平成20年5月4日 加賀市 富士(ふじ)(しゃ)ヶ岳 942m

年度別

【前日に事件】

 加賀市から見える山容の美しさに惹かれて以前から登りたかった。そして昨年4月29日、富士写ヶ岳へ。しかし30分ほど登ったところで、携帯電話が鳴り帰宅。今年こそ登れると喜んでいたら、前日にギックリ腰になり、歩くと痛くて、かがむこともできない。40才代まで、よく悩まされていた腰痛が、久しぶりにお出ましだ。
夕食後、横になってテレビを見ながら、我流のやり方で背骨を伸ばす運動を一時間ほどすると歩けるようになった。試しに30分ほど散歩に行くと鈍痛がある。まだ背骨がずれているようだ。
一か八かで、高さ30センチほどの石段を飛び上がったり、飛び降りたりを繰り返していると痛みがなくなる。
「荒療法が腰痛にはいいかも?」と思いシャクナゲを観に行くことにする。
 一応、準備していた食料と飲料水をリュックに入れて、22時過ぎに寝床にはいる。1時頃から意識して背筋を伸ばしながら考え事をしていると眠れなくなる。「考えても仕方がない。現地に着いてから判断しよう。」2時50分に枚方を出発する。
 運転席の背もたれをいっぱいに立てて、窮屈な状態で運転する。休憩なしで到着後、恐る恐る下車すると、筋肉の硬直だけで腰痛はない。これなら登れそうだ。


周辺地図

【マイカーアプローチ】

 福井北ICまで走るつもりだったが、5時過ぎに到着しそうなので、鯖江IC〓国道8号線〓国道364号線に入る。石川県境の大内峠を越えて我谷ダムの堰堤で右折するとスタート地点の我谷登山口の赤い吊橋が見えてくる。更にダム湖半を走り下山口の枯淵登山口近くに自転車を置く。 枚方から235km

6:07我谷(わがたに)登山口〓7:18小リス平(くぼ地)〓8:45〜10:10:00富士写ヶ岳〓10:15前山〓12:00枯淵(かれぶち)登山口


 我谷登山口の赤い吊橋付近に駐車する。既に2台の車が駐車していたが、所有者はいなかった。
腰の負担を和らげるためにダブルストック(登山中、不意に滑ったり、けつまずいたりすると腰に激痛があったが、暫くすると痛みは治まり登ることができた。)で歩くことにする。
ダム池に朝靄がかかる吊橋を渡り、右へ50mほど歩くと道標があり、尾根に取り付く。新緑が美しい自然林のキツイ登りには、ヤブツバキとミツバツツジ(ネットで調べるとユキグニミツバツツジのようだ。花と同時に大きめの葉もある。)が咲き、下草にはチゴユリが咲く。
 途中で、単独の男性に追い抜かれて送電下に来ると左前方には前山、振り返ると眼下にダム池が見えてくる。そして鉄塔下を過ぎる。
細い山道になると思っていたが、相変わらず広い道で道端にはミツバツツジが咲いている。手製の標示板に『小リス平』と記された、小さなくぼ地に出てくると、チゴユリが群生していた。そして、風に揺られて満開のウワミズザクラの白い花が舞う。落ち着いた雰囲気なので小休止する。
 小リス平を過ぎると、密度の高い美しいブナ林に立ち止まる事が多くなる。
明るいヤセ尾根に出ると緩やかな道になり、前山が近くに見える。そして、ここには赤・白・ピンク系や縁入りのシャクナゲなどが多彩に咲いており、シャッターを押すが思うように撮れない。
 再び、ブナ林となって、急坂を登ると枯淵コースからの尾根道と合流し、右折すると山頂は直ぐだった。


我谷登山口
前山
送電線下より。


ユキザサ

ナガハシスミレ

サワハコベ

ナベワリ

チゴユリ

ヒメスミレ

オオカメノキ

ウワミズザクラ

ミツバツツジ

くぼ地の小リス平(中間地点)

ヤブツバキ

ブナ林

明るいヤセ尾根

ツクバネウツギ

ウスギヨウラク

イカリソウ

トクワカソウ

ショウジョウバカマ

タムシバ

左に前山

前方に富士写ヶ岳

再びブナ林に入ると山頂は近い。

白山をバックに。
ミネサクラ(タカネザクラ)
方位盤と一等三角点。霞む日本海


富士写ヶ岳】

 途中で抜かれた男性だけの富士写ヶ岳頂上だった。一等三角点の山頂は広かった。先ずは白山を拝む。気付けば腰痛が治まっている。「これも霊験あらたかな白山のお陰か?」と感謝。
東に白山、赤兎山方面の山々も望まれる。南には丈競山の避難小屋が見え、手前にあるのが火燈山か?遠方に見えるのは銀杏峰・部子山と思われる。西に転じれば眼下に越前・加賀の日本海が霞んで見える。
山座同定を済ませ食事にする頃には、大内方面から登山者が登ってくる。腰のことを考えると立って食事をしたいのだが・・。
広い山頂が狭く感じるほどの登山者になった。充分に展望を楽しんだので下山する。

【枯淵へ下山】

分岐まで戻り、直進して枯淵への尾根道を下ると、前山に着く。ここからも白山の展望がよかった。
枯淵への道もシャクナゲが咲き、ブナ林もある。登りよりヤセ尾根が多く、東の白山から北方面が見える個所があり楽しいコースだ。
多くの登山者とすれ違う。今日は25度を越す夏日になっているだろう。気の毒に思うがこちらも暑い。
途中で尾根から外れて左の谷へと急降下、枯れ谷を渡り、暫く左岸を下ってから、左の尾根に取り付くとスギ林の道になる。スギ林を抜けると眼下に枯淵の遊歩道が見えるが、道は逆らって上りになる。下りになると枯淵登山口は直ぐだ。
 枯淵の橋の木陰に細君を残し、自転車で我谷登山口まで戻る。約2,5kmの距離で、自転車の移動等の手間を考えると時間的には変わらないと思うが、我谷登山口まで歩いて戻る登山者を見ると、暑い日には風を切って走れるので気持ちがよい。


腰に悪いので今回は変わってもらう。

前山にて。

前山からの白山

「ご苦労さん」 下りも結構しんどい。

イワナシ

フデリンドウ

ツボスミレ

エンレイソウ

山中温泉

九谷ダム池 残雪の山は笈ヶ岳・三方岩岳方面か?
シャクナゲもそろそろ見納め

白山・大日山も見納め。

枯淵登山口

九谷ダム。
 国道364号線を戻る。途中にあった伏見清水(石川県側)をポリタンクに入れてから、山頂で教えてもらった『丸岡温泉・たけくらべ(500円)』に入浴後、帰宅する。

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