ右の南竜道に入ると登りの辛さから開放される。見晴らしの良い山斜面の道で、これから登る油坂から別山への稜線、眼下には別当出合が見える。
小さなコブを左に曲がると南竜山荘の赤い屋根が見え、南竜ヶ原馬場の全景を眺めながら下って行く。
エコーライン分岐を過ぎ、万才谷に架かる橋を渡ると南竜ヶ馬場に入る。
 南竜山荘前を通り、薄く張った氷や霜柱がある湿地帯の木道を歩くと少し肌寒く感じる。キツイ登りだと云われる油坂までは、身体は冷え気味の方がいいだろう。
 前方に油坂を登るハイカーが小さく見えると、赤谷へと下っていく。水の補給場所に予定していたが、今日の気温だと、持参の麦茶で充分だ。


甚之助避難小屋

甚之助避難小屋から展望を楽しむ。

甚之助避難小屋より

室堂分岐より。

南竜道より。赤兎山方面。眼下に別当出合。炎マ光新道。

南竜山荘・ビジターセンターが見えてくる。

霜柱

南竜ヶ馬場と油坂の頭から御舎利山への稜線。

万才谷

ここからの油坂は楽に見えたが・・。

南竜山荘とビジターセンター

南竜山荘

湿地

塩坂の頭

赤谷;水を補給していた登山者

 赤谷を渡ると油坂の登りになる。辛い登りだが、登る毎に風景が変わって、白山御前峰や白山釈迦岳が見えだす。中間辺りで県境尾根の鞍部より乗鞍岳が見え始め、更に北アルプスと御嶽山が。
40分足らずの急な坂を登ると油坂の頭に着き、展望を楽しみながら一息入れる。
 正面に御舎利山(別山は奥で見えず)を眺めながら、快適な空中散歩を楽しむ。花の季節に訪れていたなら花園も加わるのだが、紅葉とは相反する。
天池を経て、大屏風と呼ばれるヤセ尾根を越すと別山が姿を現した。御舎利山を巻いて、御舎利山分岐を左へ。
岩屋を過ぎ、ハイマツが自生する稜線を登ると山頂だ。


油坂

油坂

室堂

油坂の中間付近から見えた北アルプス。

油坂の頭より。

油坂の頭より

油坂の頭より

隠れてしまった別山

天池

別山谷(岐阜県側)の紅葉

大屏風かな?


中央;三方崩山

白山釈迦岳

御舎利山

見えた別山。左奥

御舎利山分岐

御舎利山分岐付近より白山望む。

ハイマツ(実)

別山頂上へ。

別山神社の祠

360度の別山頂上からの眺めは最高だった。白山をバックに記念撮影してから石徹(いと)(しろ)道(南縦走路)の稜線を見る。3回に分けて登って、今回で白山までつながったことになる。
食事準備を細君に任せて、山頂をウロウロしながら山座同定後、おでんに餅を入れた食事をする。
15℃前後の山頂は気持ち良く、ゆっくりしたいが、市ノ瀬まで9,4kmの道標をみると、下りが苦手なので、ゆっくりもできない。


何故か目立つスタイルになってしまいます。出会ったら声を掛けてください。

槍ヶ岳・穂高岳方面

乗鞍岳

御嶽山

恵那山


 三ノ峰と別山平
見えた三ノ峰避難小屋(アップ)

【下山】

 御舎利山分岐を直進して、なだらかな道を歩き御舎利山に登る。
ここからチブリ尾根避難小屋の赤い屋根が見えるチブリ尾根(別山・市ノ瀬道)を下ると、ガレ石のジグザグ道になり、白山を望みながら下る。
やがて、紅葉した樹林内の道になると、小高い尾根筋に建つチブリ尾根避難小屋1900m)に着く。
紅葉した山肌の別山を望みながら長めの休憩をとる。
避難小屋から少し下るとササ原になり、南の別山谷の紅葉が望まれる。北に向きを変えると、紅葉した樹林帯が見えてきて、ダケカンバが自生する原生林に入る。
やがて、1700m辺りから見事なブナの原生林の尾根道が続く。黄葉していたブナ林も高度を下ると、だんだんと青葉になる。これほど広い範囲にブナが自生しているのを観るのは初めてだ。
 高度1400mを切った付近で尾根道から外れて北へ下るようになり、水場を過ぎて、細谷川の水音が聞こえるようになると西へ下る。この頃になると、足に疲労を感じるが、林道出合は未だ先のようだ。
ブナ林に混じってミズナラ・トチノキ・カツラ等の大木が谷間に現れるようになる。
山道に飽き飽きして早く林道に出てほしいが、合流しない。


広い台地状の御舎利山。

御舎利山からの別山。

御舎利山からチブリ尾根を下る。

コケモモ【実】

クロマメノキ(実) 甘酸っぱい!

シラタマノキ(実)

チブリ尾根より白山と大屏風

赤谷の紅葉

チブリ尾根避難小屋

チブリ尾根避難小屋から

チブリ尾根避難小屋から

あの森の中を歩くのかな?

オヤマリンドウ

ミヤマアキノキリンソウ

もう一枚

ツルリンドウ(実)

オオアキギリ

ブナ

トチノキ

カツラ

ミズナラ?

トチノキ

 やっと猿壁堰堤がある林道出合にでる。ここからは歩き易い林道を歩けると思ったら、『工事車両が走るので山道を歩いてください』とある。
指図に従い山道を歩くが凸凹道にはうんざり。その上、遠回りに思える。「日曜日に工事車両は走らないだろう」と途中から林道を歩くことにする。クサリのゲートを過ぎると直ぐに別当出合への車道を横断すると、市ノ瀬駐車場だった。


猿壁登山口の堰堤。

無事、市ノ瀬に帰る。

ヤマハッカ

○○アザミ

ミヤマダイモンジソウ

 長いコースだった。夏の花シーズンも良さそうだが、自信がない。

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