テクテク釈迦岳 山頂からの展望写真は平成9年5月18日

前鬼宿坊 二ツ石裏より 釈迦岳・孔雀岳
深仙の宿にて

平成8年8月8月4日 前鬼より釈迦岳1800m(標高差1200m)晴れ 作成平成13年10月

登りの所要時間を何回も計算する。『京阪神ワンデイ・ハイク』では、宿坊から4時間50分。地図『大峰山脈』では3時間40分と所要時間が大きく違う。地図の時間だったら、何とか登れそうだ(地図の所要時間が深仙の宿から釈迦岳の区間間違っていた)。昨年の大普賢岳みたいに途中で疲れてしまったら大変だが・・。迷うより登ってみることにする。時間に余裕を持たすため前夜に出発する。
R169を南下、池原貯水池を左に見て前鬼橋を渡ると国道は左にカーブする所を右折して前鬼川沿いの林道を走る。

21:40自宅〓136km〓1:10前鬼手前ゲート600m(仮眠)〓5:35登〓6:05前鬼宿坊800m〓7:35〜50二ツ石〓8:50太古の辻1400m〓9:15〜20深仙の宿1500m〓10:10〜40釈迦岳頂上1800m〓11:30深仙の宿〓12:10〜30二ツ石〓14:50着

 林道ゲート手前に広い駐車スペースがある。車が数台泊まっており、仲間がいると心強く思ったが登山ではなく滝の撮影と、沢登りか釣り人の車だった。仮眠するが、なかなか寝付かれずに朝を迎える。

 ゲートを過ぎたところから道標に従い林道と分れ、前鬼川にかかる吊り橋を渡り石畳の急な坂道を登ると緩やかになる。整備された登山道で、途中数箇所で清水が岩肌を流れている。

朝日を浴び静まり返った前鬼宿坊に予定時間に着く。本に書いてある行者堂を捜す。確認はしていないが行者堂と思われる西側にある石段を登る。薄暗い杉古木の道、日が当たらないのにコバルトブルー色した沢を見て、谷筋を登ったが、後は二ツ岩までの道のりを覚えていない。只、暑さと寝不足と精神的な不安とで、調子が出ないまま薄暗い登山道を登る。細君は元気に登っているが、苦しくて引き返そうかと思いながら二ツ岩までくる。ここで初めてリュックを降ろしてブドウを食べる。

 二ツ岩の裏に回ると朝日を受けた釈迦岳が望めた。「もう、ここまで登って来ていたとは」。先を急ぐ。ブドウの効力か、体が辛さに慣れたのか、展望が良くなって(写真を撮るために小刻みに休める。)調子が出てくる。
途中2箇所白く崩れた涸沢を渡る。ここには、谷に入り込まないようにロープが張ってある(昨年の盆、弥山から前鬼へ下る登山者が間違って谷に下りて気が付いた時には、何処から下ったか分らなくなり一週間オタマジャクシを食べて動かずにいて、沢登りの人に発見された)。初コースで、下りだったら間違い易い場所だ。僕もルートが一瞬分らなくなり谷の上部を見回していた

上部には南奥駈道の稜線らしき尾根が迫っているが、なかなか合流しないので苛立つ。スズタケが茂る道になり、やがて太古の辻に着く。標識があり、近くに1m程で高さが違う二ツの石、『背くらべ石』が立っている。稜線に辿り着き、気がかりだったスタミナはもちそうだ。ここからの気がかりは11時までに釈迦岳に到達できるかに変わる。

 太古の辻からは明るい奥駈道になり大日岳分岐を右に見て西側を巻いて進むと、広い台地状の深仙の宿に着く。東側はクジャク谷に鋭く落ち込んでいる。北には孔雀岳と思われる頂が見える。参詣堂に手を合わし山行の無事を祈願して出発する。
ブナ林の正面のピークを越すとトウヒなどの針葉樹となり、ガスが懸かり始めた釈迦岳が望めた。更に進むと不動小屋谷からの道と出合う。ゴツゴツした岩混じりの登山道を急登すると、やっと釈迦岳頂上に着く。

 残念ながらガスが懸かってしまい、360度の展望は見ることが出来なかった。釈迦如来像の下で食事する。ここで初めて登山者に会う。元気そうに登って来たので尋ねると「不動小屋谷からで大台ケ原を歩くような感じで登って来た」と、奥さんが「もう少しキツイですよ」と。(後日図書館で調べると林道を車で走れる事が分かり1週間後に再挑戦する)11時までに辿り着ければよいと、計画していたが11時前に往路を下山。

 深仙の宿にある大岩の間から雫が落ちる香精水をカップに溜めて飲むと格別の味の名水で(時期によっては涸れている)何杯も御代わりする。大日岳にも登りたいが、下山にスタミナを温存するために諦めて下山する。

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