テクテク修験業山

雑木林の急坂 展望の良い川上山より学能堂山 川上山頂上 バイケイソウが生える稜線
修験業山望む 栗ノ木岳山頂にて 局ヶ岳望む 大宮谷源頭部
      国見山  古光山      倶留尊山。  手前・学能堂山   大洞山    天ヶ岳   青山高原へ

平成14年4月14日 修験業山しゅげんぎょう1093m・栗ノ木岳1061m 晴れ

【地図・赤目/倶留尊】【本・大阪周辺の山250】

5:30自宅〓7:05〜15川上八幡宮駐車場〓8:00堰堤〓8:55〜9:10休憩〓15栗ノ木岳分岐〓9:25〜37川上山(修験業山と勘違い)〓10:35〜11:14栗ノ木岳〓40若宮峠〓52支尾根乗越え〓13:05川上八幡宮駐車場

 川上八幡宮駐車場から鳥居を潜り社務所に着く。白山谷に懸かる橋を渡ると本宮だが、社務所の左から川沿いの狭い道を歩く。やがて右岸に渡り堰堤工事が終わり廃道となった道を歩く。『はらいの滝』手前の橋を渡って左岸を数分歩くと修験業谷と出合うとシャクナゲの花が咲いていた。山頂のシャクナゲに期待する。

白山谷を渡り修験業谷との中間の登山道に入る。修験業谷の右岸は植林がだが、登山道の左岸は新芽を出したばかりの自然林で、急斜面に付けられた道は狭く慎重に歩く。上部から鹿の鳴き声が聞こえてくると小石が落ちてくる。

堰堤を上った所で右岸に渡り、二股なっている谷の真ん中の林に入る。やがて土石流で埋まった右の谷を見ながら植林の道をジグザグに登る。歩き始めて1時間ほどで岩混じりのヤセ尾根に変わると、木の根につかまりながらの急登になり高度をグングン上げる。途中、右にカーブして緩やかになる。「主稜線に着いたかな」と思ったが大きな間違いで急登が続く。
シャクナゲが現われ、平坦になった展望のよいヤセ尾根の岩場で休憩する。残念ながらシャクンナゲは蕾が膨らんだところだった。タムシバの白い花で我慢して間近に学能堂山・曽爾高原から大洞山・尼ヶ岳、そして右前方には修験業山、左には栗ノ木岳の展望を楽しむが、ハイカーのゴミも落ちていて楽しさも半減。

 休憩地点を過ぎると、直ぐに広くなった植林内に入り、主稜線の栗ノ木岳分岐に辿り着く。右折すると自然林になり新芽が膨らみかけた落葉樹の明るい林にはスミレ・エンゴサクが咲きトリカブト・バイケイソウ・ヤブレカサの瑞々しい葉が輝き春を感じる。石灰岩混じりの主稜線を登るとシャクナゲが現れる。石の鳥居と『川上山若宮八幡神社』と刻まれた石柱がある修験業山と勘違いした頂上に着く(帰宅して3日後、修験業山頂上と思っていた山は川上山だった。更に15分ほど稜線を西に行くと修験業山がある。あ〜ぁ)

 川上山からは南北の展望が良い。北には学能堂山・曽爾高原から大洞山・尼ヶ岳・青山高原等が。南には迷岳・池小屋山・桧塚・国見山などの台高山脈が望まれた。樹木越しに西には黒岩山(修験業山だった)、東に栗ノ木岳が望まれる。来週にはシャクナゲの花が咲き綺麗だろうと想像する。

 往路を引き返し、稜線を栗ノ木岳へ向かう。所々にあるヤセ尾根を歩き、コブを3つ越す。気持ちのよい稜線で花を捜しながら歩く。お目当てのカタクリが見当たらなかったが、栗ノ木岳への登りになる辺りから群生するようになる。しゃがみ込んでの観察、撮影なので結構しんどい。気が付くとブナの木が多い斜面を登っていた。シャクナゲが現れると栗ノ木岳頂上に辿り着く(本によると『ササ漕ぎがある』とあったがササはなかった)。

栗ノ木岳頂上からは北方が開けている。樹木越しに修験業山の奥に三峰山が望まれた。ビールで乾杯して食事にする。
下山は若宮峠へ下る。ヤセ尾根の岩混じりの急斜面で、お尻を付けるようにして下るので、杖が邪魔になり下に放り投げて降りる。前方には局ヶ岳の美しい山容が目に入る。やがてガレ石の多い広めの稜線になるが、ズルズル滑るので慎重に下る。僕らの脚力では下りの方が時間を費やす登山道だった。ここにはカタクリは全くなかった。

 鞍部の若宮峠に着く。峠は四差路になっていて左の大宮谷へ。カタクリが咲く狭い山腹道を下る(カタクリが咲く所にはバイケイソウは自生していない?)。下る程に落葉高木樹の新芽が美しい。差し込んだ陽は薄い緑色に森を染める。
支尾根に出合う。10mほど先に賑やかにテープが付けられた所から乗り越し、左に曲がり大宮谷へ入る。支尾根にも境界杭が埋められた道がある(三重県の山で記載されていた登山道と思われる)。支尾根から10分ほどで大宮谷源頭部に出てくる。谷沿いに左岸道を下る。だんだんと緑を増し小さな滝を右に見て素晴らしい渓谷となるが、ガレ石と浮き石が多く歩き辛い。左から谷を二つ合流する辺りから渓谷は白い岩に変わり、更に大宮谷は美しさを増してくる(記憶に残る渓谷になりそうだ)。
初めて右岸に渡り杉林に入る。3回右岸を歩いて左岸より白山谷を渡ると駐車場に出てくる。

迷うような箇所はなかったが(本では『道標も整備されている』とあったがテープの上にマジック書かれているだけだった)、急坂とガレ石が多いので滑らないように注意しながらの山歩きだった。

縦走道でのヤセ尾根は経験あるが、支尾根で長くて急な登りだけのヤセ尾根は初めての経験だった。

朝、宮司から「気をつけて登って来なさい」と爽やかに声をかけられて以降、リスとキジに出会ったのみで、静かな山歩きだった。

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