テクテク大所山

山頂のブナ林 琵琶の滝

平成14年7月28日 大峰大所山(おおどころやま) 1346m 晴れ

 本屋で月刊誌『×××・8月号』を立ち読みする。「標高700m付近からの山行なので涼しいだろう」と思い登ることにする。図書館でもう一度確認してから準備を整える(本屋さん。買わなくてごめんなさい)。

 R169を走り下多古谷の林道に入る。下多古川から離れ高度を上げると、鳥居のある弁天岩を左に見て走ると、大きく左にカーブする地点で下多古川に再び出合う。ここには橋があり林道は延長工事中だった。橋の手前が登山口で木材集積場所に駐車する。

5:15自宅〓95km〓7:15〜32登山口〓8:25〜35岩清水23℃〓9:15〜20尼ノ()〓9:38〜10:35大所山頂上25℃〓11:00蛇原〓12:17遊歩道〓15分休憩〓12:50琵琶ノ滝28℃〓13:18登山口

 登山口が二つある。奥が琵琶ノ滝と蛇腹経由で大所山に登る道で、コンクリートの階段がある。階段の上には『遭難費用100〜200万円・自己負担』と書かれている。何か嫌な予感がする。

僕らは手前の作業小屋左から登山道に入る。始めは左に涸谷を見て植林の道を歩くが、尾根道に変わり、何時の間にか山腹道から先ほどの涸谷を渡ると更に急坂になる。西側の涸谷に辿り着き少し登ると岩清水に着く。ここで初めて休憩する。

 岩清水を過ぎると一層勾配を増したジグザグ道の幼杉帯となり朝日が当たり喘ぎながら登る。背後には三角錐の山容をした白鬚岳が望まれる。最後は直線に登るとワイヤーロープがある尼ノ上に登り着く。切り開かれた箇所からは大所山の山頂から下多古谷を挟み台高の山々が望まれる。眼下には下多古林道が見え、急坂の斜面を登って来たのが良く分かる。

尾根を左へ。右は自然林だが期待したほどではなかった。小さな鞍部から山頂への登りになるとブナの純林になる。素晴らしいブナ林に囲まれ、落ちついた雰囲気の大所山頂上だが、虫が飛び交う中での食事。樹木越には山上ヶ岳が霞んで見えている。下山道に不安があったので早めに下山準備をする。

下山は直進して南に向う。素晴らしいブナ林が暫らく続く。尾根は左にカーブする当たりから右側が植林になり、小さなピークで山上ヶ岳に伸びる稜線と分かれて左の稜線に入る。この辺りから登山道は無くなりシャクナゲが茂るヤセ尾根になる。左側は断崖に近い斜面で、岩に根を張った樹は根を剥き出しにしている。シャクナゲ林を歩いていると底が空洞なのかソファの上を歩いている感じで気味が悪い。時々ある目印の薄いピンクのヒモを見つけ、左の崖に寄らず離れずにヤセ尾根を下る。「こんなところを降りるのか」と疑問に思いルートを捜すが「ここしかない」と下ったり、登り返したり。

蛇腹に着くが表示が無く、下多古への表示と赤いテープに『女郎岩』とマジックで書かれていた。道が間違っていないのに安心するが、余りにも貧弱な表示なので、この先の道に不安を感じる。女郎岩を遠めに覗き込むが僕には単なる大岩にすぎない。

植林内に入る。これで道はしっかりするだろうと期待したが道はない。尾根道を捜し、時々あるピンクのヒモを上下・左右に移動して捜す。それでも分からなければコンパスを頼りに下る。やっと踏み後のしっかりした道に出る。コンパスを見ると南に下りているので嫌な予感がするが、道もしっかりしたので冷凍した缶詰の果物を食べようとしたとき道がなくなる。15分程ウロウロして水音がする東方向へ下ることに決めるとテープが現われる。やがて、踏み跡が分かるようになると琵琶ノ滝への道に出合う。ここは分かり辛い登山口だった。

 ピンクのヒモが無ければ迷っていたと思う。想像だがヒモは今回のコースを記載した山と渓谷の関係者が付けたと思われる。ヒモ通りの山行は至難の業に思われる。5箇所ほど擦り傷・打撲箇所をこしらえて、やっと降りられた)。

右折して琵琶ノ滝へ、途中の岩場でリュックを降ろして砂だらけになった全身を洗う。缶詰を食べて気持ちを落ちつかせてから、水とカメラを持って滝へ。幸いにも短時間で落差のある立派な琵琶ノ滝を見学することができた。さらに奥にある中ノ滝までは登る元気はなくなっていた。整備された道を下り朝の登山口に戻る。

下りのコースは熟練者以外に紹介できるコースではない。 帰り支度していると僕たちが登った所から男性が降りてくる。話を聞くと僕らが下ったコースから登り、シャクナゲが自生するところまで辿り着いたが、道が無いので引き返して往復したといっていた。彼も同じコピーされた地図を持っていて、紹介された今回のコースに憤りをもっていた。


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