平成20年3月9日(前夜発) 雨ヶ岳 1772m 竜ヶ岳 1465m

年度別

 富士山の見える山に登りたいと、先週図書館で『静岡県と山梨県の山』を借りて下調べを済ませていた。
雪が少なく、天候に恵まれる12月か1月がベストだが、それでは来シーズンになってしまう。月日が経つと忘れてしまい、又最初からの調べ直しになるので、富士山の見える確立が高そうな本日、決行する。
 前夜10時20分に自宅を出発。一部開通した新名神を走る。設計上では三車線で140km/h走行が可能なのだが、内緒で着工された警察はへそを曲げてしまったようだ。
しかし、緩やかなカーブ、新道路のためタイヤから伝わる騒音は少なく走りやすい。只、カーナビは忙しくルートを探し続けている。
四日市から伊勢湾岸道に。100km/hしかでない大型車同士の追い抜きも三車線あるので、私の車もスムーズに追い越せる。豊田で東名高速と合流し、車間距離は一般道並の東名道を100 km/h前後で富士ICへ。

 国道139号線を北へ、道の駅『朝霧高原』を過ぎ、小学校根原分校(国道に歩道橋がある)に。小学校を過ぎた地点で左折するのだが、分からずに直ぐ先の県境まで走ってしまい、戻り捜すが分からず。諦めて県境付近の数台駐車できる休憩場所で仮眠することにする。3時20分着・390km 
 お月さんもなく暗闇に満天の星、すり鉢形をした山が。「あれ、富士山と違う?」「小さいよ。ぼた山みたい」と。云われれば「近江富士クラスの大きさだな。富士山は日本一の山だからな」。明るくなってからの楽しみにして寝袋に入って仮眠する。
 目を閉じているだけの感じであったが1時間は眠ることが出来たのだろうか。5時20分に用を足しに、未だ薄暗い外にでると、六合目辺りまで雪があるぼた山が見える(暗闇では遠近感なく数百メートル先の山に見えていた)。18年ぶりに間近に見る富士山は小さく感じる。
 氷点下3℃。冷え切ってしまうと再び寝ることが出来ないので、登山準備をする。明るくなるにつれ、富士山は大きくなってきた。すそ野からの御来光に期待したが駄目だった。


5:55 仮眠した地点。

国道139号線より毛無山(中央)と雨ヶ岳。

周辺地図
6:31駐車場ゲート(標高約1000m)〓6:44 A沢貯水池〓7:10端足(はした)峠分岐〓7:38端足峠(1265m)〓9:23〜33雨ヶ岳〓10:41端足峠〓11:35〜12:33竜ヶ岳〓13:10〜15端足峠〓14:05ゲート

ゲート手前に駐車する。

A沢貯水池・東海道自然歩道出合。

積雪がないように見えた竜ヶ岳。

車で小学校根原分校まで戻りUターンする。ガイド本では最初の角を左折とあったので曲がると、わだちと足跡がない雪道だった。戻り次の角を曲がり(歩道橋から50mほど)、約100m走るとゲートと左に鳥居があり、手前の広場に駐車する。まばらに別荘のあるスギ林内の林道を歩くが、融けた雪が凍っていて尻餅を搗いてしまう。途中で、林道は二又になっていたが、足跡は左にあった。林内を抜けると明るいA沢貯水池で東海道自然歩道と合流して初めての道標があった。
自然歩道を歩き、スギ林の山道に入る。凍結した雪があるが、石ころもあるので、アイゼンを着けずに登ると、雑木林になり谷を横切る。再びスギ林に入ると端足峠分岐があり左へ(後で分かったのだが、自然歩道は国道139号線の県境へ)。ジグザグの単調な登りが続く。


端足峠分岐。
端足峠10:40撮影
朝靄の端足峠。そして雨ヶ岳から下山時の峠

本栖湖。

最低鞍部付近より雨ヶ岳を望む。

アイゼンを着けてファイト!

右が山頂かな?

雪に埋まりながら撮った画像。八ヶ岳かな?

南アルプス

ダケカンバの木が自生するようになると
展望が良くなる。

 端足峠に着くと正面に朝霧高原と富士山を見る。また後方には本栖湖が見え、登山道が延びてきていた。
小休止後、尾根道を歩き雨ヶ岳へ。5分ほど歩くと最低鞍部へ。その鞍部手前からは雨ヶ岳への急峻が良く分かる。鞍部を過ぎた地点でアイゼンを着ける。
右手に樹木越しだが、白く輝く南アルプスの山々が見えてくるが山名は分からない。
キツイ登りが続き、一旦緩やかになって、再びキツイ登りになる。「これを登ると山頂が見えるかな。」と期待して登るが、期待を裏切られること数回あり、疲労がピークに達する。ダケカンバが自生するようになると富士山がよく見えるようになる。「今度こそは山頂に間違いない」と確信して、雪に足を獲られながら登ると広い頂きに着く。しかし更に前方には、高い峰が。「またか?」と思ったが、『雨ヶ岳』のプレートがあり安堵する。高い峰は毛無山だと分かる。

