平成20年9月14日 勝負塚山 1246m(標高差約850m)

年度

 大峰の前衛峰、展望は良くないが山名に引かれて何時かは登りたいと思っていたら、展望を度外視できる空模様なので、登ることにする。
 国道169号を走り上多古で上多古谷の右岸の林道に入る。途中の上谷分岐で右へ行くと、1kmほどで赤い橋が見え、伊坪谷出合に着く。
ここには『熊出没』『マムシ注意』『駐車禁止』『立入禁止』の立て看板があり、『勝負塚山』の標示はない。どうも歓迎されていないようで、以前に登った大所山(百合ヶ岳)を思い出す。
 ここでの駐車を避けてUターンして100m程戻った所に駐車する。枚方から90km

駐車場所
【登山口分からず】
 7:30に上多古川にかかる赤い橋を渡り、伊坪谷の右岸の山道を10分ほど歩くと簡易水道貯水槽と堰堤があった。持参の古いガイド本では貯水槽の奥から左岸に渡り、直ぐに右岸に戻って、山斜面を登るとあった(実際は堰堤を越すと直ぐに登山口があったのだが)。左岸に渡る金属橋があったので渡り、右岸の登山口を探していて、滑り易い岩で片足を川に『チャポン』して靴の中まで水が入ってしまう。
更に遡上すると伊坪谷は狭くなって、取り水口に登ってしまいそうだ。大切な飲み水を濁らしてはいけないので引き返し、ウロウロすること約40分。諦めて別の山に登ることにして引き返す。
堰堤まで来ると、テープと消えかけた道標があり登山口があった。川水と汗で、登る前から、ずぶ濡れになり相当疲れてしまった。

伊坪谷出合の赤い橋

周辺地図
8:13登山口〓8:49〜55掛け小屋跡〓9:30〜35五合目(840m)〓9:50尾根出合〓10:08七合目(1000m)〓11:00〜55勝負塚山〓13:30〜35小屋跡〓14:12登山口〓14:25伊坪谷出合

貯水槽と堰堤。この上に登山口。

間違って伊坪谷を遡上。

やっぱり間違っている。

ハガクレツリフネ

カリガネソウ

シギンカラマツ

テバコモミジガサ


 堰堤(水道貯水槽)上部の登山口から杉林の山斜面をジグザグに登ると、足元が崩れやすい斜面箇所があった。ズルズルと滑り落ちれば登り返しが大変な箇所を無事に通過すると平行な道になる。
小さな滝に出合うと、木製の橋は朽ちて落ちている。滝の上部にテープがあったので上からトライするが、足元が崩れやすい斜面の下りで難儀する(今回の水量だったら滝下から横切る方が良かった)。
滝を通過して暫くすると道幅が広くなり、やっと緊張がほぐれる。
伊坪谷からの水音が間近に聞こえるようになるとトタン板が点在する地点に来る。ここが掛け小屋跡のようだ。道は少し先で行き止まりのようで、登山道は折り返すように山斜面を登っている。
 踏み跡のしっかりしたジグザグ道を登り高度を上げる。辛い登りだが、しっかりした道なので精神的には楽だ。しかし又も、足元の踏ん張りの効かない、道が分からない箇所に来る。テープやヒモを捜して登り、やっと通過すると五合目(840m)の標示があった。予想では七合目辺りと思っていたので、大ショックを受ける。気を取り直して小休止後、植林内のジグザグ道を登る。


ズルズルと滑る斜面。

小滝を横切る。

マルミノヤマゴボウ

掛け小屋にて(下山時撮影)

まだ五合目

伊坪谷を挟み見えた岩肌。天狗岩か?

 やっと尾根に出る。少しは楽な道になるかと思っていたが、相変わらず辛い登りが続く。
左は自然林、右は杉林の尾根道だ。倒木を跨ぎ、ノバラ・アセビ・シャクナゲなどが密集して道を塞ぐ箇所には、杉林内に巻き道があった。
開けた地点から前方に勝負塚山が見えてくると、七合目(1000m)の標示があった。近く感じるが、標高差が240mほどある。
無風と曇り空で、衣服は濡れ雑巾状態で、タオルは何度も絞る。挫折したい衝動を抑えて、山頂での冷たいビールを楽しみに、大岩を右から巻き、ひたすら足を動かしてシャクナゲやアセビのブッシュを登ぼり、やっと勝負塚山に着く。


尾根出合

自然林  宴Xギ林の尾根道

大岩を右から巻いて。

七合目からの勝負塚山を望む。

キッコウハグマ(葉



テイショウソウ

 【勝負塚山】

三等三角点の狭い勝負塚山頂上には誰もいない。展望は南方面の山上ヶ岳が見える程度で宿坊が見えている。
やっと落ち着いた気分になり、蚊取線香の煙を4箇所から出して冷たいビールを飲み食事する。


山頂三角点の勝負塚山。

女人禁制の山上ヶ岳と宿坊

猿R上ヶ岳
 下山、往路の記憶を忠実に下ればよいのだが、数回迷う個所があった。おかしいと思えばテープやヒモを捜せば見つかるので、確認しながら、無事に貯水槽に下りて来て安堵する。

 林道の伊坪谷出合から山頂までの直線距離は1,5kmほどだと思えるが、標高差は850mほどある。その為に険しい坂が続き、橋は朽ちており、ズルズルと滑る斜面もあって予想以上にキツイ山だった。

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