  雨ヶ岳頂上より





塩ム無山

山頂は私たちだけ。

ダケカンバと富士山
 ダケカンバの木がある雨ヶ岳頂上だ。富士山の展望は最高だが、南アルプス方面は全く見えない。リュックを下ろし、初めての水分補給とアンパンとクロンボウを食べながら富士山を観賞する。

ダケカンバの大木。

次の目的地の竜ヶ岳へ。

端足峠付近より

まっすぐに上がる木階段。

 木階段を登りきっても山頂ではなかった。モデルは先に行ってしまう。

 ここも山頂ではなかった。相変わらず良く見えている。

 根原・雨ヶ岳からも雪のない草原にみえていたのだが。

 これから登る竜ヶ岳は雪のない見晴らしの良い草原の山に見える(それが大きな間違いだった)。雪が緩む前に下山して端足峠まで戻ることにする。
途中で、夫婦の登山者とすれ違っただけで、楽に端足峠に戻ってくる。富士山を見ながら痩せ尾根を歩くと、前方に直線の木階段。これを登りきれば山頂かと思い頑張るが、一気には登りきれない。振り返れば、どっしりした雨ヶ岳・毛無山が見え、左には南アルプスも見え始め撮影を口実に小休止。階段を上りきっても山頂ではなかった。階段では雪がなかったが、再び雪道になる。ここでも「次は山頂か」と数回騙され、息を切らしながら登るが、細君には離される一方だ。
やっと山頂のハイカーが見えてくる。頑張って足を動かすのだが、気温の上昇で緩んだ雪のために、深いつぼ足の連続で思うように進まず頭にくる。

竜ヶ岳頂上にて。



手帳に絵地図を書いてもらう。
強風の中で野外勉強会。講師は地元の女性。
聞くだけでは覚えられないよ。

ありがとうございました。講師も下山されて記念撮影。

早速、復習の山座同定。


八ヶ岳

秩父山地の金峰山方面

南アルプスを見ながら煮込みうどんを食べる。

 広い竜ヶ岳頂上だった。富士山方向から強い風が吹き、汗で濡れた身体は寒く感じる。細君は地元の登山者から南アルプスの山座同定してもらっていた。記憶力の悪い私は防風対策。
 展望は早朝から見飽きている(と云うより勝手に視界に入ってくる)富士山は勿論、南アルプス・八ヶ岳まで望まれる想定外の展望に感激する。雨ヶ岳より登山者が多いのも分かる。
地元の方の話だと、富士山頂から昇る初日の出のときは大勢の登山者(辰年のときはツアー団体も加わり200人以上)で賑わったとか。
風を避けて南アルプスが見える東斜面に移動、雪を足で踏み固めた穴の中で食事する。


毛無山・雨ヶ岳を見ながら下山する。

登りより更に緩んだ雪。

 下山時は更に雪は緩み、山頂付近では多くのつぼ足を作り、途中でアイゼンを外して往路を下る。

 細君は雨ヶ岳からの下山時、私は竜ヶ岳からの下山時に、けいれんが太ももに起きる。水分の補給不足もあるが、滑る雪道での上り下りで、普段は使っていない筋肉に負担がかかったのかも。しかし、大事にならなくてよかった。


東名・富士SAにて。笠雲が出来始めたが消えてしまう。

富士川


ドリンクバーは要らないよ。その分安くして。

 道の駅『朝霧高原』で買い物をしてから、天母の湯に入浴(1時間400円コース)してゆっくり帰宅することにする。夕食は浜松SAでマムシ(うなぎ)を食べようかと思ったが、○○産かも知れない。ヤメタ!
富士SAで早めの(17時)夕食をすることにする。注文したのは駿河湾で獲れる桜エビの御前で、富士山を見ながら食べる。ここから見える夕暮れ時の富士山は、刻々と変化して、今回で一番の雄大さを感じた。
 夜中のぼた山から始まった富士山。山中では飽きるほど観て、富士川からの富士山を見納めにして名神を走る。
浜松付近で眠くなり浜松SAに入るが駐車場は満車。次の小さなSAで、30分ほど仮眠してから伊勢湾岸道路を走る。亀山まで来ると再び眠くなり信楽ICで降りる。山道を走ると気分転換(本音はケチった)になり眠気も飛んでしまい、23時過ぎに枚方に到着。 往復788km ガソリン45リットル。

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